この項目ではVICTORIAの舞台となる時代(19世紀~20世紀初頭)を取り扱った書籍などを紹介します。
学習漫画など。
全20巻のうち、10巻から15巻までがVICTORIAのシリーズの範囲に該当します。
全12巻のうち、7巻から11巻までが該当します。
全17巻のうち、11巻から15巻までが該当します。
ベストセラー『君たちはどう生きるか』の作者によるリンカーンの伝記。岩波少年文庫。
新書や入門書など。
鉄板。高校の世界史教科書の普及版「もういちど読む」シリーズ。
とりあえず1冊読んでみたい、という場合はこれか下記の『最新世界史図説 タペストリー』がおすすめ。
これも鉄板。高校の世界史資料集。カラーで彩られた地図と年表で世界史が分かり易く描かれている。
一人の著者によって書かれた世界史のシリーズ。この8巻は「帝国の時代」を扱っており、VICTORIAのシリーズの範囲を包括している。
世界史リブレットシリーズ。帝国主義の学説史から説き起こし、鉄道、電信、船舶などによって世界がどのように分割され、一体化していくのかを分かり易く説く。
「ヨーロッパ史入門」シリーズの1冊。帝国主義に関する史学史的なテーマを広く扱っている。
「大英帝国の"戦う女王"」の評伝。かなり女王に好意的。
「ふくろうの本」シリーズ。イラストや写真が豊富で読みやすい。ヴィクトリア女王の生涯を、王室文化や個人的挿話に焦点を当てて描いた伝記本。
「興亡の世界史」シリーズの1冊。ヴィクトリア朝を中心に大英帝国(とその植民地)の通史を描いている。
ポストコロニアリズム論からのイギリス帝国史。ブリテン合同から、第一次植民地帝国、第二次植民地帝国、そして脱植民地化までの全過程を平易に叙述する。
イギリス帝国は「意図せず」、「偶然に」形成されたという先行研究や「他の植民地より穏和であった」とする俗説などを鋭く批判し、イギリス植民地の実態を指摘する。
近世から現代にかけてのドイツ史が網羅されている本。概説書として非常に優秀であり、初学者でもとっつきやすい。
Vicシリーズに関連深いドイツの政治家ビスマルクの人物史を、その時代のヨーロッパの歴史とともに解説した本。
ちょっとニッチな歴史ものを得意とする同じ出版社から、ドイツの統一、拡張、そして解体を扱ったセット。
『第二帝国』は統一に至る過程から政治・経済・文化から概観する。
『ドイツ植民地研究』、『旧ドイツ領全史』は一度統合されるも再び分離された諸地域を解説する。
反動・無能・バカ・間抜けなどと酷評されがちな第二帝政の指導者ルイ=ナポレオン。彼が壮大な意志をもってフランスを近代化させたストーリーがわかる一冊。
中国の英雄の一人であり悪女の典型とされた西太后を、やや再評価する観点から描いた新書。近代中国における権力の在り方の典型として西太后を描く。
「貧困に陥るのはすべて自分のせい?」/明治時代を通して見える"格差の構造"(帯より)。
「疫学の父」ジョン・スノーと、当時まだ見る事が出来なかった細菌、コレラについてを主題とした本。
しかしそれだけにとどまらず、当時のロンドンの様子や、なぜ「瘴気論」が主流であったのか等、時代の背景までを物語調に書いており、読みやすい……筈。
後半、都市論になるのはご愛敬。
「興亡の世界史」シリーズの1冊。ロマノフ王朝を中心にロシア史を描いているが、ロマノフ王朝に好意的な筆致で、識字率や農奴問題などは触れる程度にとどめている。
学術的な専門研究書。
「オックスフォード ブリテン諸島の歴史」シリーズの論文集の1冊。この9巻は19世紀を扱っている。
副題は「生態学的視点から歴史を見る」。生物学的視点から帝国主義の歴史を描いた研究書。
産業革命はインドや中国ではなく、なぜイングランドで起こったのか? 数多くの対立仮説を棄却し、歴史の真相に迫る。
多数出版された第一次世界大戦の原因研究本の一つで、普仏戦争の終結(1871年)以降の各国情勢、外交、軍事、政治、世論などの多角的視点から戦争に至る流れを探った研究書。
歴史上一回きりの経験である世界市場の形成過程について、史学史的、統計的資料を交えてこれを論じる。1991年の単行本を文庫化したもの。
東インド産キャラコをランカシャー産リネンが代替として駆逐する過程を産業革命史として描き出す、やや専門的な産業革命史。VICTORIAシリーズの織物、綿花、染料の関係がよくわかる。
イギリスで最も有名なマルクス主義者の歴史学者、エリック・ホブズボームによる三部作。VICTORIA2の開発スタッフはこの三部作を「必読文献」と言ったとか。
ホブズボームに関しては、『エリック・ホブズボーム 歴史の中の人生』 / リチャード・J・エヴァンズ(木畑洋一監訳、岩波書店(上・下)、2021年)という伝記も邦訳されている。
古典。
比較的に主流派、新古典派系やケインジアン系など。
資本主義の歴史的原因を宗教からくる社会的精神の違いに見た古典。
第一次世界大戦の講和会議に出席したケインズが、大戦以前の歴史や会議の様相、条約への批判と影響の予測などを記した古典。
訳者の山形浩生が内容を公開している(リンクを踏むとセキュリティ警告が出るがまだ公開されている)。
ケインズはアダム=スミス、マルクスと並び三大経済学者に称される。こののち戦間期(世界恐慌)にしたためた大著『雇用・利子および貨幣の一般理論』はあまりに有名だが、当時の経済学会に一石を投じ、現代政治経済につながっている。『一般理論』も同じく山形氏が翻訳しており、併せて読みたい。
近代より発展し成熟した資本主義経済の結果である世界恐慌について、著名な経済学者ガルブレイスがその原因、過程、結果を分析した古典。
共産主義の思想を体系づけたマルクスが、同時代フランスの第二共和政→第二帝政の体制を考察した評論。
マルクスは歴史的事象について、(プルードンの言うように)構造だけで進むものではなく、(ユゴーの言うように)個人の力だけで生起するものでもなく、相互関係するものだとした。
マルクスはアダム=スミス、上述のケインズと並び三大経済学者に称される。これに先んじてしたためた冊子『共産党宣言』、晩年の著作『資本論』は今もなお現代政治経済思想に左右両派を問わず影響を与えている。
副題は「資本主義の最高の発展段階としての帝国主義」。資本主義が独占段階に達すると膨張政策に帰結し、世界大戦の原因になると論じた。
日本の国際共産主義者である野呂栄太郎による、日本資本主義発達の歴史過程の分析を通じた現状分析。軍事力を基礎とする発展が中国をめぐるアメリカとの戦争を不可避にすると予言した。
「伝記は短篇であるべきだ」という持論を掲げるストレイチーの代表作。マニング枢機卿、ナイチンゲール、アーノルド博士、ゴードン将軍の四編を収録している。
映画、ドキュメンタリーなど。
晩年のヴィクトリア女王が想いを寄せたインド人執事をめぐる、宮廷喜劇。衣装などの考証がしっかりしている。
アメリカ人共産主義者でジャーナリスト、ジョン・リードの生涯を描いた大河作品。ロシア革命を中心に描いている。
母や自由党の庇護下で育ったヴィクトリア女王が、アルバート公という伴侶を得て自立する過程を描いた伝記映画。ヴィクトリア女王の前半生を描いている。
戦争や日常が映像記録として残されるようになった20世紀を捉えたドキュメンタリーの金字塔。ボーア戦争前後から現代までを通史的に描く。
特に第1集・2集では列強がなぜ泥沼の大戦に突入してしまったのか生き生きと理解できる。全編通して世相史としても秀逸。
現代からみると、世界中から当時のフィルムを集めて映像にする壮大な企画はバブルの香りが残る当時でなければできなかったであろう。
なお、シリーズの『新・映像の世紀』・『映像の世紀プレミアム』は実質名前だけ同じの別物。
小説や劇画など。
コンゴ自由国(ベルギー王領コンゴ)を舞台に、ヨーロッパ人の苛烈な植民地支配の実態を描き、
見知らぬ奥地の実態=アフリカの闇の奥、人間の欲深さ=心の闇の奥を訴えた。
——というのが定番の宣伝であるが、
ベルギーのコンゴ獲得にあたり、ベルギーをフランスが支持し、イギリスはポルトガルと組んで反対していたという経緯があり、
著者のコンラッドはイギリス人であるところには注意されたい。
コンラッド自身も作家になる前は船員として世界各地を旅しており、闇の奥はその経験を基にしている。また、コンラッドの生まれはポーランドである。
序盤の宣伝にあるように、欧州による「文明化(植民地化)」の実態を描いた作品だが、ビクトリア時代の日本も植民地建設を行い現代でもしばしば植民地化を正当化する歴史修正主義的な主張も見られる事から、そう言う視点で読むとこの作品のテーマも欧州にだけに限らない普遍的なテーマを扱っていると言える。
1979年にコッポラ監督が「闇の奥」を原作とした「地獄の黙示録」も作られている。映画の方は舞台をベトナム戦争に翻案されている。
「The horror! The horror!」はこの小説の有名な一節だが、日本語訳だと訳者によって訳が違うので、なぜ訳が違うのか考察するのも面白い。このように、人によって様々な解釈が可能である奥深い作品となっている。
原題『Heart of Darkness』はVictoriaプレイヤー的にはVic2のDLCとしてなじみがあるだろう。
「機動戦士ガンダム」の原画を務めたアニメーター安彦良和御大による漫画作品。
1918年からのシベリア出兵を舞台に、架空の人物である砲兵将校の乾と新聞記者の巽がボルシェヴィキとの戦争に対峙する。『月刊アフタヌーン』で連載中。
かつて司馬遼太郎は「健康な明治」という史観を歴史小説によって提示し、明治維新から日露戦争に至る日本史の展望を発展途上の「坂の上の雲」に例えました。
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