AAR/もしフランツ・ヨーゼフがフィヒテのドイツ国民に告ぐを読んだら
誰かが言ったように、オーストリア帝国は完璧な調整と変化への忌避から成り立っている。
革命の運動は国民国家を超えて広がり、帝国はそれを弾圧している。しかし現状維持はいつまで続くだろうか?
皆さんこんにちは。パラドライフをいかにお過ごしでしょうか?
筆者はと申しますと、VICTORIA3のv1.3とVoice of the Peopleがリリースされて以降、毎日サルのようにこのゲームをやり続けています。
VotPはSteamのレビューで2023年6月11日現在、「やや不評」となっておりますが、その評価基準は「価格に見合った内容ではない」というのが多数です。
しかしパラド社の開発方針からして、無料要素とDLCとは分けて考えることは不適当であり、アジテーターシステムや法律と革命へのテコ入れは十分面白いゲーム体験を私たちに提供していると考えられます。
v1.3とVotPをレビューするついでと言っては何ですが、このバージョンでもオーストリアによるドイツ帝国は可能かどうか、検証しようと思います。
どうか皆さん最後までお付き合いください。
フランツ・ヨーゼフ「ばぶー、だあ、だあ」
さて、今日も今日とてオーストリア・ハプスブルク帝国です。皇帝は精神疾患の上、病弱で、皇太子はまだ5歳の子どもです。
メッテルニヒ卿「会議は踊る。されど進まず」
政府は「オーストリア貴族」という名前の地主IGのみの専制政府で、正統性はカンストしています。
首相は地主代表の「ラインラント生まれのヨーロッパ人」、クレメンス・フォン・メッテルニヒ卿。
このひとは世界史の教科書にも出てきますので皆さんご存知ですよね。19世紀前半の国際秩序を築き上げ、それを維持し、維持に失敗して、失脚して亡命した人です。
メッテルニヒはどちらかと言えば欧州列強国家間の勢力均衡を大事にし、その土台の上にオーストリア・ハプスブルク帝国の繁栄をつくろうと思った人物です。
ゲーム的には南ドイツ人の(ラインラントは南ドイツの範疇なので間違ってません)、カトリック教徒で、1836年時点で63歳。人気は上々の50。地主IG所属でv1.3で追加されたイデオロギーである権威主義者という考え方の持ち主です。
このゲームで彼の設定は地主中心のオーストリアを運営していく上では非常に有能で、高齢であるということを除けばなかなか良質な首相であると言えるでしょう。
法律については画像を割愛しますが、v1.2の頃とそう大きな変化はございません。
君主制の専制で、世襲官僚制というまあ時代遅れのカトリック国家の典型という法律体系をもっていますが、他方で、経済法は(伝統主義ではなく)介入主義で、女性は財産権をもち、奴隷制でも農奴制でもありません。
税制は土地ベース課税で、資産ベース課税だったv1.1の頃に比べて弱体化していますが、とくに大きな問題はありません。
技術はこういうルートで研究していきます。
将校団general staff、ナショナリズムnationalism、汎ナショナリズムpan-nationalismですね。
最後の汎ナショナリズムは時代3の技術であるため、開発するのに10年とか平気でかかりますが、ドイツ建国の条件になっているためにキューに入れました。
他のAARにも書きましたが、序盤に重要なのは最初の二つ、将校団とナショナリズムです。
将校団は散兵戦術を可能にしてくれ、これがプロイセンに軍質で対抗する必須条件になります。ナショナリズムはドイツ統一運動の最初の条件です。
生産は適当でいいです。
戦争を多用するため、健全な財政がほしかったので、建設施設は増設しませんでした。大学を最優先に生産して、それと政庁をつくるために紙と木材をつくっておきます。
外交は重要ですが、できることは限られています。
まずイギリスとフランスとロシアの関係改善をします。これらの列強とは早期に関係を50まで上昇させ、できれば一か国と同盟を、その他の国とは協定を結びたいです。
今回のプレイでは1837年12月にロシアと同盟を締結しました。広がれ、神聖同盟のワッ! フランスとは協定を締結しましたが、イギリスは協定を結んでくれませんでした。
余った外交影響力はドイツ諸邦との関係改善及び関税同盟の拡大に使います。
それでは時計の針を動かしていきましょう。
つづく