AAR/ガリアの雄鶏がなく頃に

ナポさんはフランス第二帝政の皇帝です。
彼は実は重度のパラドゲーマーで、今日も今日とてパラドゲーに興じます。

ナポさんは祖国フランスでプレイするのが大好きです。
でもこの日は、ある来客があって...?

まずは自己紹介

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はあ、今日も今日とてフランスを選んでパラドゲーをやっているけど、いっつも共和派やコミューン派に国家転覆させられてしまう。なんとかならないものか。

 
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ナポさん、こんにちは。

 
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おや、こんなところに鶏が。おやつに食べちゃおうか。

 
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こけこっこ。やめてください。ぼくは実際の鶏ではなく、フランスの化身、ガリアの雄鶏だよ。

 
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ぼくは熟練のパラドゲーマーで、ナポさんに何かアドバイスできることはないかと思って来たんです。

 
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なんだかよくわからないが、それなら食べないでおこう。

 
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それにしてもナポさんはゲームがへただなあ。国民の生活水準は低く、州は騒乱状態になったまま、いっつも共和派やコミューン派に国家転覆されてしまうじゃないですか。

 
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そうなんだよ。このゲーム、難しいんだよ。なにかコツとかはないのかな。

 
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それなら、一緒にやってみましょう。

 

ゲームのコンセプト

ふたりはさっそくゲームを起動します。
サンドボックスのフランスを選んで、ゲームを開始。
ふたりはうまくこのフランスを領導できるでしょうか?

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じゃあさっそくフランスを選択してゲームを開始だ。さっそく財源を確保して建設局を稼働させて軍備を増強し、時計を動かして...。

 
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ちょっと待ったあ。

 
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えっ。

 
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えっ、じゃないですよ。ナポさんがいっつも最後に国家転覆されちゃう理由が分かりますよ。

 
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どういうこと。

 
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まず最初にナポさんに必要なのは、フランスを選択するにあたってのコンセプトですね。

 
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コンセプト?

 
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あらかじめどういうゲーム体験をしたのか、という確信です。

 
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なるほど。それなら、やっぱり私は叔父が果たせなかった世界覇権国としてのフランスを実現したいな。

 
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よろしい、十分立派なコンセプトですね。しかしそのためには、ゲーム開始以前からのこころの準備が必要です。

 
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どういうことですか。

 
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このゲームはVoice of the PeopleというDLC以来、フランスには「分裂した君主主義者」というジャーナルが実装されています。

 
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このジャーナルはオルレアン家、ブルボン家、ボナパルト家の三家が互いに競争してポイントを貯め、フランスの王権を獲得するというものです。

 
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なお、隠しルートとして急進主義者の運動が閾値を超えるとイベントが発動してフランスは強制的に共和国になってしまいます。

 
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なるほど、つまり「分裂した君主主義者」のジャーナルでボナパルティスト・ルートを通過させ、フランス第二帝政をつくって世界覇権国となるのが目標であると。

 
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そういうことですね。フランス第二帝政を繰り返すことにより、史実よりぼくらがもっとうまくやれていたら、フランスはイギリスにまされたかどうか。ドイツやイタリアは地理的概念のままだったかどうか。これを検証するのが今回のAARです。

 

ボナパルティスト・ルートの序盤攻略手引き

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それで、具体的には何をすればいいんですか?

 
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ぶっちゃけ、ボナパルティスト・ルートは、そんなに難易度の高いルートではありません。適当にやっていても「分裂した君主主義者」のジャーナルでボナパルト家が勝利することは可能です。

 
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たしかに、フランスをAIが担当すると、だいたいがボナパルティスト・ルートに行くからね。

 
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しかしそれをより迅速に、確実に済ますことは可能です。

 
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たとえば初期状態でボタンを押すことが可能なディシションに「灰の帰還」というものがあります。これはセントヘレナ島に流された叔父さんの遺灰を帰還させるというもので、押すとボナパルトポイント(仮)が増えます。

 
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さらに政府内にボナパルティストのIG指導者をいれることが重要です。初期にはプチブルのモカートさん(Jean-Francois Mocquard)がいますが、ここではそれに加えてスルト元帥(General Soult)をボナパルティストに転向させておきましょう。

 
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ありがとうございます。

 
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これで1840年代のはじめにはボナパルトポイントが閾値を達成するものと思われます。

 
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一般的な初動の方もおしえてほしいですね。

 
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建設や外交点は適当にふっても大丈夫です。大丈夫ですが、建設は、フランスは初期財政に余裕があるので行政府と大学を多めにキューにいれておきましょう。

 
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権力の配分は重要な要素になってきますので詳述します。まず物品税は初期設定ではワインとリキュールに課税されていますが、サービスとなにか高級品ひとつに変更しておきましょう。

 
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ワインはフランス文化の執着になっているので、高級品はワインを指定しておきます。ぼくは初期設定をできるだけ尊重したいプレイスタイルなので。

 
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それならワインとサービスにしておきましょう。さらに、余った権力をつかってボナパルティストの運動を奨励し、急進主義者の運動を弾圧します。理由は分かりますよね?

 
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もちろんです。前者はボナパルトルートを達成したときに与党を安定させるためで、後者は急進主義者の運動が閾値を超えて共和政体に強制変更されるのを防ぐためですね。

 
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そうです。ところで技術は、戦争を初期からする予定なので、(将校団General Staffが解禁済みなので)トリアージTriageを目指してから、つぎにナショナリズムとキニーネをとっていきましょうか。

 
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ナショナリズムはフランス固有のジャーナルやディシションの条件になっていますね。

 
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そうですね。あとは、外交関心を中華全域につけて、ついでにアナトリアやアラビア、エジプトにも関心をつけておきます。さて、このへんでいいですかね。そろそろ時計の針を動かしましょう。

 

陰謀家の帰還

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時計の針を回しています。しかしこれと言って読者諸氏に報告するべきことはありません。スルト元帥がギャンブルにはまって辞任したり、アルジェリアで反乱が起こったくらいですかね。

 
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ボナパルトルートが固定されるまで、ただ待っていても時間経過による悪名減衰がもったいないので、この間、アルジェリアを食べていきましょうか。

 
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わかりました。

 
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さて、そんなこんなで1836年も暮れ、1837年の年初になりました。フランスの1837年年初には、ほぼ確実にあるイベントが起こります。

 
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おっ、「第三の男」がフランスに帰還しましたよ。ルイ・ナポレオン・ボナパルト、扇動者として堂々の登場です。

 
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陰謀家ルイ・ナポレオンが帰還します。帝政復古を狙ったクーデタ未遂事件であるストラスブール事件によって獄にあった彼は、恩赦で釈放され、フランスの扇動家として登場します。

 
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年齢は28歳。若いなあ。これからながく活躍してくれそう。そして人気は圧倒的な95! 国民に愛されているのが分かります。肖像も史実のものに寄せてますね。

 
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このゲームの史実人物の肖像は、似てないのも多いんですが、ナポさんのは似ている方でしょうね。IGはプチブル。当然、指導原理Ideologyはボナパルティストで、ボナパルティストの運動を支援しています。

 
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この世界線のナポレオン3世はいったいどんな運命をたどるのか。

 
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乞うご期待。

 

(次頁に続く)


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