本作の根幹をなすのがPOPになる。
しかしプレイをしていて見つけるのも把握するのも難しいのがPOPだ。
POPはそこにいるはずなのに多数の人の集合体のため直接見ることができない。
そんな存在だ。
厳密にはPOPのステータス画面までは追いかけられる。
だがどれだけ草の根を分けて把握しようが、プレイにたいして影響しないのも事実。
悲しいね。
そこで登場するのが利益団体というPOPの集合体のような組織になる。
この利益団体の影響力が何となく法律の確率と一致していることには、大抵のプレイヤーが気づいているはずだ。
細かい話はわきに置くとして、お気に入りの利益団体の影響力を上げれば勝てる!
そう覚えておこう。
影響力はどのように決まるのか、矢印を置いたツールチップにすべて書かれている。
しかし項目が多すぎて理解しにくいのも事実。
ざっくり見て内容をまとめると以下のようになる。
・影響力は20%以上で「強力」となる。強力だと利益団体のバフが+100%される。
・影響力は各団体の政治力の割合で決まる。理論上100%を超えることはない。
・政治力は各州の財力の合計によって決まる。ただし首都は大きく、未併合の州は小さくなる。
・財力はPOPの収入と支出の差額で決まる。これを表現したのが生活水準になる。
(スタート時日本なら生活水準10.0という上のバーにある数字だ)
・最後に影響力はリーダー特性、法律、将軍そのほかにイベントによる一時的なバフ、デバフによって最終的に決まる。
(幕府は初期で+160%という狂ったバフがかかっている)
幕府の影響力の大部分がこの大量の法律バフによって支えられている。
そのため法律ガチャを何度も続けて改正すれば幕府が弱体化すると理解できる。
『それホントですか?』
『あのパラドが、戦略中毒のパラドがそんなツマラナイ設計をするのですか?』
心に疑問が浮かんだら、実際に調べてみればいい。
項目をひとつひとつ見てみよう。
例えば政治力の基礎は財力と書かれている。
つまり極端な暴論で言うとPOPの財力≒政治力になる。
想像してみてください。
政治戦闘力5のゴミが界王拳をしても戦闘力10~20が関の山だ。
ゴミがバフをしてもゴミである。
つまり根幹である財力を削り続ければバフ関係なしに影響力が減っていくはずだ。
じゃあ幕府の力の源泉である財力はどこを見ればわかるのだろうか?
よろしい、では確認しよう。
政治レンズを作動させながら関西に矢印を持っていくと関西の政治力が現れる。
何となく幕府10Mの政治力の内約1Mが関西にあるのだと気付けるだろう。
思っていたより低いな。
…………。
実はこれ、ウソです!
真の本当の政治力は「利益団体幕府」を左側に出しているときに表示される。これだ!
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。
おれは政治力を見ていると思ったらバフがかかる前の政治力を見ていた。
それとは別にバフがかかった後の政治力も用意されている。
何を言っているのか分からないと思うが、おれもパラドが何を考えているのか分からない……。
ほんとうに頭がどうかなりそうだ……。
まあパラドゲーはポルナレフ状態でプレイするのが普通なので気にしたら負けだ。
政治力のツールチップを読むと何となく3倍の政治力の原因が分かる。
首都に住むPOPは政治力が上がる(何%影響するかは不明)
併合されていない州のPOPは政治力が低い(何%影響するかは不明)
たぶんVIC3のバフのノリから考えると100%の首都バフが乗ってるはず。
(そうなると首都だけで法律バフと合わせて260%のバフがつくのですが、パラドが答えを出していないので実際は分かりません)
この首都バフと各法律バフがあるとよくわからないので、バフのかかってない最初の1Mを参考に話を進める。
さて、利益団体幕府>人口>貴族>各POPステータス。
この順番にクリックするとPOPのステータスが現れる。
オープンステータス!
日本の貴族POPはレベル24(生活水準)
政治力1.67Mつまり政治戦闘力167万の化け物になる。
おや? 上では関西1Mなのにここでは1.67M……54万近い宇宙の地上げ屋レベルの戦闘力がどこかに消えてるぞ??
実はこの政治力の上にある利益団体アイコンのツールチップを表示すると答えが出る。
VIC3はPOPの下にさらに「個人」が存在し、彼らは魅力の数値に従って所属する利益団体を変更するという性質がある。
そして見ての通り貴族POPは実業家や労働組合には決して加入しない!
詳しくはWikiの各種データ>利益団体の加入、ここにどこに加入するのか一覧がある。
さてこのPOPは人数も多く、小作農というプレイヤーが潰したくてしょうがないところに住んでいることが分かる。
では小作農の構成員は貴族、聖職者、小作農の3つのPOPだけで完結している。
ちなみに関西小作農の聖職者の政治戦闘力1.18Mのまさに化け物だ。
どいつもこいつも化け物じみててコワイね~。
この下の小作農は政治的無関心なので考慮しなくていい。
ちょっとわき道にそれた疑問の話をする。
個人が存在するのなら一人当たりの財力、つまり個人の政治力を出せるのではないか?
イエス、計算で出せる。
貴族POP(レベル24)の一人当たりの戦闘力(政治力)を計算すると59.4ぐらいになる。
だいたい60だ。
これに対してお隣南京の貴族POPは清国の膨大な小作農POPの影響で収入が低く、レベル21になる。
ツールチップに書かれている政治力と人数を単純に割り算すると――。
政治戦闘力はドン! 33だ!
たった3レベルで倍程度の力の差が生まれる。
まさにレベルを上げて財力で殴れ、だ。
こうなると他の国も見て見たくならないか?
ならない?
いいや、私はなるね!
先進国イギリスのホームカウンティーのライ麦畑の貴族レベルは29!
個人政治力にするとそれなりの差である88.5!
お気づきだろうか?
本作はスパイ防止法が施行されていなので、鎖国している日本から世界の裏側のPOPの政治力が普通に覗けるのだ!
ロールプレイを損ねるので、正直何とかしてもらいたい。
さらにイギリスの実業家の力の源泉はレベル100越えの交易センターのレベル50になる資本家POPになる。
彼らの人数は26Kで、政治力は圧倒的な9M!
つまり個人政治力は3万4千以上になる。さらに首都バフという隠しバフがかかるのでさらに跳ね上がる。
一騎当千どころではない。
うーんこれはVictoria!
まさにこの時代を象徴するPOPだ。
……国は弱いけど。
ここでは建造物と製法の切り替えで何がおきるのかを見てみる。
農業に貴族と聖職者、貿易センターに資本家がいることから察せるようにVIC3の建物には対応するPOP以外存在しない。
そして資本家、官僚、学者あるいは兵士などのPOPは小作農POPからクラスチェンジして職に就く。
つまり建造物のPOPたちは畑から取れる!
これは実際にプレイしていると何とな~~くわかる。
だが市場の需給バランスを考えて建てる受動的なプレイだとふんわりとしか分からない。
小作農ばかり見ていても面白くないので次は東北の伐採所を見てみよう。
伐採所の初期製法だと店主と労働者で、両方とも政治的無関心になる。
つまりどんなに伐採所を建てても利益団体は伸びない。
それでは製法を変えるとどうなるか見てみよう。
一見すると労働者POP1.5Kが機械工POP1.5Kに置き換わったように見える。
ところが人口タブでPOPを確認すると――。
なんと資本家、機械工、労働者である。
ひっそりと店主POPがジョブチェンジしている。
これは伐採所だけじゃなく、ほとんどの工場でこのような変化が起きる。
つまり実業家の利益団体を育てたいなら製法をすぐに切り替えていかないとダメなのだ。
鉛や硫黄を後回しにして紙、ガラス、家具などの工場の製法を変え忘れていないか?
飾り細工工房と石炭、鉄工ばかり作ってないか?
それだと初期からある十数レベル分の工場の政治力が無駄になり、実業家が育ってないぞ。
つまり話をまとめると次のようになる。
・建物を建てると小作農が減る。
・小作農が減ると貴族の収入が減る。
・すると小作農あるいは貴族は別のPOPにジョブチェンジしたくなる。
・ジョブチェンジすると利益団体「幕府」に加入できなくなる。
・幕府の支持者が減る、財力が減る、最後には幕府の政治力も減る。
なんてことはない、つまり農業系以外の建物を建て続けると自然と幕府は弱くなるのだ。
本当だろうか?
この結論が正しいとなると初心者向けのアドバイスによく書かれている「内政の基本は農業になる」、とか「お茶や絹の輸出が歴史的に正しい」、とかを信じていると幕府の強化を促していることになる。
これは由々しき事態だ。
ごちゃごちゃ説明しても理解が進まないのがこのゲームになる。
そろそろ理屈はどうでもいい、プレイを魅せてくれ。となるだろう。
おっしゃる通りだ。
それでは建設内容を能動的に選別するとどれだけ利益団体に影響するのか見るために極端なプレイを次回からしてみる。
次回につづく。