AAR/これさえ読めばAARが作れる!超初心者向けAAR作成講座
さて、前編では基礎的な編集の方法について説明したが、後編ではいよいよAARの作り方について解説していこう。
まずAARを作るにあたって、本体となるページを作らなくては始まらない。
しかしその作り方を説明する前に、説明の理解に必要な知識である、wiki内のページ構造について軽く解説しておこう。
wikiを読んできた読者諸氏の中には直感的に理解している方もいると思うが、wikiのページは入れ子構造になっている。
例えばAARのページの中には様々なAARが乗っており、その中の本AARのページには前編、後編、おまけのページが含まれている。
このマトリョシカのうち、あるページを内包しているページを親階層のページ、内包されているページを子階層のページという。*1
さて、新しくページを作る方法は3種類あるが、このページではその内よく使われるであろう二つを紹介する。
今回はAARを作るということで、まずはAARのページを開いて、ページ最上部のメニューを見てほしい。
新規と書いてあるのが見えるはずだ。まずはそれをクリックしよう。すると以下のページに移る。
表示されている枠の中に作成したいページの名前を打ち込んで、横の編集をクリックすればそのページの編集画面に移る。
だが、ここではAARのページを作るということなので、打ち込んだ名前の頭に、次のように打ち込んでほしい。
./作成したいページの名前
このように打ち込むことで、新規をクリックしたときのページ*2の子階層にページが作成される。
子階層化することで、最新の100件に表示されるときなどにページ名の頭に親階層のページ名が表示されるようになる。
なお、
親階層のページ名/作成したいページの名前
このように打ち込んでも、同じく階層化される。
さて、名前が決まったら次にページの中身を作っていこう。*3
編集をクリックしてくれ。
ここに表示されているものは、前編で紹介した編集画面と全く同一のものだ。
ここに打ち込んだものは基本的にそのまま実際のページに反映されるが、wikiのルールに則って適切な記述を行うと、
文字の大きさを変えたり色を付けたり、様々な効果を付与することができる。
それで、そのルールは以下のページに乗っている。
…軽い気持ちで覗いてみたら予想以上にたくさんあって、これ全部覚えなきゃいけないの!?と思った方もいるだろう。
安心してほしい、そんなわけがない。正直筆者は半分も覚えていない。
テキスト整形のルールやプラグインマニュアル(1.4)はいわば辞書であり、wikiで使えるテキスト整形やコマンド等のプラグインが網羅されているが、滅多に使われないものも少なくない。
例えば とか
なんていうのもあるが、正直使われているところを見たこともない。
AARを作ったりwikiを編集する分には、比較的易しいテキスト整形のルールを軽く眺めて使えそうなものだけメモっておくくらいで十分である。
それと、ブロック要素、インライン要素とは何ぞや、ということも軽く説明しておく。
ざっくり言えば、ブロック要素は見出しや表など、主に文章を仕切るのに使うものをまとめた呼び名で、
インライン要素はその逆に、強調や注釈など、文章そのものや、それに付随する効果をまとめたものだ。
テキスト整形のルールの説明にはこの言葉が終始ついて回るので、覚えておいて損はない。
さて、少し脱線してしまったが話を戻そう。
テキスト整形のルールは数多くあるが、多用するのは一握りである。
本ページではその中でもAAR作成に必須と言えそうなものを紹介するぞ!
ここで紹介するテキスト整形はたった三つ、テキスト整形を使った新規ページ作成方法と見出し、そして添付画像の表示だ。
新しいページの作り方と謳ってはいるが、正確に言うとエイリアスの貼り方である。
エイリアスというのは何かというと、wiki内の指定した場所へのリンクであり、要するにこれのことである。
上の行のエイリアスは、このページの『新しいページの作り方 其の二』のアンカー*4に飛ぶようになっている。
エイリアスを作るには、以下のように打ち込む。
[[エイリアス名>ページ名#アンカー名]]
エイリアス名の部分には好きな言葉を打ち込もう。例えばさっきのエイリアスでは『これ』と打ち込んである。
ページ名の部分でページを指定し、アンカー名の部分でそのページ内のアンカーを指定できる。
『#アンカー名』は必要なければ省略できる。
また、ページ名を省略するとそのエイリアスのあるページ内のアンカーを指定できる。
それでこのページ名の部分にまだ存在しないページ名を打ち込む、例えば下のように打ち込むと、
その編集を反映したページでは下のように表示される。
この黄色くなっているエイリアスをクリックすることで、そのページの編集画面に移ることができる。
AARが複数話に分かれているときなどは、この機能を使うと便利だぞ!*5
紹介の前に、見出しというのがどれのことを指しているか教えておこう。
これとか
これとか
これのことだ。wikiを読んでいるとよく目にすると思う。
これを表示するには、以下のように打ち込むといい。
*インライン要素 **インライン要素 ***インライン要素
*が一つで大きな見出し、二つで中くらいの見出し、三つで小さい見出しが表示される。
この見出しはテキスト整形で目次を作成したとき、自動で入れ子状に並べられる。*6
また、編集を完了した後、自動でアンカーが後ろに着けられるぞ!*7
AARには、ゲームプレイ画面のスクリーンショットをはじめとして、様々な画像が使われている。
一つもなかったとしてもAARを作ることは可能だが、やはりいくらかはあった方が画面に華が出るだろう。
さて、画像を表示するには、外部のリンクを使う方法と、wiki内に添付した画像を使う方法がある。
筆者は後者を使用しているが、両者の違いも含めて説明しよう。
まずは外部リンクを使う方法だが、次のように打ち込めばよい。
&ref(ファイルのURL);
この方法の特徴は、画像データが外部にあるため、wikiのサーバーに負担をかけにくいことだ。
また、添付画像を使う場合と比べて、画像のアップロードが楽に行えることも長所だ。
一方で、一部のサイトでは画像の保存期間を設けている場合もあり、期限が切れると画像が見られなくなってしまう欠点がある。
そのサイトのサービスが終了した際などについても同様のことが言える。
imgurというサイトでは無料・無期限・無制限で画像をアップロードできるため、外部のサイトの中では使い勝手がよさそうだ。*8
次に、wiki内に添付した画像を使う方法だ。こちらは次のように打ち込む。
&ref(添付ファイルの名前);
説明の都合で二つに分けたが、ファイルのURLが添付ファイルの名前に置き換わっただけだ。
こちらの特徴は、外部の画像を使う場合とは逆に期限切れを気にする必要がないことにある。
ただし、画像は一つずつ添付しなければならないし、wikiのサーバーに多少の負担をかける。
stellarisやHoI2のwikiにあるAARなど、昔のAARに外部の画像を使うものが多い理由の一端もそこにある。
そのため、アップロードできる最大ファイルサイズは1,024KBと結構厳しめだ。画像を圧縮するなどの工夫が必要になることもある。
なお、現在のwikiのサーバーは昔と比べて強くなっているため、負担についてはさほど気にする必要はない。
どちらを使うかは好みの問題の範疇だろう。
さて、ここまで読んで気が付いた方もいるだろうが、まだ画像を添付する方法を説明していない。
どうして説明していないのかというと、基本的に添付する場所はその画像を使うページとなるのだが、
編集を終わらせてページが存在する状態にしないと画像を添付できないためだ。
そういう訳で、これを見ながらAARを実際に作っている場合*9、編集を完了させてから次の工程に移ろう。
画像を添付するにあたって、まずは添付したい画像ファイルを用意してくれ。
スクリーンショットをそのままアップしても構わないし、いくらか加工しても問題ない。
なお、本AARでは画像の加工方法については扱わない。ここでは純粋に添付する方法のみを説明しようと思う。
むしろ誰か画像加工の何たるかを教えてくれ
まず、画像を添付したいページの最上部のメニューを見てくれ。
その中にある添付をクリックだ。すると以下の画面になる。
ファイルの選択をクリックして添付したい画像を選ぼう。選べたらアップロードをクリックだ。
添付ファイルの名前を編集の段階で打ち間違えていなければ、これで指定した場所に画像が表示される。
名前が間違っていた場合はその旨が表示されているので、編集で直しておこう。
そして、これを表示させたい画像の数だけ繰り返そう。
…面倒だと思う人の気持ちもわからんでもない。
さて、最もシンプルな画像表示方法を解説したわけだが、wiki内の別ページに添付された画像を表示したり、その他細かいテクニックも存在する。
こちらについてはテキスト整形のルールを各自参照してくれ…と言いたいところだが、筆者が実際に使ってみたところ一部陳腐化しているようだ。
というわけで説明が面倒くさい超初心者向けとしては蛇足となるが、それらのテクニックもまとめて紹介しようと思う。
まずは別ページの添付画像を表示する方法だ。ここでは本AARトップページの真っ白な灰になったジョーを召喚する。
テキスト整形のルールには下のように書けば表示される、と書いてある。
&ref(添付ファイルの名前,添付ファイルのページ);
しかし現在ではこの方法は陳腐化している。試しにこの方法でジョーを呼び出してみると、下記のように表示される。
&ref(): The style ref(filename,pagename) is ambiguous and become obsolete. Please try ref(pagename/filename);
はい、ご覧の通り英文で『そのやり方は曖昧だったから陳腐化したよ!』と言われる(意訳)。
ではどうするかというと、その後ろに書いてあるように、代わりにこのように記述すればよい。
&ref(添付ファイルのページ/添付ファイルの名前);
このように書き直すと、
ちゃんと表示されるようになる。
デフォルトでは画像に自動でリンクが付き、画像をクリックするとその画像のもととなる画像ファイルが表示されるようになっている。
細かい画像を多用して、それらにいちいちリンクが付いているとうっとうしい場合などは、下のように書き込もう。
&ref(添付ファイルのページ/添付ファイルの名前,nolink);
上のように書くと、下のようになる。
さっきのジョーの画像と異なり、左クリック*10をしても画像ページに移らないことがわかる。
同じページの添付画像を表示させる場合は、『添付ファイルのページ/』は省略可能だ。
画像にマウスオーバーした際*11、デフォルトでは画像の名前が表示されるが、画像の名前の代わりに好きな言葉を表示させることができる。
&ref(添付ファイルのページ/添付ファイルの名前,好きな言葉);
こちらもnolink同様、同じページの添付画像を表示させる場合『添付ファイルのページ/』は省略可能。
またnolinkと併用可能で、その場合は『,nolink』の後に『,好きな言葉』と付けよう。
nolinkとの併用バージョン
さて、ここまでの技術を身に着けることができたならば、貴方も一端のwiki編集者であり、AARを作ることもできるはずだ。
ね、簡単でしょ?少なくとも当初思っていたよりはハードルが下がったはずだ。
これ以上の技術を身に着けるには、pukiwiki公式の使い方解説やテキスト整形のルールを改めて読んでみるといい。
ここで身に着けた技術を活かしていってくれれば、それに勝る喜びはない。
…とまぁ、ここで本AARを終了しても問題ないのだが、説明していないテキスト整形ルールが多いのも事実だ。
あれとかそれとかこれとか、説明していないものの中にも実用性の高いものは多い。
そこで、おまけとしてAARでよく使われるであろうテキスト整形ルールを紹介しようと思う。
テキスト整形のルールに載っているものをかみ砕いて説明するので、活用してほしい。