ロシア、プロイセン、オーストリアに挟まれた小国。初期でオーストリアの傀儡国状態。ルクセンブルク同様、1ステートを通り越して1プロヴィンスしか領有していない超ミニ国家である。
主要文化はポーランドで、1836年のキャンペーンシナリオ開始時に存在している国の中では、「ポーランド」および「ポーランド=リトアニア」の国家形成を発動できる唯一の国だが、条件となる州は、クラクフの初期領土を除く全てのステートが列強の支配下にある。
同じく統一のため列強と戦う必要があるものの、周りを弱い順に潰していけば順当に人口や資源を確保して成り上がれるルーマニアの諸公国や、1プロヴィンスの従属国仲間とはいえ、独立も拡張も容易なルクセンブルクとはかなりプレイフィールが異なり、技術やイベントに恵まれたヨーロッパ国家であることを踏まえても、本作最難関国家のひとつである。
リベラルな初期法律と、インテリゲンチャの初期の影響力が高いことは救いになりうるか。
1.5で実績「まだ失われていない」が追加され、それに関連してポーランド=リトアニアの復活に影響のあるイベントも追加された。
ポーランドの人々の遺産は、構成国から不信感を持たれ、オーストリアに占領されていたクラクフ自由国の肩に重くのしかかっている。新しいポーランド国家は、もう一度灰の中から立ち上がることができるのだろうか?
権力構造 | 経済 | 人権 |
大統領共和制 | レッセフェール | 検閲 |
富裕者投票 | 自由貿易 | 労働基本権の無保障 |
国民至上 | 土地ベース課税 | 児童労働許可 |
完全分離 | 小作農 | 法的被後見 |
任命制の官僚 | 植民地なし | 社会保障なし |
職業軍人 | 地方警察 | 移住規制 |
治安維持なし | 民間学校 | 奴隷禁止 |
医療制度なし |
初期状態でかなりリベラルで、急いで変更の必要のある法律は少ないが、国民至上だけは早期に人種隔離以上に変えたい。差別が解消されないと、オーストリア市場の他の州からの移民が入ってこないためだ。
課税法が土地ベース課税スタートなため、普通の国なら人頭課税を飛ばして比例課税に直行しやすいところなのだが、立ち上がりの時期に財源を確保しないと一生独立できないので、このメリットは有効活用できない。
さらに、従属国ならではの大問題として、宗主国による「体制変更」の強要がある。
どれだけリベラルな法律群を揃えていても、キャンペーン開始時ではヨーロッパ有数の大反動である宗主国オーストリアの法律(権力構造)に引っ張られることがあるのがあまりに厳しい。詳細は後述。
州名 | 初期インフラ(使用量/上限) | 建設済の施設(施設名+初期レベル) | 建設可能な資源・農業施設(施設名+最大レベル) | 総人口 | 州補正(補正名称(補正内容)) |
ガリツィア | 6/8 | 織物工場2, 大学1, ライ麦畑1, 徴兵センター1 | 石炭鉱山13, 鉄鉱山3, 伐採所2, ライ麦畑16, 家畜牧場15, 未使用の耕作地15 | 224K | なし |
上記はオーストリアと分有する西ガリツィアのうち、クラクフが領有する1プロヴィンス分のデータ。ステートを統一すれば、石炭鉱山なら140単位もある。
独立の過程で石炭+鉄鉱石=鋼鉄を出力するのが簡単なのはありがたいが、ルーマニアと異なり、硫黄と鉛を確保するのがまあまあ先になるのはつらい。
ジャーナル名 | 発生条件 | 達成条件 | 達成後 | 備考 |
国々のキリスト | 民族主義研究完了 | ポーランド=リトアニア形成に必要な州+シレジアを領有 | イベント「再誕」が発動 | 独立している、または検閲が制定されていない場合、5年に一度アクション「海外でポーランド急進主義者を養成する」が使用可能 |
連邦の拡大 | 汎民族主義研究完了 ポーランド=リトアニア形成 | ミンスクを領有 キエフを領有 母国が白ロシアまたはウクライナの州を7州領有 | 民族国家または国民至上が未制定の場合 白ロシアとウクライナが主要文化になる 白ロシアpopとウクライナpopの10%が体制派になる そうでない場合 ポーランドpopの10%が体制派になる | 発動時必要州に請求権を獲得できる |
詳細は国家形成を参照。
実績「まだ失われていない」達成を目指す場合、上記のようなプレイスルーとなるだろう。
まずは最低限、オーストリアの傀儡国から抜け出さないと話にならない。またその後、実績達成のために必要な領土も多いため、なるべく早期に独立するのが望ましい。
よって、プロイセンにすり寄り、プロイセンを独立戦争に巻き込める機会を待つというのが、最も期待値が高い方法と思われる。
プロイセンを召喚できない、召喚できても勝てるとは限らないため、独立達成までリセマラを繰り返すことになる。
初手法律は、経済法をレッセフェールから干渉主義。
やや後退感があり、やりたくはない変更だが、民営化を妨げられないレッセフェールだと、オーストリア資本に国内産業をどんどん買われて、自由への渇望が落ち切ってしまう。
これは、前述したオーストリアによる「体制変更」要求の問題が関係している。
オーストリアの外交態度が抑圧的な方向に傾くと、クラクフの素晴らしい法律群を、宗主国たるハプスブルク君主国の本当にしょうもない反動政策に強制的に切り替えられてしまう。
変更される法律は、オーストリア自身の改革度合いにもよるが、基本的には「君主制」、「専制政治」、「国民至上」、「良心の自由」、「世襲官僚」、「職業軍人」および「治安維持なし」が突然なんの警告もなしに降ってくるとみてよい。
職業軍人はともかく、他は劣悪の極み(この中ではマシな国教法でさえ、クラクフは初期で完全分離を制定済み)なうえ、通常の法律変更同様に、各利益団体の好感度も当然の権利のように上下するため、ここまでドラスティックに変わると地主と聖職者のお邪魔IGコンビ以外はブチ切れて革命一直線となる。
というわけで、オーストリアとは独立するまで喧嘩できない。自由への渇望をお手軽に上げられるからといって、市場自主権や政府支援を要求する(断らせる=外交関係が悪化する=外交態度も悪化する)のは避けたほうがよく、穏便に渇望値を稼ぐには、レッセフェールを捨てるしかない。
体制変更要求へのより抜本的な対策は、以下の2つのアプローチが考えられる。
初動外交は、プロイセンとイギリス/フランスとの友好度上げ、次いで英仏どちらかの残りとオスマンとの友好度上げ。これら列強から独立支援を取り付けるのがゴール。
建設局を1つでも作ると赤字になる。初期建設力のみで伐採所や鉄鉱山→工具工房や、石炭鉱山からの製鉄所、あるいは缶詰工場や織物工場の建設を進めよう。
それだけでもオーストリア市場では相対的に高SOLとなり、「となりの芝は青い運動」布告と合わせれば、週500人程度移民を呼び込めるはずだ。
移民で労働力が安定し、国内の資本家が鉱山や工場を買えるようになって、財政が安定してきたら、兵舎(と徴兵事務所)を建てて独立戦争に備えよう。
初期建設力でもすぐにインフラが足りなくなるため、初動は鉄道直行。道中拾えるメカニカルツールで、鋼鉄の需要を作れるのも大きい。
その後は、独立に役立つ民族主義や、汚染を緩和する医療政策の規模を上げられる製薬、他、生産系や社会系の、省人、インフラ節約技術に進むことになるだろう。
上記の技術より優先度は落ちるが、比例課税と普選が解禁される平等主義もこの時期。順当に開発が進めば、独立するころには人頭課税より比例課税のほうが歳入が増える。
軍事技術はまだ放置。どうせクラクフ単体では勝てないため、独立戦争までに散兵が解禁されていれば十分だろう。
プロイセン(必須)と英仏どちらか(ほぼ必須)、オスマン(任意)の独立支援を確保できたら、独立戦争を始めよう。
上記にもあるように、プロイセンは、ドイツ統一のリーダーシップでも戦争に引き込める。外交関係は定期的に確認しておきたい。
独立戦争に向けて外交戦を始めることになるわけだが、戦争後の方針によって以下の2つの選択肢が考えられる。
原則的には独立を目指すべきだが、自治領ルートなら、自治度の拡大と完全独立の2回の戦争で、列強の独立支援を頼れるというメリットもある。
つまり、オーストリア(および多くの場合ロシア)を、2度安全に殴って要求を通す機会を得られるということ。ただ、従属国ならではの外交や財政の制約は残るので、場合によっては簡単に詰む。おすすめはできない。
戦争が始まったら、防衛系の特性のついた将軍に防御命令を出して、戦線に配置する。
あとは味方の列強国が、(ロシアを脱落させ)オーストリアの首都を落としてくれるまで待つ。
ここで特に注意しなければならないのは、クラクフが1プロヴィンス国家であるということ。
Vic3の戦争では、攻撃側の1回の勝利につき、ステート内の25%(補正なしの基礎値)のプロヴィンスを占領し、占領が100%に達すると、州を完全に占領するわけだが、1プロヴィンスしか領土のないクラクフは、このプロヴィンスの属する西ガリツィアの会戦で1回負けただけで全土を占領されてしまう。
独立戦争では、首都ステートを奪われると、戦争支持率が0を割り、強制降伏となる-100に傾いていく。こうなると、戦争全体では味方が勝っていても、オーストリア軍が潰れる前にクラクフだけ敗戦国扱いになってしまうため、文字通り一度たりとも負けられない。
不格好だが、適宜セーブして、できるなら西ガリツィア以外の場所(ボヘミアとかロシア領のワルシャワとか)が戦場になるまでロードするのが無難ではある。
独立している、または検閲が制定されていない場合、5年に一度、アクション「海外でポーランド急進主義者を養成する」が使えるようになるジャーナル。
選択した他国のポーランド母国州で急進派を増やすというものだが、それ自体は無力であまり意味がない。
ただ、「国々のキリスト」の肝は、ジャーナルそのものではない。
このジャーナルが起動した状態で、クラクフが独立しており、何らかの理由で別のポーランド文化の国家が存在する際に、その国家をクラクフに併合できるイベントが発生することにある(「急進派養成」する必要もなく、自動発生する)。
つまり、前述のオーストリアとの独立戦争で、ガリツィア・ロドメリアを解放させた場合や、プロイセンやロシアでポーランドの分離主義革命が成功した場合は、その新独立国を悪名なしでまるごと併合できる。
なお、厳密には、ポーランドが主要文化の国なら、クラクフでなくても発動できる(併合側になれる)が、AI国家は他国を併合する選択肢を選ばない。プレイヤー国家がいきなり吸収されることはないので安心。
オーストリアから独立したあとは、プロイセンかロシアと戦う必要がある。
どちらかと言えばプロイセンから攻めたほうが無難だが、ロシアから殴るのも悪くはない。両国の外交関係や悪名と要相談。
東西ガリツィアの2州を獲得し、最初と比べれば飛躍的に国力が増大したとしても、おそらくプロイセン/ロシアとは大きな差がある。
もしプロイセンから攻めるのであれば、獲得する必要のある4州を一度に征服するのは、悪名的に得策ではない。1戦目はシレジアのみか、ポーゼンまでにとどめて、2戦目で東西プロイセンを獲得しよう。
プロイセンに吸収されていなければ、ザクセンはシレジアを獲得した時点で隣接する。勝てそうなら停戦期間に征服し、ドイツ統一を阻害しつつ資源を確保するのも択だが、悪名とは要相談。
対象州のうち、5州を獲得したら、ポーランドが形成できる。
また、シレジアを除くポーランド化に必要な対象州のすべてと、いずれも開始時ではロシア領のカウナス、グロドノ、ヴォルィーニを確保すると、ポーランド・リトアニアを形成できる。
国家形成時に残りのポーランド母国州に請求権がもらえるので、通常は条件を満たし次第ポーランド化したほうがよいだろう。
また、沿岸州を獲得したら、ようやく隣接する列強3国以外と交易が持てるようになる。イギリスかフランスの勢力圏が市場統合しているなら、どちらかに入って移民と資源を貰いたい。
一応、列強との停戦期間などで暇があるときは、資源獲得のためアジアやアフリカを取りに行くこともできなくはない。燃油が東西ガリツィアから発見され、また、硫黄が自給でき、染料と絹も工場で作れるため、まずはアヘンとゴムの産地を目指すことになるだろう。
とはいえ、入植先で英仏と喧嘩しては元も子もないので、本当によっぽど余裕があるのでなければ無理をする必要はない。軍事的に征服する場合、悪名もやや厳しい。
ポーランド・リトアニア化後に解放されるジャーナル「連邦の拡大」に必要な州を集める。
ミンスクとキエフの両ステート、およびベラルーシとウクライナ文化の12州のうち7州が必要。東ガリツィアとヴォルィーニ、グロドノは、ここまでの過程で確保しているはずのため、あとはミンスク、キエフに加えて何か所か取ればいい。
ベラルーシ、ウクライナ解放からの属国化もできるが、どこかと同盟されても面倒だし、ジャーナル起動後に対象ステートへの請求権も貰えるので、直接州の征服で切り取ったほうがいいだろう。
実績名 | 達成条件 | |
![]() | まだ失われていない | ポーランド=リトアニアである ジャーナル「連邦の拡大」達成 |
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