その国は「太陽の沈まぬ国」と呼ばれていた。全世界に点在する植民地帝国は、いつもどこかで太陽が昇っているのだ。
『慎重王』フェリペ2世の御代において、ポルトガル王国を併合したスペイン王国はメキシコ、南米大陸、アフリカやインド、東南アジアの植民地を保持し「スペインの世紀」が築かれる。
欧州においても、ネーデルラントにミラノ公国、サルディーニャとナポリ王国、シチリア王国を版図に収め、その威容はまさしく世界帝国と呼ばれるに相応しい物であった。
...だがこの時代(19世紀)において太陽の沈まぬ国と呼ばれているのはこの国ではなく、イギリスであった。
新たな覇権を狙うイギリスは何度も戦争を仕掛けてスペインは衰退し、さらに最盛期をもたらしたスペイン・ハプスブルク朝は100年前に途絶えた。幾度もの継承戦争を迎えた後、順調に植民地の独立を許した今のスペインに世界帝国の面影は今やない。
さらに悪いことに、先代のフェルナンド7世は立憲革命を弾圧して絶対君主制に回帰させようとし内戦を勃発させ、恐怖政治で切り抜けた上に残された唯一の跡継ぎは齢8歳の女王である。
工業化の波に乗り遅れ、立憲主義の波からも取り残され、王位継承という波乱まで抱えているこの衰退する帝国に、果たして未来はあるのか。
…悲惨な概要だが、ゲーム的にはそこそこの植民地にそこそこの軍隊、開発されてもないが遅れすぎてもいない技術と程好く揃った一流国家であり、初心者向け国家に飽きた人にピッタリ。
悲惨すぎる史実をひっくり返して工業化しよう。
上記で察しの通り、スペインは衰退の一途を辿っていた。
ポルトガルやネーデルラントは独立、1701年ハプスブルク朝断絶によるスペイン継承戦争にてイギリスにジブラルタルを持ち逃げされる。
フランス革命戦争時はフランスに協力してしまい、果には傀儡化。
当然急進主義が発生し、1808年スペイン独立戦争に突入、独立に成功する。
独立後に国王フェルナンド7世が絶対主義へ回帰したのをきっかけに1820年にスペイン立憲革命。
なんとか鎮圧するも、嗣子が居なかったため王女イサベル2世派と王弟ドン・カルロス*1(カルロス5世)派に国内は割れ、1833年~1839年・1846年~49年と2度のスペイン内戦カルリスタ戦争が発生。
そしてこの間コロンビアやチリ、ボリビアなどの植民地の独立を許してしまう。
イサベル2世はメキシコ植民地再建に拘るも失敗し、1868年には軍部のクーデターにより国外追放、後嗣を巡る争いは普仏戦争の引き金を引いてしまう。
結局軍部の要求でイタリア王子のアオスタ公アメデーオがアマデオ1世として即位するが相変わらずテロや反乱や共和主義で国内は全く安定せず、
1873年には第3次カルリスタ戦争が勃発、ストレスレベルが3になった*2疲弊したアマデオ1世は退位してしまう。
その後、
・1873年のクーデター後は一時的に共和化するが再び不安定化する。
・1874年、軍部のクーデターでイサベル2世の子アルフォンソ12世が即位し、ようやく安定する。
・1886年、アルフォンソ12世死去。0歳でアルフォンソ13世即位。
・1898年、米西戦争でキューバとフィリピンを喪失。
・1914年、第一次世界大戦勃発。中立を貫き軍需産業が大繁栄するもブルジョアだけが豊かになり一般市民の不満が高まる。
・1931年、アルフォンソ13世が亡命、共和化する。
・1936年、お馴染みスペイン内戦が勃発しお馴染みフランコ将軍が実権を握る。その後36年間ファシスト独裁化する。
・1952年、オーストリア=ハンガリー帝国元皇太子オットー・フォン・ハプスブルクを王位に据えようとするも拒絶される。
・1975年、フランコ将軍死去。王政復古しアルフォンソ13世の孫ファン・カルロス1世が即位。無事立憲君主国となり平和を取り戻し現在に至る。
他の昔は強かった国と異なり、分離さえ阻止できるのなら世界帝国の遺産により大体の資源を自給できるのでなかなか良い立地。技術もまあまあ進んでいる。
政治体制 | 国家元首 | 所属団体 | 正当性 | 相続人 |
君主制 | イサベル デ・ブルボン | インテリゲンチャ | 57% | なし |
国王は8歳の女王で相続人がまさかの不在という、CK3なら請求戦争待ったなしEU4なら継承戦争待ったなしのとんでもない状況であるが、有難いことにVIC3なので何の問題もない。
奴隷制がまかり通っている。いくらか変えたいものもあるが、官僚制は任命制になっているなど、やはりある程度近代化が進んでいる。
旋盤などI系研究の一部が終わっておらず欧州としては遅れている方で、かつての植民地であったチリあたりと同レベルという体たらくっぷり。
先進国に追いつくなら大学への投資は必要になるだろう。
イベリアを形成可能。
詳細は国家形成を参照。
条件の領土はポルトガルを抑えることで難なく達成できるし、形成する頃には列強入りできるだろう。
問題はそのポルトガル。ポルトガルは初期時点でイギリスと防衛協定を組んでいる上、傀儡併合しようものなら簡単に悪名が飛んでフランスやイギリスとの戦争が襲いかかってくる。
スカンディナビアやドイツと違い小国統一なので平和的な統合もできない。イギリスとの戦争と悪名の対処が鍵となる。
全世界にボロボロ植民地があるので、大体の資源は自給できるため小作農使い切りに注意しながら開発するだけで列強入りできる。
資源が足りなくなったらキューバやフィリピンを併合してプランテーション化してしまえばよい。
中南米はかつてスペインの植民地であったので、初期の法律人種差別でもそれらのアンデス文化が差別されることはない。
侵略ならココ。ただし列強(とくにアメリカ)が介入するとなかなか面倒なことになるので、事前に関係を上げたりメキシコなどアメリカと仲の悪い国家を狙うとよい。
メキシコを傀儡化すればアメリカの強大化を心なしか抑えることができる。
テキサスが独立しているに抑えられると後々楽になり、北米植民地競争に参加できる。
ゲーム開始時にブラジルと戦っているピラティニとグラン・パラへいきなり戦争を仕掛けて南米への拠点を確保しておくのも有用。
史実でキューバとフィリピンを奪ったのはアメリカである*3のだが、現行のバージョンでスペインを狙ってくることはほぼ無く、むしろこっちから侵略をかけることになるだろう。
先のメキシコ傀儡化を行うとメキシコ返還戦争で戦うことになる。そうでなくとも、中南米に侵略するならやはり戦わなくてはいけない相手。
欧州の戦争に巻き込まれることがほぼ無いので、内戦中などを狙って侵略するか積極的にたたき続ける必要がある。
どちらの場合でも悪名を上げすぎて欧州国家と戦争にならないよう気を付けよう。
植民地は既にたくさんあるが、やはりアフリカにも進出したいのが列強の性である。
史実通りモロッコ・西サハラでもよいが中部アフリカやコンゴ方面に進出してゴムを確保しにいっても良い。
資源は全世界のスペイン語圏から適当に掻っ攫うとして、独自の市場を貫くなら中国への進出を行いたい。
人口が多いわりにさっぱり近代化が進まず、大量にモノを購入してくれる。
ゲーム的にはフランス市場等に乗っかったほうが良いが。その場合はジブラルタルは条約港としてイギリスに奪われているので取り返していないとイギリスがフランス市場にまでアクセスしてくるので注意。
浅からぬ因縁がある*4モロッコを討伐するのは前述の通り趣味の領域だが、豊かなトルコやエジプトは侵略のしがいがある。ただしそのまま切り取りや傀儡化に走ると悪名が爆発するので、シリア戦争に介入するなどして国家ランクを下げるなど侵略の準備が必要。
世界各地に勢力を広げるにあたり、最大の敵はやはりフランスである。
あっという間に植民地を広げるため、気がついたら競り合ってしまう。だが戦争になってしまうと陸軍でのガチンコバトルは避けられず、その割には軍質軍量経済力が全て凄まじいため余程の事がなければ相手にしたくない。
戦争回避の近道は範囲を絞って先に侵略しておくことであり、中央アフリカやザンジをメインに植民すれば西アフリカと中央アフリカで住み分けが出来る。
また資源を強奪しがちでもあり、貿易協定を結んでいると凄まじい量を持っていかれる。
早くに禁輸して袂を別つか、(ゲーム的な意味は薄いが)お互いにズブズブになることで抑止力にするかはお好みで。
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