ここでは「お金」の定義を「POPの財力=生活水準」「施設の手元資金」「政府の金準備」の合計とする。*1
POP・施設・政府は、モノの売買・賃金・税金などで相互にやり取りしている。
単なるやり取りだけでは、「お金」が行ったり来たりするだけで、総量が増えようもない
しかし実際にプレイしている上では総量が増加していく。
では、やり取りのどこで総量が増えているのだろう?
政府はGDPの年率2.6%+技術補正を鋳造する。
更に金山からの収入も鋳貨として反映される。
余談ながら、政府の借金の利息はきちんと国内のPOPに支払われており、国全体で見れば「お金」は増減していないようだ。
POPの扶養者(労働者の家族)が雑用労働で産んだ産出。モノを介在しておらず、無から賃金を得ている。
官僚制・課税キャパシティがマイナスになると、全体・州の税収が消滅する。
施設の利益は本来なら株主配当されるが、自給農家では半額が雑損として消滅する。
政府の金準備が上限に達した場合、溢れた分が消滅する。
価格の上下に基づき、売買時に増減する。基準価格より安いなら増加、高いなら減少する。
一般感覚とは反するが、ゲーム内の「売り注文」「買い注文」の画面をチェックすると、差額が生じていることが分かる。
最も分かりやすい例は、施設画面で、原材料0で無理矢理生産した商品をチェックすることだ
原材料0にも関わらず買い注文の代金は発生している。しかし他の施設がこれを受け取れないので、まるっきり消滅している。
「お金」の増減の主たる要因こそ、価格に関するトリッキーな処理だ。
詳しい仕組みは下記を参照。
インフラ不足による市場アクセスの低下は、市場価格・現地価格の不一致により、一般的に価格の上昇を誘発する。
ここでは「お金」の中の「POPの財力=生活水準」に特に注目する。ゲーム内のPOP詳細画面を開きながら読むのをオススメ。
財力は「POPの収支(ゲーム内の純利益)」の結果であり、収支がプラスなら財力上昇、マイナスなら低下する。
POPの収入は賃金/配当であり、支出は税金/需要である。需要=モノの購入で、カーソルを合わせると穀物や奉仕に支出しているのが確認できる。
「POPの財力」が増減すると、あまりにも多くの要素*2が変化する。
また、POP需要は財力に応じて決まるため、身の丈に応じた支出に変化していく。
仮に財力が一定の場合、需要も一定となり成長は難しくなる。
意識的に財力を伸ばすことで需要が伸びやすくなり、GDP(フロー)の増大に寄与するだろう。
POPの収入を増やし支出を減らすことで財力が伸びる。
手っ取り早いのは減税を通じてPOPの支出を減らす方法だが、政府の建設拡大とのトレードオフになる。
長期的にはPOP需要品の価格を下げることを通じて支出を減らすのが有効。
貧困層を中間層に育てるには穀物や生地を、中間層を富裕層に育てるには奉仕や家具を、富裕層を更に育てるには高級服やコーヒーの価格を下げるという意味。
賃金の増加も財力を伸ばすが、賃金の増加は財力の増加の結果として生じるので、先んじるのは財力である。
開発日記にもあるように、ストックとしての「お金」は三部門に分かれている。
ゲーム内でも生活水準(≒財力)として説明されている。生活水準よりも財力のほうが分かりやすいので、以降は財力と書く。
POPは賃金や配当から商品を買ったり税金を支払うが、支出よりも収入が大きいと徐々に財力が伸びていく。逆もまた然り。
POPの総財力が増大し続ければいずれお金が足りないという問題が現出して財力をお金で表現できなくなるので、それ以上生活水準が増大しない限界値が割と小さい値で存在するはずである。
しかしそのような値は存在しない。ゲーム内で生活水準は上げ続けることができる。
なお、POPは借金をせず、マイナスの財力は存在しない。
財力が下がりに下がっても自給農家の水準で踏み止まる(自給農家にならない未就業者は、まだ財力に余裕があるから働いてないだけ)。
施設の利益が貯蔵されていく。赤字だと減少するがマイナス(借金)にはならない。
唯一、政府のみは債務によって「マイナスのお金」を持つことができる。
鉄製で建築をするとき「建設セクター」は工具/生地/木/鉄を使う。
工具は鉄/木から「飾り細工工房」、生地は「家畜牧場」「綿農家」、木は工具から「伐採所」で、鉄は工具から「鉄鉱山」で作られている。
施設は原料を仕入れる対価として「お金」を支払う(政府は建設セクターの支払いを負担)。
流れはこんな感じだ。
政 府
↓
↓
建 設 セ ク タ ー
↓ ↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ↓
家綿 伐→→飾←←鉄
畜農 採 り 鉱
牧家 所←←細→→山
場 工
工
房
「鉄鉱山」は「飾り細工工房」に工具の代金を支払い、「飾り細工工房」「建設セクター」から鉄の代金を取得している。この差額が鉄鉱山の利益となる。
利益はまず従業員POPの賃金に充てられ、残りは主に手元資金に貯蓄され、手元資金が溢れると配当として所有者POPの収入となる。「賃金+配当=利益」。
「綿農家」はどこにも支払いを行っていないから売り上げが全て賃金・配当になる。
重要なのはここではお金は増えも減りもしていない点。
政府から建設セクターを経由して各施設に流れ、従業員・所有者POPに流れるだけだ。
政府はPOPの消費・賃金・配当に課税したり、建設時に手元資金を流用したりして、政府にお金を戻して帳尻を合わせている。
上記を参照。
ここでは、基本価格以外での売買の詳細のみ説明する。
基本価格20の木材を例に具体的に見る。
買い注文・売り注文が共に100だと、買い手の支払いは100*20で2000。売り上げも同じく2000。
買い注文が100、売り注文が200になった場合、価格は5まで下落(-75%の下限)する。
買い手の支払いは5*100で500、売り上げは5*200で1000。
売り手の富が差額の500増えている。
買い注文が200、買い注文は100の場合、価格は35(+75%の上限)まで上昇する。
買い手の支払いは35*200で7000、売り上げは35*100で3500。
買い手の富が差額の3500減っている。
この(体感に反するような)現象は、ゲームの価格が現実より上がりにくく下がりやすいことに起因する。
売り注文が2倍の場合、体感としては価格は1/2倍になるように思えるが、ゲーム内では1/4倍になる。
買い注文が2倍の場合、対艦としては価格は2倍になるように思えるが、ゲーム内では1.75倍になる。
全体的に価格が下がりやい傾向は、支払いが少なて済む、つまりお金が増えやすいという結果をもたらす。
実際上のプレイに落とし込むと、「材料不足(高価格)は財力を大きく下げるが、需要不足(低価格)は意外と財力を下げないどころか上げる」という状態になる。
ただし、需要不足(低価格)は財力を伸ばすため、長期的には財力起因の需要が増大して帳尻が合うようになっている。
価格の決定式が売り注文が2倍なら-75%、売り買い同量なら基本価格、買い注文が1.5倍なら+37.5%という単純な比例式だった場合、
買い注文が100のとき、過剰な売り注文による低価格化で増えるお金は、売り注文の数をXと置くと次式となる。
基準価格*(x-100)(1-0.0075(x-100)) ただし100≦X≦200
(x-100)(1-0.0075(x-100))をgoogleに入れるとグラフが見れるが、
売り注文が1.4倍あたりまでは増加するものの、徐々に緩やかになり、1.666倍で頭打ちになり、以降はむしろ減少することが分かる。
一方で、過小な売り注文による高価格で、同じく失われるお金を計算すると
基準価格*(100-X)*(2.5-0.015X)
グラフを見ると、1.333倍でピークになることが分かる。
1.商品が安く売られると全体のお金が増える 2.商品が高く売られると全体のお金が減る 3.1と2では2の効果のほうが大きい 4.1の効果は売り注文が1.4倍くらいまでが効果が大きい
「お金を増やす」という意味では、すべての商品が少し安めで売られていると効果が大きい。
ただし、既に安い商品を更に安くするよりも、高い商品を安くしたほうが良い。
上記の流れでお金がどんどん増えていき、もっぱらPOPの財力の上昇として着実するが、その結果として要求賃金も上がっていく。
一方、施設の生産性は技術によって上がっていくが、それには限界がある。POPの財力が実質的に青天井なのとは対照的だ。
要求賃金が上がりすぎると、施設は収益で給料を賄えなくなり、手元資金を使い果たすと施設が稼働しなくなる。
ある施設が稼働しない状態が続くと、サプライチェーンの崩壊によって連鎖的に赤字が拡大し、最終的に大量失業を起こしてしまう。
失業者の財力(≒要求賃金)は次第に下がっていくので、いずれ帳尻が合って再び働き始めるのだが、その過程で急進派の発生を招く。
生産性と要求賃金のバランスが崩れないように計画を練るのも、ゲームの面白いところだ。
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