まず戦略を考えよう。
このプレイの目的は「建物の種類がどれほど利益団体の成長に影響を及ぼすか?」というのを実際に体験することにある。
そこで重農業貿易プレイの方針は「盤石な利益団体・幕府による貿易大国化」という大衆が理解しやすいが数値目標が曖昧な政治家のスローガンような目標で50年ほど走ってみる。
そのためには幕府の政治力をいかに維持しながら、経済大国としてのし上がっていくかが重要になる。
そこで複雑な経済システムを上手く利用して利益団体「幕府」を維持するように影響力を操作する。
大まかな方針としては以下の通り。
・大学を建てない&識字率を上げない。(インテリ潰しかつ宗教優遇)
・植民&戦争をしない(最初の開国のみに留めて、安定的なプレイ環境を整える)。
・関税同盟に入らない。
・農地を建て、工場は貿易で補う、という貿易を重視する。(国内の貴族を富ませ、外国の実業家を富ませる)
・法律の改正は賛成派が反対派を上回ったときのみ。(できるだけガチャ要素の排除)
通常プレイならやらないヘンテコな方針だ。
これはあくまで利益団体の変化の大きさを見たいからなので効率は二の次となる。
では始めよう。
まずは「関心の宣言」をイギリス――イングランドに決定する。
外交レンズ――外交プレイでその地域に関心を持っている国旗一覧が現れる。
日本幕府もバーが溜まれば外交をおこなえるぞ。
お嬢は社交界の華なので名のある大国はみんな関心を示すぞ。
ということでまずは「ロンドンちょうだい」の外交を開始!
すかさずごめんなさいをして強制黒船召喚!
初期の東アジアに対してイギリスは関心を持っていないので「市場開放」以外の選択肢がでてこない!
※列強ならどこでもいいが、アメリカに同じことをすると、たまに「賠償金」になってプレイが不安定化した(2敗)。
これで自由に貿易ができる!
強制開国のデバフイベント発生!(プレイヤーが任意で起こせるデバフだ)
これにより幕府の政治力-75%のデバフが発生!
デバフは19年間続くので腕に自信があるのなら初手として優秀だ。
ちなみに中盤になると丸々育った日本に各国が関心を持つので賠償金あるいは条約湾あるいは九州で許してやる、が増えるぞ。
わざと負けプレイは遅くても史実の黒船来航1850年代までに戦略的に決断したほうがいい。
イギリスに関係改善の外交をしながら関心を大コロンビアに挿げ替える。
貿易は関心を持った国としかできないからだ。
これでイギリス、フランス、オランダ、ベネズエラ、ニューグラナダと貿易ができるようになった。
1か所で5つの美味しい関心になる。
※イギリスは未併合州に対して外交プレイをするとたまに賠償金だけで許してくれる優しさがある。そんな優しさはいらないから、ロンドンちょうだいをするのだ。
鎖国プレイだとまったく使わない影響力を近親遠親外交に全振り!
貿易大国に仮想敵国はいらないからだ!
※競争という外交アクションで仮想敵国を作ると影響力は増加させられるが、関心が少なすぎるのであまり意味はない。
同時並行で強制開国の怒りと国教の審議の怒りから革命が進行しているが、弱小勢力なので気にしない。
この時、清から工具、イギリスから鉄を輸入。
そしてイギリスに紅茶を輸出。
この清国からの輸入は赤字でも維持し続ける。
そうしないと工具を生産するたびに輸出する→工具生産するという悪循環が始まってしまう。
このVIC3世界では早い者勝ちで輸入すると、市場価格は絶対に高くなるというルールがある。
つまり一度輸出が始まると「禁輸」しない限り輸出を止めることができない!。
転売回し防止のためだと思われるが、そのせいでうっかり忘れると面倒になる(1敗)。
そう今回は農業貴族を育てたいのであって、工具を作れない病人の介護がしたいのではない!
この時、貿易センターは港のある州にランダムで作られる、という特徴から沖縄に貿易センターが爆誕!
人手不足のせいもあってすこぶる効率が悪い。
効率の問題から港を削除!
沖縄には「移住規制」の法律が通るまで孤立地帯となってもらおう。
なお革命中だと建物を削除できないので気を付けよう(1敗)
あとはレベル1の輸入枠15だけでは足りない。
足りなすぎる。
そのため工具と鉄のために多少の鉱山・工場を開発する。
ただし首都に工場を建てるのは厳禁だ。
代わりに紅茶を首都に建て続けよう。
1837年、革命の恨みと憎しみの中、国教制定!
これで宗教の安定化と権力+200を確保。
政治ゲームでは影響力が割合で決まる。
つまり幕府以外に宗教の割合を高めておけば自然と対抗勢力の影響力が伸びにくくなる。
たぶん!
あとは黒字になるたびに港をどんどん建設していく。
わすれてはいけないのが首都バフの乗る関西は候補から外すことだ。
こうすることで交易センターが首都に出現しないように調整する。
そうしないとイギリスのお嬢のように実業家に政治を牛耳られてしまうぞ。
10年間の影響力の推移。
この影響力の推移図は10年分のログしか記録されないので、プレイの区切りとして都合がいい。
強制開国のデバフの影響はあるが、それでも高い影響力を維持し続けている。
それにしてもせっかく国教制定したのに聖職者が徐々に劣勢になっている。
紅茶貿易でも宗教の衰退は止められないようだ。
小作農だ。
小作農の増加スピードが聖職者を上回っていやがる!
・この10年で改正できた法律。
孤立主義→自由貿易
良心の自由→国教
GDP:23.2M
建設力は50前後。
主な貿易:紅茶
レベル15の貿易力によって1898という紅茶輸出力となっている。
POPの生活水準レベルと同じく、貿易レベルに反比例して輸出力が増える。
そのため感覚よりも輸送船団の枠が埋まるのが早い傾向にある。
というよりバグってる。
これは貿易プレイで知っておかなければならない重要なことだ。
日本側は代わりに鉄や家具などあらゆる生産物を輸入に頼っている。
一番下の使用可能船団4400に対してすでに4000が埋まっている状態だとわかる。
関税がないので政府の国庫に直接影響はないが、それでも貿易の基礎は出来上がった。
ここからは軍事技術を上げないと貿易力が上がらない。
つまり鉄道と海軍技術を中心に上げていく。
この方針も通常プレイでは滅多に選択しない方針だ。
その間は稲畑から布までまんべんなく農業系を開発し続ける。
終わり次第、消極的にだが服や家具などの工場を建てる。
需給バランスは常に悪く、物価は高騰するが気にしない。
POPの需要を満たすより日本の貴族政治力とイギリスの紅茶欲を満たす方が重要だからだ。
なにせここからイギリスの生活水準が上がって紅茶狂いの本性を現しはじめる。
そう、奴らは狂ってる。
本当に狂っている。
軍事技術の水圧クレーンをアンロック。
すぐに港を集中建設。
海軍技術を優先すると港の最大レベルがどんどん上がっていく。
建設力が低いこともあって鉄道は実はいらないんじゃないか疑惑が出てくる。
多少利益が出てきたので海軍基地を首都にレベル10分だけ建設する。
理由は基地一つにつき0.1の関心値がもらえるからだ。
つまり10レベル分で関心できる地域が1つ増える。
このため海軍を増強する時は10単位で増やす方がいい。
これでイタリア半島あるいはプロイセンに関心を付けられる。
紅茶以外にも絹や布などを送り、代わりに服や紙などを輸入した。
1956年までの影響力の推移。
貿易量が増えるたことで実業家が少しだけ伸びている。
しかし港のレベル制限により交易センター分だけでは伸びに限りがあるようだ。
輸出量は貿易レベルに反比例するため貿易プレイでは怪現象がよく現れる。
工具を例にすると1783の護衛枠があるので貿易レベルが上がる。
→次のレベルでは振り切れて-463と護衛船が足りなくなる。
→レベルを一つ下げて1783になる。
→枠が余ってるので貿易レベルが上がる。
以下繰り返し。
このためギザギザの市場価格となっている。
こういった貿易バグがいたるところにある。
公式でも1.2で修正するとアナウンスしてるため、貿易に関してまともに調べている人はいないのが現状だ。
影響力の推移。
幕府の開国デバフが無くなったので、一気に本来の影響力を取り戻す。
通した法律は「移住規制」のみ。
初手重増税を課しているが、20年で生活水準がV字回復を果たしている。
原因として考えられるのが建設コストの低い農業を大量に建てたことと交易センターの存在だろう。
交易センターは、
北海道:0
東北:35
関東:21
中部:18
関西:0
中国:16
四国:40
九州:36
沖縄:1
合計すると167レベル分が貿易枠が増えるたびに自動で建設される。
つまりPOP167K分の雇用が貿易で生まれたことになる。
大量の農園スパムと交易センターが重税による貧困と人口減少に歯止めをかけたと思われる。
1867年、ついにガントリークレーンをアンロック。
これで港レベルの最大値をさらに+4してくれる。
だがし、かし、真の能力は港の製法の変更にある。
港の製法は
停泊 護衛+40
貨物港 護衛+200
産業湾 護衛+400
近代湾 護衛+800
とだいたい倍々で増えていく。
ようするに貿易枠がほぼ倍に増えるのだ。
残念ながら今すぐに変えると、蒸気船が作れないので市場が崩壊する。
そして蒸気船を製造している国はまだほとんどない。
ちょっと待とう。
幕府を強化しているときのみ見れるイベント「公的な愛国主義」が発生。
通常の日本プレイだと目にすることがないレアなイベントだ。
たぶんAIだとこのイベントが発生して、幕府の体制がさらに強化されるのだと思われる。
将軍万歳!
1870年、待望の装甲船がアンロック。
これで蒸気船による貿易大国化が一気に進む。
ここから紅茶卿(イギリス)の紅茶圧が高まっていく。
港の製法を変えただけで日本市場では約1kの紅茶不足に陥った。
これはもはや戦争だ。
紅茶戦争の始まりだ。
一説によるとイギリス人は一人当たり年間2.6キロもの紅茶を消費しているという。
これは日本人の25倍になる。
なんて度し難い。
1876年の影響力。
やはり農業偏重だと影響力の低下がほとんどない。
それでも貿易センターが増えているので実業家が9%ほどになったが、まだ法改正できるほどの勢力とは言えない。
さて、最後の10年間は法律を重商主義に変えてみる。
今までは関税をかけていなかったが、ラストスパートだ。
また重商主義の特徴に、交易センターの製法を商人ギルドに変更する、というのがある。
このため、実業家が全滅するはずだ。
本AARは利益集団の操作なので、これほど分かりやすい製法の切り替えはない。
賛成が圧倒的だったため一発で制定!
イギリスは貿易レベル47の4.22k、使用船団7900以上という紅茶貿易となっている。
しかし船団の枠は10000以上余っている。
急激な港の拡大に建設が追い付いていない。
そのまま無事1886年に。
最終的に関税のみで203Kの収入がある。
伝統主義、農奴制、税制を変えなくてもやりようはある。
いつもの影響力。
相変わらず強力な幕府。
そして実業家が消えてしまった。
どうやら周縁に落ちるとログに残らないようだ。
交易センターにより9%あった影響力が法律一つで一気に4%以下に!
重商主義になったことで交易センターのPOPが全員店主POPに変わり、実業家の政治力が地に落ちたのだ。
これも通常プレイではまず見ることのできない光景だ。
フランス、アメリカを抜いてGDP7位!
事実上の伝統主義縛りにしてはいいところまでいった気がする。
紅茶戦争は日本の勝ちだった。
貿易レベル84の5Kあたりでイギリスの需要が完全に満たされ、倍以上用意した紅茶を主要国へ輸出する。
代わりに家具など必要最低限の物資をすべてイギリスに依存している。
ちなみに小作農はあと1Mを切っており、10年以内にすべて使いきる勢いだ。
・建設する建物の種類と法律を含めた製法によって利益団体の影響力は劇的に変化する。
・なぜ小作農の影響力は増えなかったのか?
実は幕府よりも小作農のほうが潜在的な財力と政治力が上回っていることが分かっている。
ところが小作農の大部分は「政治的無関心」状態なので、彼らが利益団体に影響を与えることがなかった。
政治的無関心。
→つまり高正統性、低い識字率、低い急進派によって大部分のPOPが「政治的無関心」状態だった。
幕府の安定運営では、この状態が激変するほどのインパクトが起きなかった。
そうなると法改正をしたいのなら高い識字率を目指し、実業家を育てるように建物を建て、低い正統性を維持し続けることが最良になる。
さて次は利益団体「実業家」を伸ばすように建設から貿易まで実業家に有利になるようにプレイしてみる。
それでどれだけ幕府の影響力が下がるのかを見ていく。
次回へ続く。