AAR/男はつらいよv1.4

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おれの名前はカルロス5世。ドン・カルロスと人は呼ぶよ。

サリカ法の男子継承権を頼みとして蜂起したカルロス5世についてきたのは、地主と坊主、それからナバラとカタロニアの農民たちだけでした。
常備軍は15連隊、僅か3州の領土。不足する軍資金と物資。刻一刻と迫る破産の足音。カルリスタ・スペインのキャンペーンはこのような状況のもとで始まります。

カルリスタの戦勝は、困難ですが、不可能ではありません。
SteamのMOD紹介ページで作成者自身が指南しているようにプレイすれば勝てます。さて、どんな指南なのでしょうか。
・布告で徴兵令をだし、3ステートすべてで徴兵する。小火器と大砲は陸路で輸入。
・予算で軍隊への支給を最大に上げて士気ボーナスを得、法改正運動(職業軍professional armyとか国民衛兵national guardとか)で軍隊IGの歓心を買ってバフを得る。
・当初は防衛姿勢一辺倒。兵力が整ったら将軍を複数雇って防衛姿勢の将軍の他に攻撃姿勢の将軍をつくり、士気の損耗した敵軍を打ち破る。
以前行ったプレイではこのようにして勝てました。v1.4でも同じように勝てるのでしょうか?(答え:勝てます。)

カルリスタ戦争の推移

さて、ではカルリスタ・スペインで始めていきましょう。

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1833年、先の王でありカルロス5世の兄であるフェルディナンドが死去したとき、フェルディナンドには子供が女児しかいませんでした。その女児が、トレド政府が擁立したイザベルです。
ドン・カルロスは男子継承権しか認めないサリカ法を根拠にして、トレド政府の擁立したイザベルをスペイン王として認めず、自らがスペインの正当なる王位継承者であると宣言します。
スペインに帰還したドン・カルロスに味方をしたのはサリカ法典を根拠にした彼に相応しく、中世からよみがえったような諸勢力でした。すなわち地主と農民、そしてナバラとカタロニアの農民たちです。

そのあとドン・カルロスは3年間、トレド政府とたたかいましたが、泥仕合が続き、なかなか決着がつきません。
1836年になってようやくドン・カルロスは戦争に真面目に取り組みました。軍事予算を手厚くとりつつ国民衛兵への法改正を行って軍隊の支持をとりつけます。軍隊という利益集団の戦闘バフを得るためです。
さらにドン・カルロスは領地の全3州に「徴兵令」の布告を出し、実際に「徴兵事務所」を置いて動員を開始しました。これらの軍事費を賄うために農民たちには兵役の他に重税が課せられ、行政サービス、嗜好品、海産物などに物品税が課せられます。

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布告を出す。
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動員を開始。

ドン・カルロスのカルリスタ政府が戦時体制への移行したことを知ったトレド政府は、ひさかたぶりにナバラに進軍を開始します。カルリスタの首都であるナバラのパムプローナを押さえて戦争を終結させようという思惑です。
動員がすむまでは、カルリスタ側の数的劣勢が続きます。これを覆し、動員がすむまでの時間を稼ぐために、防衛ボーナスもちの将軍に防衛体制をとらせてトレド政府の進軍を阻止させます。

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ナバラのたたかい。パムプローナ近郊でトレド政府の進軍を阻止。

さて、ナバラのたたかいで防衛に成功したので、敵は疲れ、こちらは動員がすすんで元気になりました。
ここで防衛バフもち以外の将軍を選別し、彼に攻勢の指揮を任せましょう。さあ将軍ガチャです。

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ナバラのたたかい。パムプローナ近郊でトレド政府の進軍を阻止。

うーん、微妙。攻勢バフもちの将軍はおらず、地主出身の森林バフもちと、軍隊出身の平原バフもちがいるだけです。
これから進撃しようと思っているトレドはプロヴィンス画面を見ると明らかに平原なので、平原バフもちを雇い、念のため森林バフもちも雇いました。
さて、軍事タブからトレドの州を優先目標に定めて、時計の針を再び動かします。トレド進軍だッ!

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ところがコトはなかなかそううまくはすすみません。
一度目の進軍は単純に力不足で失敗に終わり、二度目の進軍は戦術の引きが悪く、戦況スライダーはあっちにこっちに行ったり来たりを繰り返しながら、最後は負けてしまいました。
ドン・カルロスは焦りました。はやくトレドを陥落させないと、トレド政府の厭戦を引き上げることができず、ひいては戦争が長引き、破産とチキンレースをしているカルリスタ政府にとってそれは好ましい事態ではありません。
ドン・カルロスは三度目の進軍を号令しました。今度こそ。今度こそ!

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1836年9月22日、トレド近郊の戦いでカルリスタ軍は大勝利をおさめ、スペイン東部をほぼ占領下に置きました。
残念ながらトレドの都市は占領下に置くことはできませんでしたが、時間の問題です。とはいえ、その時間がないのが問題なのですが。
借款は積み上がっていきます。ドン・カルロスはさらに軍隊に進軍を命じました。

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トレド政府の抵抗は激しく、トレドを完全に占領するまでにさらに二度の戦勝と半年の歳月を重ねなければなりませんでした。
しかし1837年2月8日にはトレドを完全に陥落させます。トレド政府の厭戦は△58に達し、彼らは国外に亡命しました。しかしこちらの借款もかなりの額にのぼっています。

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1837年3月12日、ドン・カルロスはスペイン全土を掌握し、自分こそが並ぶもののない正統な王位継承者であり、唯一のスペイン王であると宣言します。
しかしこれからのスペインには課題が山積しています。借款は無視できない量にのぼり、諸外国はこのブルボン家の王を奇異の目で見つめています。トレド政府の旧植民地のうち、キューバはカルリスタに忠誠を誓いましたが、フィリピンは独立してしまいました。
ドン・カルロスはこれからうまくスペインの舵取りをやっていけるでしょうか? 

(続く)


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