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もしもアメリカが奴隷制度を維持したまま20世紀を駆け抜けていたら、アメリカは現在の列強の地位を維持できていたでしょうか?

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我々はアメリカ人ではない。この国の犠牲者だ。
奴らは、「我々と一緒に国を造ろう」と言ったか?
「黒んぼ、船底に下りろ。アメリカを造る手伝いをしろ」、こう言ったんだ。

アメリカで生まれたが、アメリカ人ではない。
あなたたちは犠牲となった2200万人の黒人のひとりだ。
民主主義の恩恵がどこに?南部の綿畑のどこに民主主義があった?
ハーレム、デトロイト、ブルックリン、シカゴ...。どこに民主主義が?
我々が見たのはデモクラシー(民主主義)ではなくヒポクラシー(偽善)だった。
アメリカンドリームだって? 我々にはアメリカンナイトメア(悪夢)だ。-マルコムX
 
 

アメリカの黒人奴隷制度は、19世紀初頭には既に危機に瀕していました。
黒人奴隷は主にタバコプランテーションで使役されていたのですが、世界商品としてのタバコの価値下落によって奴隷制度は維持費のかさむ「儲からない」制度となり、農園主たちですらも、将来的には黒人奴隷は解放されるだろうとの見通しをもっていたことを多くの歴史家は指摘しています。
問題が複雑になったのは、綿花というタバコに代替される世界商品の登場です。衣類の原料となるこの商品はインドから種が波及してアメリカで栽培されるようになりましたが、またたく間にアメリカ資本主義の原始的蓄積を高度に推し進める商品となりました。ここに黒人奴隷は綿花プランテーションで使役されるようになり、19世紀初頭から19世紀中盤にかけて最盛期を迎えました。奴隷制はふたたび「儲かる」制度となったのです。

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