その国は「太陽の沈まぬ国」と呼ばれていた。全世界に点在する植民地帝国は、いつもどこかで太陽が昇っているのだ。
『慎重王』フェリペ2世の御代において、ポルトガル王国を併合したスペイン王国はメキシコ、南米大陸、アフリカやインド、東南アジアの植民地を保持し「スペインの世紀」が築かれる。
欧州においても、ネーデルラントにミラノ公国、サルディーニャとナポリ王国、シチリア王国を版図に収め、その威容はまさしく世界帝国と呼ばれるに相応しい物であった。
...だがこの時代(19世紀)において太陽の沈まぬ国と呼ばれているのはこの国ではなく、イギリスであった。
新たな覇権を狙うイギリスは何度も戦争を仕掛けてスペインは衰退し、さらに最盛期をもたらしたスペイン・ハプスブルク朝は100年前に途絶えた。幾度もの継承戦争を迎えた後、順調に植民地の独立を許した今のスペインに世界帝国の面影は今やない。
さらに悪いことに、先代のフェルナンド7世は立憲革命を弾圧して絶対君主制に回帰させようとし内戦を勃発させ、恐怖政治で切り抜けた末に病没。後継ぎとして齢僅か3歳の女王を立てるもこれを巡って内戦が勃発。
それから2年と少し、工業化の波に乗り遅れ、立憲主義の波からも取り残され、王位継承という波乱まで抱えているこの衰退する帝国に、果たして未来はあるのか。
…悲惨な概要だが、ゲーム的にはそこそこの植民地にそこそこの軍隊、開発されてもないが遅れすぎてもいない技術と程好く揃った一流国家であり、初心者向け国家に飽きた人にピッタリ。
上記の王位継承に関するゴタゴタや内戦も特にない状態で始まるので国内は普通に安定しているのもありがたいところ。
悲惨すぎる史実をひっくり返して再び太陽を昇らせよう。
1035年にカスティーリャ伯フェルナンドがカスティーリャ王フェルナンド1世として即位したことに始まる。
イスラム勢との戦争(レコンキスタ)ののち1469年には隣のアラゴン王国と統合、現在のスペインの形が始まる。
1516年には女王フアナの退位の後、息子のフランドル伯シャルル3世*1がスペイン王カルロス1世として即位しハプスブルク朝が成立する。
その後息子のフェリペ2世の時代に世界帝国として横暴を極めるが、ポルトガル(1668年)やネーデルラント(1609年)の独立、ハプスブルク朝断絶によるスペイン継承戦争(1701年)など大量の戦争に巻き込まれ
一時は復活するもののフランスとイギリスの伸長を食い止められなかった。
その後
・1808年、カルロス4世が退位させられ、ナポレオンの兄ホセ1世が即位しフランスに傀儡化される。
・同年独立戦争が勃発。ホセ1世退位。フェルナンド7世即位(復位)。
・1820年、スペイン立憲革命*2。
・この間にアルゼンチン(1810年)やコロンビア(1821年)やチリ(1818年)、ペルー(1821年)、ボリビア(1825年)、エクアドル(1830年)などの植民地の独立を許してしまう。
・1833年、フェルナンド7世崩御。後継者争いが勃発し、王女イサベル2世派と王弟ドン・カルロス*3(カルロス5世)派に国内は割れ、1833年-1839年にカルリスタ戦争が発生*4。
...というのが開始時の状況。
史実ではその後、
・1868年、メキシコ植民地再建に拘り失敗したイサベル2世が軍部のクーデターにより国外追放
・同年、軍部の要求でイタリア王子のアオスタ公アメデーオがアマデオ1世として即位するが国内は不安定なままであった。
・1873年、第3次カルリスタ戦争が勃発、疲弊したアマデオ1世は退位してしまう。
・1874年、軍部のクーデターでイサベル2世の子アルフォンソ12世が即位し、ようやく安定する。
・1886年、アルフォンソ12世死去。0歳でアルフォンソ13世即位。
・1898年、米西戦争でキューバとフィリピンを喪失。
・1914年、第一次世界大戦勃発。中立を貫き軍需産業が大繁栄するもブルジョアだけが豊かになり一般市民の不満が高まる。
・1931年、アルフォンソ13世が亡命、共和化する。
・1936年、スペイン内戦が勃発しフランコ将軍が実権を握る。その後36年間ファシスト独裁化。
結局現代の平和を取り戻したのは1978年のことである。
他の昔は強かった国と異なり、分離さえ阻止できるのなら世界帝国の遺産により大体の資源を自給できるのでなかなか良い立地。技術もまあまあ進んでいる。
政治体制 | 国家元首 | 所属団体 | 正当性 | 相続人 |
君主制 | イサベル デ・ブルボン | インテリゲンチャ | 57% | なし |
国王は5歳の女王で相続人がまさかの不在、CK3なら請求戦争待ったなしEU4なら継承戦争待ったなし史実でも王位継承を巡って内戦状態だった時期ととんでもない状況であるが、
有難いことにVIC3では内戦は再現されておらず相続人不在や年齢によるデバフ等も無い*5ので、何の問題もない普通の君主である。
奴隷制がまかり通っている。いくらか変えたいものもあるが、官僚制は任命制になっているなど、やはりある程度近代化が進んでいる。
旋盤などI系研究の一部が終わっておらず欧州としては遅れている方で、かつての植民地であったチリあたりと同レベルという体たらくっぷり。
先進国に追いつくなら大学への投資は必要になるだろう。
イベリアを形成可能。
詳細は国家形成を参照。
条件の領土はポルトガルを抑えることで難なく達成できるし、形成する頃には列強入りできるだろう。
問題はそのポルトガル。ポルトガルは初期時点でイギリスと防衛協定を組んでいる上、傀儡併合しようものなら簡単に悪名が飛んでフランスやイギリスとの戦争が襲いかかってくる。
スカンディナビアやドイツと違い小国統一なので平和的な統合もできない。イギリスとの戦争と悪名の対処が鍵となる。
全世界にボロボロ植民地があるので、大体の資源は自給できるため小作農使い切りに注意しながら開発するだけで列強入りできる。
資源が足りなくなったらキューバやフィリピンを併合してプランテーション化してしまえばよい。
中南米はかつてスペインの植民地であったので、初期の法律「人種差別」「国教」でもこの地域のPOPが差別されることはない。
侵略ならココ。ただし列強(とくにアメリカ)が介入するとなかなか面倒なことになるので、事前に関係を上げたりメキシコなどアメリカと仲の悪い国家を狙うとよい。
メキシコを傀儡化すればアメリカの強大化を心なしか抑えることができる。
テキサスを独立している間に抑えられると上述のメキシコ戦や後述のアメリカ戦への橋頭堡になり、加えて北米植民地競争に参加できるなど後々楽になる。
ゲーム開始時にブラジルと戦っているピラティニとグラン・パラへいきなり戦争を仕掛けて南米への拠点を確保しておくのも有用。
史実でキューバとフィリピンを奪ったのはアメリカである*6のだが、現行のバージョンでスペインを狙ってくることはほぼ無く、むしろこっちから侵略をかけることになるだろう。
先のメキシコ傀儡化を行うとメキシコ返還戦争で戦うことになる。そうでなくとも、中南米に侵略するならやはり戦わなくてはいけない相手。
欧州の戦争に巻き込まれることがほぼ無いので、内戦中などを狙って侵略するか積極的にたたき続ける必要がある。
どちらの場合でも悪名を上げすぎて欧州国家と戦争にならないよう気を付けよう。
植民地は既にたくさんあるが、やはりアフリカにも進出したいのが列強の性である。
史実通りモロッコ・西サハラでもよいが中部アフリカやコンゴ方面に進出してゴムを確保しにいっても良い。
資源は全世界のスペイン語圏から適当に掻っ攫うとして、独自の市場を貫くなら中国への進出を行いたい。
人口が多いわりにさっぱり近代化が進まず、大量にモノを購入してくれる。
ゲーム的にはフランス市場等に乗っかったほうが良いが。その場合はジブラルタルを条約港としてイギリスに奪われているので取り返していないとイギリスがフランス市場にまでアクセスしてくるので注意。
浅からぬ因縁がある*7モロッコを討伐するのは前述の通り趣味の領域だが、豊かなオスマンやエジプトは侵略のしがいがある。ただしそのまま切り取りや傀儡化に走ると悪名が爆発するので、シリア戦争に介入するなどして国家ランクを下げるなど侵略の準備が必要。
世界各地に勢力を広げるにあたり、最大の敵はやはりフランスである。
あっという間に植民地を広げるため、気がついたら競り合ってしまう。だが戦争になってしまうと陸軍でのガチンコバトルは避けられず、その割には軍質軍量経済力が全て凄まじいため余程の事がなければ相手にしたくない。
戦争回避の近道は範囲を絞って先に侵略しておくことであり、中央アフリカやザンジをメインに植民すれば西アフリカと中央アフリカで住み分けが出来る。
また資源を強奪しがちでもあり、貿易協定を結んでいると凄まじい量を持っていかれる。
早くに禁輸して袂を別つか、(ゲーム的な意味は薄いが)お互いにズブズブになることで抑止力にするかはお好みで。
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