この詩の思想はただ一つ、
ちかづく明日を、照らすこと。
ある日世界が、
ひっくりかえった。
王さまと従者
地主と農民
坊主と信者
虐げる者と虐げられる者
支配する者、される者
大人と子ども
ライオンと鶏
空と海
山と川
夏と冬
太陽と月
ぜんぶがぜんぶ、
ひっくりかえった。
王さまは盲目。
従者が、王さまのその寝ぼけ眼(まなこ)をひらいた。
「王さま、これは
REVOLUTIONでございます。」
ある朝、
それは昼だったかもしれない
それは夜だったかもしれない
元老院広場に
一枚のポスターが貼り付けられた。
万人に! 万人に! 万人に告ぐ! 虐げられたすべての有象無象に告ぐ! 相語らって馳せ参ぜよ! 出発せよ! 署名 フリーメーソン 議長 インテリゲンチャ 副議長 リベルテ エガリテ フエラルテ 以上三名、書記
行こおう!(パイジョーム!)
行こう、行こう、行こう、行こう!
пойдем、let's go、allons-y、我们走吧!
行こおおおおおおう!!!!
かわいいロシアはいなくなった!
かわいそうに、絞め殺された!
新しいロシアを見つけよう!
万人のロシアを!
行こう、行こう、行こう、行こう!
出発の前に、
全宇宙の目録を総点検。
いるものは
よろしい、とっておこう。
いらないものは、
糞くらえ! 黒い十字架。
行こおおおおう!!!!
ロシア平原の豊かな針葉樹林が囁いている。
何と言っている?
「おい、ナポレオン。
革命の墓堀人。
偉大な革命をよくも葬ってくれたな。
だがおれたちは、
ウィーン条約に調印しなかった。
正統主義なんてまっぴらごめんだ。
おれたちのロシアをつくろう、
万人のロシアを!」
土深く埋もれた鉱物資源の声が聞こえる。耳を澄まそう。
「ロンドンにいるプチブル趣味のウィリアムではない、
パリにいる洋ナシのようなフィリップでもない。
おれたちのツァーリはペテルブルクにいるニコライだ。
あの禿げ頭は、
頭皮の脂が太陽の光を反射して、
まるで中世のイコンのようだ。
この蜂起で死んでいたら、おい、ニコライ!
きみは聖大致命者だったろうに!」
おおい、県(あがた)ども、
錨を上げろ!
ウクライナの、キエフルーシの頃から変わらぬ県のかたちが、
ぐらぐらと揺れ、
県知事たちが悲鳴を上げる。
クニャージ、ザポロージェ、コサック、ヘチマン、...の支配に長らく苦しんできた農奴たちが、
めいめいに鬨の声を上げる。
ドニエプル川の子守歌とのハーモニーが聞こえる。
「おれたちは何のために飢えている。
せめてあと一度だけでもたらふく食いたい。
でっかいソーセージが山盛りになっている冬の宮殿の食卓へ。
ニコライのでっぷりと太った腹を見に行こう!」
行こおう!(パイジョーム!)
行こう、行こう、行こう、行こう!
пойдем、let's go、allons-y、我们走吧!
行こおおおおおおう!!!!