東アジアに位置する世界最大の帝国。
他国とは文字通り一桁違う人口を擁し、プレイヤーが担当した場合の潜在力はすさまじいものがあるが、AI担当の場合は史実通り停滞することが多い。
清末の停滞と混乱の端緒となったアヘン戦争も本ゲーム中においてはジャーナル化されており、AIだとほぼ間違いなく発生する。プロテスタントが発生すると太平天国の乱も発生する。
乾隆帝の時代に隆盛を極め、約200年にわたり中国を支配してきた清王朝は、世界の人口の3分の1を支配下に置いている。しかし、アヘンの蔓延やヨーロッパ列強の干渉により、これまで保ってきた内政の均衡が脅かされている。中国の未来予想図には一体何が描かれているのだろうか?
中近世の帝国がそっくりそのまま近代に来てしまった国こと清。
軍備もGDPも人口も立派にあるように見えてそのほとんどは見掛け倒しである。
ただし人口が多いということは工業化さえ成し遂げれば強大な国力が得られるということでもある。
また北京には固有施設として紫禁城が建設されている。これは権力を+50し、元首の利益団体を政府に組み込んでいると正当性が+20される強力な効果を持つ。北京だけは死守しよう。
初期の国名こそ清だが大統領共和制・議会共和制・神権制を制定すると「中国」に変化する。また評議会共和制を制定すると「中華人民共和国」になる。
また君主制廃止後のイベントで満州との和解を拒否した後、再度君主制に戻すと清では無く「中華帝国」という国名になる。
国家元首名 | 所属団体 | イデオロギー | 特性 | 備考 |
ダオグアング・アイシン・ギオロ | 士大夫 | 伝統主義者 | 懐疑的 |
皇帝は第8代道光帝。しかし本来の本名は旻寧である。
後の洋務運動に大きな役割を果たす恭忠親王奕訢は息子。
相続人名 | 所属団体 | イデオロギー | 特性 | 備考 |
イズフ・アイシン・ギオロ | 士大夫 | 伝統主義者 | 傲慢 |
相続人は愛新覚羅奕詝、第9代咸豊帝。
利益団体名 | 影響力 | 代表名 | 代表イデオロギー | 代表特性 | 備考 |
士大夫(地主) | 44.8% | アイシン・ギオロキイング | 伝統主義者 | reckless expensive_tastes basic_diplomat | イデオロギー「パターナリズム」を持たず、「スカラー・ジェントリ」を持つ。陸軍司令官を兼ねる。 |
儒教学者(聖職者) | 18.4% | ファンユピアン | 王政主義者 | persistent pious | イデオロギー「敬虔主義」「道徳主義」を持たず、「儒教主義」を持つ。 |
農村民 | 10.9% | ツァンレクシング | 伝統主義者 | ambitious firebrand bandit | |
武装勢力 | 9.9% | ランダム | |||
官僚階級(インテリゲンチャ) | 9.3% | ヘーシャンリン | 穏健派 | meticulous | イデオロギー「反教権主義」を持たない。 |
小ブルジョワ | 5.3% | リンゼクスウ*1 | 伝統主義者 | imperious pious | |
実業家 | 0.8% | ルアンユアン | 穏健派 | meticulous | |
労働組合 | 0.2% | ゴングジスヘン | 伝統主義者 | reckless pious |
士大夫が「パターナリズム」を持たない影響で、経済・貿易に無関心。
官僚階級が「反教権主義」を持たない影響で、宗教・教育に無関心。
領土を売ってでも工業化を推し進めたい。GDPは世界最強だが陸軍は悉く貧弱、強化しようにも財政が貧弱である。
幸い人口と資源だけは腐るほどあるので、日本と同じ要領で工業化できる...と思えるが実はそうはいかない。
陸続きなので勘違いしやすいが、初期領有州のうち何州かは未併合なので、時期を見て併合しておきたい。
最初の難関はアヘン戦争である。
敗北するとジャーナル「脆い団結」が進み、中国の崩壊にコマを進めてしまう。
...が、なんとアヘンをOKすることで回避できる。
アヘンを許した場合、5年間軍隊が大幅に弱体化するが、それ以上のペナルティはない。そもそも序盤の数だけそろったヘナチョコ陸軍では戦争できないし、戦争する相手も戦争する意味も無い。
ロシアと国境を接している関係上軍備ゼロは回避したほうがいいが、軍事を全て後回しにして内政に全振りしよう。
影響力に関してはシク教や東南アジア諸国、日本をライバル指定しておけば稼げる。
イギリスにはへこついて関係をあげた方が良い。
次にやってくるのが太平天国の乱。発生州の独立などで乗り切ろう。
アヘン戦争だが、現状のイギリス含めたAIは沿岸防衛が下手くそで、挙げ句海軍による防衛もうまくできないため海軍さえ揃えられるなら上陸して倒すことも一応可能。逆上陸できなくても耐え続ければ白紙講話には持っていける。
ただ前述のとおり戦争を回避して余った予算を内政に回した方が良いので、夷狄に屈したくない中華皇帝向けの選択肢である。
欧州列強で中華に関心を持とうとするのはこの時期だとイギリスとポルトガルのみであるため、外交プレイ中には他の列強が靡かず普通に分が悪い。
初手の建設はお馴染み建設セクター+必要物資が良いだろう。欧米列強と異なり、アヘンを含め大体の資源は自給できるのでひたすら自国に建設すれば良い。優先度は低いがアヘンの赤字が気になるのであれば国内でアヘンを増産して対応も出来る。
最初のアヘン戦争を乗り切れば戦争はやってこない...と思いきや、北のロシアが戦争を仕掛けてくることがある。
序盤でも一応勝ち目はあり、北部で遅滞戦闘をしている間に上陸作戦を行えば相手の戦争疲弊を誘える。
しかしながらギリギリ勝ったところで手に入るのは所詮承認程度、向こうの要求も国境の貧乏ステートであることが多く、戦列歩兵から抜け出せないロシアを序盤で迎え撃つメリットは薄い。
いずれ勝てる相手なので、勝てる確信が持てないなら素直に要求を呑めばよい。
勝てる自信がある人や夷狄に屈したくない大清皇帝は、海軍を用意して戦いに備えよう。
ある程度力が着いたら、欧州に関心を付けて適当に防衛協定を結ぶとよい。戦争になっても援軍を送る必要はない。
属国回りでは、モンゴルとウイグルを独立させると官僚制の消費が押さえられてトータルで財政が改善する。
朝鮮は家臣ではなく保護国であるため、アヘン戦争周りが落ち着いたら家臣に落としておきたい。同じく、ランファンも家臣に落としておこう。チベットは最初から家臣。朝鮮以外は一部を除きすぐに併合するほど豊かではないので、影響力が不足してきたら併合すればよい。
多くのプレイヤーに取って絶対変えたい法律No.1となる農奴制。
これだけで地主(士大夫)を50%も強化しているが、この国で即座に農奴制を変えるのは得策ではない。
理由は国内の膨大な小作農であり、農奴制を変化させると自給農園の生産高が増加する。
一見お得そうに見えるがこの国は人民の海にして農業国、爆増した穀物によって穀物の需給バランスが崩壊するのだ。
場合によっては一瞬で経済が崩壊するので、列強への穀物輸出で需要を稼ごう。関税も取れて非常に美味しい。
一見すると酷い法律群だが、実はすぐに変えたいものはそんなに多くない。
専制政治は紫禁城と合わせて正当性100を容易く実現させ、政府体制支持者を大量に生み出している。
国教は聖職者を強化しているが、そもそも有り余る人口のせいで移民要らずであり、聖職者が強くても何も問題がない。
土地ベース課税も山ほどある小作農から効率よく税を取る法律であり、人頭課税に変えると税収が激減する始末。
最初から任命制の官僚であり、変えたいのは農民徴兵、伝統主義、後々農奴制の3つだけである。
孤立主義を採用するのも意外と有力で、課税キャパシティーの増加により大きく税収を改善出来る。
さらに権力が大幅に増加するため消費税を増やしたり、布告を増やすことで工業化を加速できる。
勿論、貿易は一切できなくなるが、一通りのものは自国にあるしそうでなくとも属国にしてしてしまえば市場に取り込り込める。ゴム等もいっそ征服するなり清の国力ならば一国で完結させるだけの規模がある。ただ有り余る穀物を輸出できないので穀物価格は当分低いままであることに注意だ。
また、法改正の方法として政治運動が起こるまで待機しているという方法もある。地主以外政府に参加させないようにすると、初期の増税などで増えた急進派がそれ以外の政治団体に吸われ、政治運動を起こす。農奴制廃止や農本主義を出してくれるのでそれを待って正当性100の爆速審議で通すということだ。
先述の通りこの国は莫大な人口と膨大な資源を抱えているが、それを生かせる課税キャパシティと工業力、そしてそれらの基礎となる技術がない。
技術は遅れすぎているおかげで他国から渡ってくるが、課税キャパシティは法律を変えても不足する一方だ。
行政府は全州に建てていくべきだ。そして増やしたら紙の増産と製法変更を忘れずに。
工業化する上での最大の敵はインフラ。人口の多さによりあっという間にインフラが尽きる。工場や資源施設を建てる際ははじめは沿岸州に多めに建てて港でインフラを稼ごう。
内陸部が多いため、一刻も早く鉄道を研究しインフラ整備できるようにしたい。
布告の中では一見、清ではメリットのなさそうな移民を促進する布告を上手く使いたい。
この布告をつかって首都や交易首都に人口を集めた上で、製造業の生産増加はじめ各種布告を重ねることで他の布告の効果を上げることが出来る。
また首都に人口を集中させれば行政府も集中して建てる事が可能となり結果として規模の経済の効果が得られるほか、人口がそこに来続けるという事はそこの州に継続して建設することになるが、あらかじめ建設セクターをその州に集中して建てる事で建設効率を上げることが出来る。
また首都は通常よりも高い政治力を持つことで首都に人口を集め工業拠点とすることで通常よりも早く、資本家の影響力を上げられる。
トレードオフは人口が集中することによる将来的な出生率の低下になる。
初手で清は首都と交易首都がわかれていてかつ一番発展余地があるのが江西なので一応交易首都と首都を江西に遷都するのも手ではある。
あまり移民に依存しない清にあっても重要。
市民権や宗教法律は移住面よりも権力や文化優遇によって得られる体制派と差別で生まれる急進派のバランスで選ぶ事になる。
政治団体の支持の面では清は宗教派閥が多文化を拒否しないため多文化にはしやすい。
各法律における文化・宗教面で受容されるPOPは以下の通りである。
市民権
宗教
基本的に欧州諸国プレイの常識は通じず、圧倒的な人口による成長を目指すことになる。他の国とは異なり、移民と同じぐらい出生率や死亡率を気にすることになる(単純計算で30M住んでいる州で出生率が1%多ければ毎年300k増えるため、移民を超える労働者増が見込める)。
差別を生む法の改正より教育や死亡率、就業率の改善を進めたい。当然官僚制が不足するが徴税キャパを埋めるように行政府を徹底的にびっしり建てていけば問題ないだろう。
建設セクターは赤字にならない限りこちらも無尽蔵に建設していこう。最終的には1.5~2万程度の出力に落ち着く。
戦争に関しても徴兵さえすれば武器と国庫が許す限り文字通り無限に動員可能なため、戦死者数など一切気にせず戦って問題ない。
ゴムや石油はもちろん鉄や鉛、木材はゲーム終了時まで不足が進むのである程度確保しておきたい。
序盤はアヘン漬けのロートルポンコツヘナチョコ軍隊であるが、数だけは揃っているため近代化した瞬間あっという間に恐怖の軍隊と化す。
勿論それを出来るだけの財務が必要であり、内政に励み続けて国力を付けるのが良い。
もっとも徴兵軍まで近代化するとさすがにどんな財政でも死んでしまうので、動員軍強化の方針が良いだろう。
非承認国である限りはランクが最大で12に固定され、そこらの列強よりよほど強くて国威もあるのにランクが下などという意味不明な状況が続く。
夷狄共に中華の偉大さを見せつけるための認識強要戦争ならば、やはり相手はロシアが良いだろう。
以前の清のように頭数だけ揃えてちっとも近代化できない軍隊をそろえているうえ戦線も近く戦いやすい。
攻撃が足りなければ一時的に増税して軍事予算を上げよう。
余力があればカムチャツカあたりに条約港を作ったりアラスカに加え北海道を抑えているのであれば奪い取ったりすると良い。
他の大国同様ゴムの供給は出来ず、石油も山西30程度なので不足する。
もっとも東南アジアがすぐ近所なので、中華皇帝の威容を見せつければ征服は造作もないことだろう。
何度も言われているように人口が最強クラスなので、内政さえ続けていれば最強の国家になってしまうポテンシャルがある。
実用的な拡大先は朝鮮と東南アジアだろう。
朝鮮を併合できれば鉛と鉄問題も多少は解決する。特に朝鮮は文化が近いため早く併合できる。ランファンは金が出るため併合しておきたい。
東南アジアなら緬甸(ビルマ)、越南(ベトナム)、暹羅(シャム)あたりを傀儡国にして、後に併合すると良い。文化の都合でベトナムのトンキンだけは早期に併合できるのも強い。加えてランファンからボルネオ島に居る諸国へ侵攻するのもオススメ。
日本は朝鮮の大きい版で資源や早期併合加えて石油や石炭まで出る強立地なので傀儡化したいが、流石に悪名が高くなりすぎるので注意。
史実における清への加害者 征服してきた列強は以下の通り。敵対するメリットは無いが、ロールプレイの一環にどうぞ。
もしやるなら実績「西部保護領」(フランス、ドイツ、ブリテン諸島、イベリア、イタリアに条約港を持つ)を目指すのも一興。
アヘン戦争を起こしてきた相手。
清への巨額の貿易赤字に苦しんだ末インド産の麻薬アヘンを密輸し、摘発した欽差大臣林則徐がアヘンを全て燃やしたことに反発し1840年から戦争を開始した*3。
清軍は連戦連敗し、香港を割譲させられて不平等条約たる南京条約を結ばされた。
しかしそれでも飽き足らず、フランスを巻き込んで後述のアロー戦争を引き起こしている。
アロー戦争に乗っかった相手。
イギリス船アロー号に清国官憲が臨検して海賊の疑いがある船員を逮捕したことをきっかけに1860年から戦争を開始した*4。
清軍は連戦連敗し、乾隆帝の大庭園円明園を焼き払われ略奪された*5上にさらなる不平等条約たる北京条約を結ばされた。
しかしそれでも飽き足らず、清の朝貢国ベトナムを巡って1884年から清仏戦争を引き起こしベトナムを併合している。
北京条約に乗っかった相手。
北京条約の仲介を行い、清から沿海州を割譲させ北東部を現在の国境の形にした。
のちには日露戦争に至るまでの期間に満州全域を占領し、遼東半島の先端の街、旅順を租借した。
しかしそれでも飽き足らず、新疆の地を侵食し北西部を現在の国境線まで併合している。
気がつきにくいがシベリアやヤクートは満州と同じ北アジア文化に属するためにトボリスク以東は5年で併合できる。
あとから噛みついてきた相手。
琉球の島民が台湾で殺害された琉球島民殺害事件に乗っかり、日本人保護の名目で台湾に侵攻した上、
清と薩摩両方に朝貢していた琉球を琉球処分により併合した*6。
しかしそれでも飽き足らず、朝貢国だった朝鮮への影響力を巡って1894年から日清戦争を引き起こし、朝鮮を影響下に組み入れた。その後日露戦争でも満州地域の利権を大量に手に入れている。
日清戦争の後の列強による中国分割に乗っかった相手。
ドイツ・フランス・ロシアによる三国干渉で日本が得ていた遼東半島を清に返還させるが、対日賠償金のための借款を申し出ている。
しかしそれでも飽き足らず、1897年には宣教師殺害を理由に膠州湾一帯を占拠し翌年租借している。
日清戦争の後の列強による中国分割に乗っかった相手。
南北戦争の影響で中国分割ブームに出遅れ、門戸開放通牒なる文書を各国に送り、中国の開発の機会は列強に平等に与えられるべきだと主張した。
しかしそれでも飽き足らず、(アメリカに限ったわけではないが)先の不平等条約を利用して大量の中国人を労働力(苦力)として安い安い賃金で輸出させ、
大陸横断鉄道の建設など重労働に動員させている。
義和団事件の鎮圧に軍隊を送ってきた相手。
あまりの列強の横暴っぷり、そして中国人キリスト教徒への贔屓ぶりに反感を覚えた民衆から成長した義和団は1900年に北京に攻め上り各国の公使館を包囲した*7。
しかし列強は先の6か国を含め珍しく団結して鎮圧兵を送り、例の如く莫大な賠償金をせしめている。
上の連中(日本を除く)とは違い、明代から付き合いのある相手。
ポルトガルはヨーロッパ人の中では初めて来航、国交は無かったもののマカオに住み着き貿易を行う。
遅れてスペインも来航、生糸などの物品をフィリピン経由で欧州まで持ち返るガレオン貿易を行った。
清代にも続き、乾隆帝の御代に広州だけでの取引にはなったが継続的に関係が続いている。
積極的に襲ってきたわけでもないので特に恨みがあるほどの出来事は無い(強いて言うならイエズス会の「典礼問題」からのキリスト教禁止で揉めたこと、清の衰退に乗じてマカオを割譲させたくらいか。)が、実績のために死んでもらおう。
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