列強国であるオーストリア帝国。
後の時代には帝国が崩壊し、1938年にアンシュルス(ドイツによるオーストリア併合)されるなど悲惨な目に合う国家だが、
この頃はプロイセンとドイツの主導権を巡り争っており、領地の民族問題に直面している。
ハンガリー人と妥協するか、ドイツを統一するか。プレイヤーが命運を決める番だ。
799年にフランク王国のカール大帝が建国の功臣ゲロルト2世*1を東方辺境伯に任命したことに始まる。
その後フランク王国の流れを汲んで神聖ローマ帝国*2の皇帝に即位したオットー大帝と親密であった、バーベンベルク家のレオポルド1世が東方辺境伯に即位し、これが現在のオーストリアの建国とされている。
1273年からはハプスブルク家がオーストリアの統治を開始、1440年からは神聖ローマ皇帝を世襲したことで列強となる。
1526年にはフェルディナント1世*3がボヘミア、ハンガリーの王位を継承し、開始時の国境まで領土を広げたことで通称ハプスブルク帝国が成立する。
ナポレオン戦争では形骸化していた神聖ローマ帝国が解体され、改めてオーストリア帝国として出発し、本作キャンペーン開始時に至っている。
史実では1867年のイタリア統一戦争・普墺戦争での敗戦及びハンガリー人との妥協によりオーストリア=ハンガリー二重帝国となるも、第一次世界大戦で敗北し1918年に二重帝国は解体される。
オーストリア自身はオーストリア革命を経てオーストリア共和国として再出発するも1938年のアンシュルスによりドイツに併合された後、第二次世界大戦のドイツ敗北に伴い連合国の占領下に置かれる。
その後1955年にオーストリア共和国として独立し、現代に続く体制が確立することとなる。
初期での国旗はハプスブルク帝国の黒黄の国旗。ジャーナル「ハンガリー人の問題」を達成するとオーストリア=ハンガリー帝国の国旗になる。選挙を制定すると国章が消える。
ドイツ統一するとドイツになり、国旗もその政体に準じた物になる。(プロイセンのページを参照)
政治体制 | 国家元首 | 所属団体 | 正当性 | 相続人 |
カイザーライヒ | フェルディナント フォン・ハプスブルク | オーストリア貴族階級 | 54% | フランツ・ヨーゼフ フォン・ハプスブルク |
皇帝は最後の神聖ローマ皇帝フランツ2世の息子『善良帝』フェルディナント1世、相続人は歴代最長在位の皇帝で国民から今なお絶大な敬愛を受ける『不死鳥』フランツ・ヨーゼフ1世。
州名 | 主要都市 | 初期インフラ(使用量/上限) | 建設済の施設(施設名+初期レベル) | 建設可能な資源・農業施設(施設名+最大レベル) | 初期小作農数 | 初期未就業者数 | 州補正(補正名称(補正内容)) |
ボヘミア*4 | プラハ | 60/68 | 行政府10,武器産業5,食品産業5,ガラス工房3,大学2,石炭鉱山2,鉄鉱山5,伐採所3,ライ麦畑7,兵舎30,徴兵センター2 | 869k | エルベ川(インフラ+15.0%) | ||
モラヴィア*5 | ブルノ | 23/45 | 織物工場3,食品産業3,石炭鉱山2,伐採所3,小麦畑4,兵舎10,徴兵センター6 | 381k | なし | ||
西ガリシア*6 | ジェシュフ | 8/53 | 行政府5,ライ麦畑2,家畜牧場1,兵舎10,徴兵センター8 | 石炭,鉄,伐採所 | 523k | なし | |
東ガリシア | ルブフ*7 | 8/53 | 行政府3,小麦畑3,家畜牧場2,兵舎10,徴兵センター10 | 石炭,伐採所 | 671k | なし | |
東スロヴァキア*8 | コシチェ | 4/33 | 伐採所3,小麦畑1,兵舎10,徴兵センター5 | 石炭,鉛 | 317k | なし | |
西スロヴァキア | プレスブルグ*9 | 17/73 | 行政府3,家具工場2,鉄鉱山4,小麦畑2,徴兵センター8,兵舎5 | 施設名 | 511k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
オーストリア*10(首都) | ウィーン | 49/91 | 行政府10,家具工場5,製紙工場5,美術学校2,大学2,小麦畑10,家畜牧場2,兵舎25,徴兵センター8,建設セクター2 | 石炭,伐採所 | 297k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
スティリア*11 | グラス*12 | 15/36 | 鉄鉱山3,鉛鉱山3,家畜牧場2,小麦畑1,兵舎10,徴兵センター2 | 石炭,伐採所 | 147k | ドラバ川(インフラ+15.0%) | |
チロル*13 | ザルツブルク | 9/14 | 鉄鉱山2,金鉱山2,家畜牧場1,徴兵センター2 | 伐採所 | 130k | アルプス山脈(インフラ-15.0%、州の建設効率-15.0%) | |
南チロル | トレント | 1/6 | 小麦畑,兵舎5 | 39.6k | アルプス山脈(インフラ-15.0%、州の建設効率-15.0%) | ||
ロンバルディア*14 | ミラノ | 36/57 | 武器産業10,織物工場5,行政府3,小麦畑3,兵舎15,徴兵センター9,建設セクター3 | 鉄,鉛,伐採所 | 494k | ポー川(インフラ+15.0%)、アルプス山脈(インフラ-15.0%、州の建設効率-15.0%) | |
ヴェネツィア | ベローナ | 53/81 | 交易センター32,織物工場8,ガラス工房5,製紙工場5,行政府3,漁港4,絹農園5,小麦畑2,兵舎10,徴兵センター7,港3 | 石炭,硫黄,伐採所 | 239k | ポー川(インフラ+15.0%) | |
イストリア*15 | プラ | 14/32 | 飾り細工工房3,造船所2,漁港4,海軍基地10,港2,徴兵センター2 | 石炭,伐採所 | 115k | テラロッサ*16(農業生産量+15.0%) | |
スロベニア*17 | リュブリャナ | 6/30 | 伐採所2,小麦畑3,家畜牧場1,兵舎5,徴兵センター1 | 石炭 | 98.5k | ドラバ川(インフラ+15.0%) | |
ダルマチア*18 | ザダール | 4/19 | 漁港3,小麦畑1,兵舎5,港1 | 伐採所 | 78.9k | クルカ滝*19(施設補正:電力+15.0%)、テラロッサ(農業生産量+15.0%) | |
クロアチア*20 | ザグレブ | 11/45 | 行政府3,伐採所3,漁港2,小麦畑2,家畜牧場1,兵舎10,徴兵センター3,港1 | 石炭 | 150k | ドラバ川(インフラ+15.0%)、テラロッサ(農業生産量+15.0%) | |
スラヴォニア*21 | ブロド・ナ・サビ*22 | 4/32 | 行政府2,家畜牧場1,小麦畑1,兵舎5,徴兵センター1 | 伐採所 | 75.8k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
デルビデク*23 | ノビサド | 6/42 | 家畜牧場3,小麦畑3,兵舎10,徴兵センター3 | 伐採所 | 170k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
トランスダヌビア*24 | セーケシュフェヘールバール | 10/73 | 食品産業2,家畜牧場3,小麦畑3,兵舎10徴兵センター9 | 石炭,伐採所 | 613k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
中央ハンガリー*25 | ブタペスト | 22/73 | 行政府5,食品産業2,鉄鉱山2,小麦畑6,家畜牧場3,兵舎25,徴兵センター8,建設セクター1 | 石炭,伐採所 | 469k | ドナウ川(インフラ+20.0%) | |
ベーケシ*26 | ナジバーラド*27 | 5/41 | 小麦畑3,家畜牧場2,兵舎15,徴兵センター6 | 伐採所 | 388k | なし | |
バナト*28 | ティミソアラ | 7/32 | 家畜牧場4,小麦畑3,兵舎10,徴兵センター4 | 伐採所 | 287k | なし | |
南トランシルヴァニア*29 | ブラショウ | 15/29 | 鉄鉱山4,伐採所5,小麦畑2,兵舎5,徴兵センター4 | 鉛鉱山 | 229k | なし | |
北トランシルヴァニア | コロジュバール*30 | 9/28 | 行政府2,家具工場1,伐採所3,家畜牧場1,小麦畑1,兵舎10,徴兵センター4 | 鉄,石炭 | 226k | なし | |
モルダヴィア*31 | なし | 5/12 | 伐採所2,家畜牧場2,小麦畑1,徴兵センター1 | 鉄 | 77.4k | なし |
西ガリシアとモルダヴィアは分割州で、残部にはそれぞれクラクフ、モルダヴィアが成立している。
注意点としては唯一の硫黄産出地がヴェネツィアであること。ヴェネツィアの硫黄鉱山を開発したなら、ここは譲りたくない。
ドイツ人よりも非ドイツ人の方が圧倒的に多いにもかかわらず「国家至上」。
これではせっかくの人口も生かしにくい。
初期から公共学校があるのはプラス。
大まかな方針は2つ。
史実通りハンガリーと妥協し二重帝国へ進むか、プロイセンを列強落ちさせオーストリア主導のドイツ統一を目指すかだ。
統一国家ドイツではなく、あくまでオーストリア帝国としての発展を目指す*32。
二重帝国ルートの場合、直近で解決すべき課題は人口の割に少ない工場と大学、そして法案「国家至上」の改正となる。
プロイセンと本気で戦う必要がない二重帝国ルートの場合、基本通り建築セクターと伐採所・飾り細工工房・鉄鉱山から立て始めよう。そして終わる頃に大学を建築しておきたい。
貴族と教会の影響力を落として「国家至上」を改正するのが目標。
初日のうちに「専門的な警察機構」の審議を開始して通しておきたい。
その後は「任命制官僚」や「土地所有者投票」を通して影響力を削いでいこう。
そして機会を見て「国家至上」を変更する法案を通せば無事解決できる。ハンガリーを差別対象にしなければよいので「人種差別」でよいが、長期的に「文化的排斥」や「多文化主義」を狙うのもよい。
ちなみに、ジャーナル「ハンガリー人の問題」はハンガリーの動乱を抑えられない場合に失敗扱いとなるが、起きるのは成功時と同じ内容。
史実ではまったく植民地を持たなかったオーストリアだが、ゲーム内ではあふれかえる人口により植民地建設との相性が非常に良い。
定番のニジェール、コンゴやザンジに植民してゴムと染料と砂糖を手に入れてもよし、インドシナに進出して石油を取りに行っても良し、
オセアニアに進出してドイツの代わりに覇権国家になっても良い。
いずれにせよ本気で工業化を推し進めるのならば国外から必要な製品を得る必要がある。
史実ではプロイセンに負けてドイツから追い出され、フランスに負けてイタリアを失い、国内の民族主義に負けてハンガリー人と協力する羽目になったオーストリア帝国だが、
ゲーム内ではその人口大国っぷりを生かし、列強として暴れることも容易。
拡張先に困ったらイタリアを攻めても良いが、イタリアはワインばっかり飲んで経済を傾かせる(ワインに執着する)ので南のオスマンや東のロシアを叩くとよい。
神聖ローマ帝国随一の権門たるハプスブルク家のもとにドイツを統一する。
統一を達成すると全ドイツ諸侯を併合することになり、いわゆる中欧帝国になる。
史実では異民族を巻き込むとドイツ民族の統一という目的が果たされなくなるということで立ち消えたが、この世界ではハンガリー人やボヘミア人やスロバキア人を抱える統一ドイツが爆誕する。
基本的にはプロイセンと同じなのだが、
プロイセンと異なりオーストリアでは「汎国家主義」を終えるまでドイツ諸侯併合が起きない。
ドイツ化のための州も少ないため、プロイセンを定期的に叩いて国家の開放により小分けにし、列強から落としてオーストリア中心のドイツに賛成してくれる諸侯を増やす必要がある。
またver1.1以降プロイセンが関税同盟内の諸侯を戦争で併合しなくなったため、もたもたしていると北ドイツ化されたりプロイセン側から戦争を吹っかけられる。
とはいうが、軍拡してもそれを支える金が無いので最初は基本通り建築セクターと伐採所・飾り細工工房・鉄鉱山から立て始めよう。
研究の進捗度合いが全く違うので、軍質で勝るまでにはかなり時間がかかってしまう。
同程度の軍質で戦えることを目標に、生産と軍事をバランスよく研究しよう。国家主義をとっても先述の通り併合できるわけではないので急ぐ必要はない。
戦争前くらいに国家主義の研究が終わるのがベスト。
軍質も軍量も多すぎるので、とてもではないが1国では史実の普墺戦争同様、相手にならない。
下手したら史実通り7週間で負ける可能性すらある。よって他列強の協力は必須。
一番良いのは史実の七年戦争同様フランスとロシアを呼んでフルボッコにすることであり、3国の内1国(主にロシア)が降伏しがちだが弾除けにはなってくれる。
「統一のリーダーシップ」の宣戦事由でプロイセン相手に仕掛けよう。勝利すると統合候補国からプロイセンを叩き出せる。
何度もプロイセンを叩いて列強落ちさせたら、タイミングを見計らって統一戦争に打って出よう。
「ドイツ統一」の宣戦事由で外交プレイを開始すればよい。
勝利すると、列強でないドイツ諸侯が問答無用で併合される。
プロイセンを食う都合上驚愕の悪名度合いなので、戦争前は戦争を控えたほうが良い。
平和裏に併合も出来るのだが、19州という目標までが遠すぎる上プロイセンの領土はかなり散らばっているのでおとなしく戦争で併合したほうが良い。
統一戦争に勝利し文化タブからドイツに変態することができる。
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