研究室

本ページの内容は、ver1.0.6で確認されたものです。

概要

州ごとに使用キャパシティが課税キャパシティを上回ると、割合に応じて浪費税が発生し、その分の税収は虚空に消える。

使用キャパシティは、人口1万あたり1の固定値。
課税キャパシティは、基礎値・社会技術・行政府で固定増、法律で割合増減される。

課税キャパシティの増減

固定値

要素備考
基礎値100
社会技術Ⅰ「中央集権化」25書類整理棚を解禁
社会技術Ⅱ「中央公文書館」25規格化整理を解禁
社会技術Ⅲ「身分証明書」25
社会技術Ⅳ「中央指令型経済」25電話交換機を解禁
社会技術Ⅴ「監視社会」25
行政府「簡略化組織」5官僚制35/事務員4000/官僚+貴族+聖職者1000
行政府「書類整理棚」10官僚制50/紙10/事務員4000/官僚+貴族+聖職者1000
行政府「規格化整理」15官僚制65/紙20/事務員4000/官僚+貴族+聖職者1000
行政府「電話交換機」30官僚制100/紙20/電話5/事務員2500/官僚1500/官僚+貴族+聖職者1000

基礎値+技術だけでも最終的に225に達するため、法律等の割合修正を無視した場合、行政府なしでも2250k=2.25mまでの人口を管理できる。

割合値

要素備考
首都+25%
法律「任命制の官僚」+25%
法律「伝統主義経済」-25%
法律「指令経済」+25%
法律「孤立主義」+25%

行政府のスループット

行政府のスループットを増加させると、紙の消費は増えるが、労働者一人あたりの出力が上がり人件費の節約となる。
複数の州にまたがって効果を発揮する性質でないため、課税キャパへの寄与は薄く、官僚制を目当ての活用が主となるだろう。

要素備考
規模の経済1~50%
摩天楼25%*1紙25/事務員2500/官僚1500/労働者1000
ホワイトハウス20%官僚500
法律「植民地搾取」10%ここでは実質的な意味が無い

行政府をいつ建てるか?

大前提として、官僚制の側が不足している場合は最優先となるだろう。官僚制の赤字による浪費税は全州に適用されるため、課税キャパ以上に損失が大きい。
官僚制の収支は安定しているものの、課税キャパのために行政府を建て増すか迷っている場合から考える。

行政府のリターン

浪費税の解消は好ましいが、浪費税率よりも浪費税額を意識したい。
たとえば小作農だらけの州の浪費税を解消したところで、そもそも取り立てられる税額が少ないため恩恵が小さい。
税法が土地ベースの場合も同じことが言える。土地ベースの所得税率[普通]は7%に過ぎず、人頭課税の15%、比例課税の25%とは大きな差がある。

余剰の官僚制は、貿易に用いても良いし、司令官の雇用→昇進で影響力を調整しても良いし、公共施設を整備しても良い。

また、事務員・官僚ともにインテリに加入しやすいため、何かと役立つインテリの影響力を伸ばす効果もある。

行政府のコスト

ともかく人件費がネック。事務員4000人に加え、賃金倍率の高い官僚・聖職者・貴族の雇用が政府収支を圧迫する。
実際に支払う賃金は国ごとの標準賃金の差と予算タブの賃金設定で異なるが、序盤の目安としては0.5k程度*2と考えておけば良いだろう。

「書類整理棚」以降はを消費する。基本価格は30なので、「書類整理棚」なら30*10で0.3k、「規格化整理」なら30*20で0.6kとなる。

インフラ消費は1、建設コストは300となる。

製法ごとの費用対効果

支出1kあたりの課税キャパ増加を費用対効果として示す。

製法課税キャパ人件費目安材料費目安費用合計費用対効果
簡略化組織50.5k0.0k0.5k10
書類整理棚100.3k0.8k12.5
規格化整理150.6k1.1k13.6

意外にも差は小さい。ただし、人件費が伸びると徐々に差が広がる。
紙の供給で無理をしてまで早期に製法を変えずとも良いかもしれない。

また、古い製法は結果として「規模の経済」を乗せやすい。

紙との相談

費用対効果を考えると社会技術Ⅱ「中央公文書館(規格化整理)」から行政府スパムに出るのが良さそうだが、いかんせん紙の供給がネックになる。

初期の製紙工場は木材30→紙40と木材をバカ食いし、建設材料と競合する。
生産技術Ⅱ「メカニカルツール(亜硫酸パルプ)」で木材30/硫黄10→紙70へ、生産技術Ⅱ「化学的漂白(漂白)」で木材30/硫黄10/染料10→紙100と進歩するため、
硫黄・染料を確保して製紙工場の生産性を上げるのと並行して行政府スパムを始めるのが無難だろうか。

しかし、第二世代の技術を進める時期は、建設の拡大のため木・鉄・工具やら、鉄道の準備のための石炭・鉄鋼・発動機やら、小作脱出POPの需要への対応やらで忙しい。
戦争を控えてるなら尚更であり、ときにはキャパ問題を諦める(=先延ばしする)ことも必要か。

法律で補う

採用しやすいのが「任命制の官僚」で、地主弱化+インテリ強化の一貫としても優秀だ。
「伝統主義経済」は早期廃止を目指すとして、「指令経済」は解禁が遅すぎるため当座の選択肢とはならない。
「孤立主義」は、貿易で紙を吸われて価格高騰を防げることもあり、前提として資源に恵まれ、全体を管理できるなら極めて優秀。日本以外も後から採用*3するのが選択肢。

課税キャパ損失ランキング

開始時から課税キャパシティがオーバーしている後進人口大国たち。
バニラと課税キャパ+10000を全国家に与えた自作MODとの間で、各国の損失税収を比較。

前提条件

ゲーム開始時(1836年1月1日)で、税法はその国のデフォルトかつ税率標準かつ消費税なしとする。
関税・鋳貨・外交協定の収入は無視し、所得税人頭税の合計を見る*4

結果発表

小数点第二位以下は逐一切り捨て。

国名GDP税法キャパ損有キャパ損無損失税収損失率*5備考
東インド会社64.5M土地57.9k393.5k335.6k85.2%
147.2M土地200.9k1143.0k942.1k82.4%税率低→標準に変更
シク8.5M土地10.5k51.8k41.3k79.7%消費税:酒・タバコ
ロシア47.8M土地66.9k211.9k145.0K68.4%消費税:酒
日本14.9M土地36.6k93.2k56.6k60.7%
朝鮮4.5M土地16.5k28.6k12.1k42.3%
オスマン15.6M土地44.0k58.1k14.1k24.3%
オーストリア27.3M人頭114.8k142.6k27.8k19.4%

本当に厳しい国

紙の供給の整備が難しい国は、キャパ損失地獄からの脱出も遅れる。

朝鮮・オスマン・ロシア・オーストリアは染料を自給できない。
ペルシャ東部・インド・華南・西日本あたりを確保するか貿易が必要だが、朝鮮はシビア。

シク・朝鮮は硫黄すら自給できない。シクは初手シンドで海確保と硫黄確保を両立するのが有力。朝鮮はシビア。

逆に東インド会社・清は、染料・硫黄の潤沢な自給が可能で、中期的に植民で補うのも人口の暴力で容易。
初期の損失率こそ厳しいが、「規模の経済」も活用できるためスパム時の収支改善は圧巻。

コメント欄

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ぼんやりした結論しか出せなかったが、たたき台として使ってやってください -- 2022-11-29 (火) 21:06:25
    • レポートおつです。
       浪費税という公式訳イケてない問題は研究するとき苦労しますよね。
       Devsは、現実で云うところの「補足漏れ(官僚制の非効率, 官吏・調査技量の不足)」を表現してるのでしょうが、浪費"税"と邦訳すると、そのような税目(市民から取れる金≠取りこぼし)があるようにも読めるので、御新規パラドユーザーにはストレスフルになってしまうのかも知れません。
       犯罪と脱税のギミックがない分、対処法は切り分けし易いですが。 -- 2022-11-29 (火) 21:20:03
      • 脱税ならPOPの懐に収まり続けると解釈するのが自然なんだけども、ゲーム中のTax Wasteは虚空に消えてるっぽいのでまたややこしいですね。かなりゲーム的な処理なので、現実のどんな用語で訳しても混乱しそう。 -- 2022-11-29 (火) 21:29:07
      • 全く同感。 訳の問題かとも考えenglish版と相互参照して調べたりもしたのですが、これはもう、「特性:うちのばあちゃんが畑にタンス預金して行方不明」などど扱うしかない気がする。。 -- 2022-11-29 (火) 21:33:53
      • 徴税経費的な感じかな? -- 2022-11-30 (水) 11:13:51
  • ページの主旨から離れるが、GDPとキャパ損無税収の比を見ると、税法・税率が同じでも清>他>>ロシア>オスマンになってる。つまりオスマンはGDPに対して得られる税収が少ない。
    原因として考えうるのがオスマンのみ農奴廃止している点。農奴は自給生産を減らして商品生産を増やすんだけども、自給生産は課税されないから課税の面ではむしろ農奴が有利になってる。
    改革の過程で農奴廃止はいずれは行うけど、税制面・商品供給面では短期的にマイナスになるということだね。 -- 2022-11-29 (火) 21:21:41
    • 小作農を抜きにしても、むしろ先進国ほどGDPに対しての税収の割合が低くなるのは、研究室/未整理にあるように、このゲームのGDPが付加価値の合計ではなく各生産価値の合計として処理されてることに起因してそう。仮にGDPが正しく処理されてれば、税法・税率が同じで自給農家なしなら、GDP:税収の比が一致するはず。 -- 2022-11-29 (火) 21:39:05
      • 先進国は投資プールへの流入が原因では? -- 2022-11-30 (水) 01:37:59
      • 投資プールもありましたねえ。あと初期から非併合州がある場合は税収面で少し不利だけども、清やロシアのサイズ感だと無視できちゃうレベルではあるかな。 -- 2022-11-30 (水) 03:17:20
    • 自給農の数でしょ。農奴制よりこっちの方が自給生産に影響してる。 -- 2022-11-30 (水) 01:46:22
      • 初期の自給農割合は調べてないんだけども、清もオスマンも同じように大多数(共に9割以上?)が自給農と言えるはずなので、途上国同士で比べる場合、農奴制の自給4→3は結構でかいと思う。 -- 2022-11-30 (水) 03:24:28
      • ちなみに穀物の収支から見ると、たとえば初期の清は53.3kの内の自給農家の穀物生産が、コンソールfastenactで即日廃止すると44.6kまで減る(17%減)。 -- 2022-11-30 (水) 03:28:59
      • 逆にオスマンで初手農奴導入を実験したが、2月1日時点のGDPが15.8M→16.0M。うーん、誤差!w GDP面ではあんまり関係なかったですわ -- 2022-11-30 (水) 03:33:45
    • GDPについては研究室/GDPの計算の別ページを作成。 -- 2022-11-30 (水) 04:37:14
  • 面白くてためになるからありがたい! -- 2022-11-30 (水) 19:01:10
  • >The amount of unrealized taxes are now displayed in the country budget tooltip
    1.1で国全体としての浪費税額がツールチップで表示されるとのこと。 -- 2022-12-02 (金) 01:22:53
  • 朝鮮は硫黄染料ないけど清市場だから紙問題は比較的マシ 早期独立がやや難しめで属国期間長めだから独立までに手は打ちやすい方だった -- 2022-12-22 (木) 23:21:01
  • どうも消費税は課税キャパが低くても浪費で減らないみたいなので、課税キャパが不足している国は消費税メインの税制にするのもありじゃないかと思った -- 2023-01-03 (火) 19:20:34
    • 消費ベース税制は消費税率自体は変わらず消費税に要する権力が半減する。見た目ほど消費税収が増えてきてくれない。 -- 2023-01-03 (火) 19:32:14
      • 土地ベース→消費ベースなら農民/小ブルが賛成、武装勢力のみ反対だから可決は難しくないのだが、変更前後ともに全権力を消費税にぶっこむ前提下の清・東インド会社でも、消費ベースのほうが総税収が小さくなった。 -- 2023-01-03 (火) 19:35:47
    • 税の浪費分は消えてなくなってその分POPからの商品需要が減る(=POP貧困化が起きる)ので、消費税だとそうならずに税を徴収できるというメリットがあるにはあるが、そこまでしてPOPの貧困化を避ける必要もないので微妙と言えば微妙かもね -- 2023-01-03 (火) 19:48:12
お名前:

*1 多重建設バグで多重に効果が乗るため、とんでもない官僚制を吐き出す。
*2 開始時の北京の行政府の賃金が、施設1あたり0.53k
*3 保護主義からだと無理だが、重商・レッセフェールからは農村民の支持が得られる。
*4 配当税はこの段階では用いられていないので無視。
*5 キャパ損無税収を分母、損失税収を分子として算出。

トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS