そうだ。プレイヤーは政府としてプレイするのではなく、「国家の精神」としてプレイする。
#3 建造物より
官僚機構は無秩序な拡大を抑制し、小さく強力な国家建設に報いるように意図している。プレイヤー国家が軍国主義の大国で、大陸をまたいで侵略を行った場合、プレイヤーは新たに併合した領土に法で定められた政府の役務を拡大するのには苦労するだろう。
#8 政府の制度より
キャパシティは、特定の分野について国家が持つ能力をあらわす。キャパシティには官僚機構(Bureaucracy)、権限(Authority)、影響力(Influence)の3つがあり、その分野に関連することにのみ使用される。
キャパシティは蓄積されるものではなく、常に一定の生成量と使用量をもつ。生成量が使用量を超過しているとポジティブな効果が、その逆ならネガティブな効果が現れる。
官僚機構(Breaucracy)は、国家の持つ領土に対して統治し、投資し、徴税する能力を表現する。
官僚機構は建造物の政府機関(Government Administration)から生まれるが、そのためには官僚が雇用され、紙などの必要な商品が利用できている必要がある。これに限らず、無人の建造物は恩恵をもたらさない。
官僚機構はまず編入されたステート(Incorporated State)内の人口規模に応じて使用され、さらに国家が運営するそれぞれの政府の制度(Institution)のレベルによっても増加する。
政府の制度も編入されたステートでしか効果を発揮しないため、ただ単に領土を拡大しただけでは官僚機構の負担はそれほど大きくならない。逆にステートを編入する際は、余裕があるか確かめた方がよいだろう。
権限(Authority)は、国家元首の個人的権力や、国家に命令する能力を表現する。
権限は基本的に法律(laws)から生じる。より抑圧的な法律はより多くの権限をもたらし、それにより権威主義的な社会とそうでない社会にトレードオフが生まれる。権威主義的であるほどプレイヤーの意志を直接反映しやすくなり、逆にPOPが多くの権利を持つような国家ではプレイヤーの裁量は小さくなる。
権限の使い道は様々だ。ステートにおける布告(Decrees)の設定、利益集団(Interest groups)の後援・抑圧、特定の商品の奨励・禁止などに用いられる。いずれの行動でも、権限以外のリソースは使用しない。このゲームにおいての権限とはつまり、国家元首の意向が政府を左右し、社会を変化させ、末端の人々にまで至るすべての力・能力を総合したかなり抽象的な概念であるだろう。
影響力(Influence)は、国家が外交においてどれほどの影響力を持てるのかを表現する。
影響力は国家ランクに応じて獲得でき、その国家ランクは威信(Prestige)の大きさに依存している。
関係改善や同盟、従属国などの外交関係・協定を維持することが影響力の使い道である。関係を持つ相手国のランクが高いほど、維持コストも大きくなる。
影響力を使用する外交行動(Diplomatic Actions)のうち、関係改善や資金援助など一方的な継続的行動(Ongoing Actions)は実行者のみが影響力を支払う。対して同盟や貿易協定など二者間の合意が必要な協定(Pacts)では、双方が影響力を支払う必要がある。ただし従属関係や関税同盟など上下関係がある場合は、上位国のみが影響力を負担する。
Victoria 3の金利は比較的低く、債務上限に達するのを避ける限り、赤字支出による経済成長は非常に有効な戦略となり得る。
#12 国庫より
Victoria3の資金は、他のゲームでよくみられるような何かを買うために十分な量まで貯めるものではない。このゲームでは代わりに週ごとの収支が重要になるからだ。週の終わりに自国の収入と支出が集計され、備蓄額や負債額に充当される。国家に債務がなく収支が黒字の場合は金準備を、債務があり赤字の場合は国家債務をそれぞれ拡大させる。
つまり、建築などのあらゆる支出が週をベースに行われる。プレイヤーはある産業を興すにあたって手許の現金を持っている必要はないが、十分な収支がないとすぐに赤字になってしまうだろう。
金準備(Gold Reserve)とは、国家がもつ現金準備のことだ。債務がないときの余った予算は金準備に充当される。逆に赤字の場合は、金準備から資金を崩して帳尻を合わせる。
大きな金準備を持つことは悪いことではないが、必ずしも最良というわけでもない。国家ごとに金準備上限(Gold Reserve Limit)があり、これは余剰1ポンド*1ごとに金準備の効果が逓減するソフトキャップである。上限を大幅に超える金準備には無駄が多いので、資金を再投資する先を見つけるべきだ。
国家債務(National Debt)は、支出が膨らみ金準備を使い切ってしまったとき、自動的に借入される。借入すると金利を支払わなければならないが、Victoria3の金利は比較的低いため、計画的な借金は経済成長のために推奨される。課税による収入増が利息を上回る可能性があり、国民の生活水準を向上させられるからである。
ただし、債務上限(Debt Ceiling)に達することは避けなけらばならない。これは金準備上限とは違い、ソフトキャップではない。借入額が上限に到達すると国家は即座に債務不履行(Default)となり、恐ろしい状態になる。(実際にどういう状態になるかは不明。見逃しているだけかもしれない。)
脱出するには収支を黒字にするか、破産宣言をするしかないが、破産宣言は国内産業に大打撃を与える。借り入れている資金は実際には国内建造物の現金準備であり、それら産業をすべて見捨てることになるからである。
債務上限は実質的に国内建造物の現金準備上限の合計である。一般的に高度な産業・建造物の方が現金準備の上限が高く、またもちろん建造物のレベルにも比例する。
デフォルトを脱却するもう一つの方法として債務を他国に肩代わりしてもらうことも可能だが、その後の国家の安全は保障できない。債務の引き受けが行われると、引受国は相手への外交行動で責務(Obligation)を利用できるようになる。責務を使うと相手国の意向と関係なく関税同盟締結などの提案を受諾させられる(列強を従属国にできない等システム上の制限はある)。
Victoria3の徴税のうち、所得税、人頭税、消費税の3つはそれぞれ5段階のレベルがあり*2、自由に調節することができるが、税率の引き上げは急進派の増加と表裏一体である。なお前作のスライダーが廃止された理由は、①スライダーよりもレベルごとに得られるものが明確になる②毎週政府が税率を調整するのは全く非現実的 としている。
法律はほとんどの場合で互いに独立している。世襲の立憲君主制だが普通選挙制とか、食物連鎖の頂点に立つ強力な指導者がいる大統領独裁の共和制を作ることができるし、秘密警察を持っていても完全な言論の保護を認めることができる。
#7 法律より
Victoria3の法律(Laws)は、政治的、経済的、社会的にさまざまな状況を生み出し、時間とともに社会を変えてゆく。法律の変更は急激な変化をもたらすものもあるが、ゆっくりと段階的に変わっていくこともある。
法律には3つの大きなカテゴリがあり、それぞれに7つのサブカテゴリがある。サブカテゴリには複数の法律の選択肢があり、常にそのうちの1つが制定されている。
法律の効果は主に、自国に関する一部のパラメータを補正することだ。例えばPOPの死亡率を下げたり、関税率を変更したり、官僚機構(Bureaucracy)の算出を増加させたりできる。基本的に保守的で権威主義的な法律の方がより多くの権威(Authority)を常にもたらす。
法律の効果はそのほかにも、学校や警察など特定の政府の機関(Institution)を開放したり、差別されるPOPの基準を決定したりする。
権力構造(Power Structure)
権力構造の法律は、国家のさまざまな側面を誰が管理するかを決める。君主制や議会共和制といった基礎的な部分をはじめ、選挙権や官僚制、国内治安に関する法律もある。
統治原理(Government Principles):政府の基礎となる部分であり、封建君主制、大統領共和制、評議会共和制などが含まれる。これによって国家元首(Head of State)が誰であるか、どのような権力を行使するかを決定する。
権力配分(Distribution of Power):独裁政治から普通選挙までが存在し、どのPOPがより多くの政治力(Political Strength、投票や政治運動の際に効果を発揮する)を持つのかを決める。
市民権(Citizenship):その国に住むPOPが文化によって差別されるかどうかを決定する。あるPOPの文化が持つ文化特性(cultural traits)をもとに判断される。
教会と国家(Church and State):上と同様に、その国に住むPOPが宗教によって差別されるかどうかを決定する。
官僚制(Bureaucracy):官僚を世襲制にするか選挙制にするかといった運営方法が割り当てられる。政府の制度のコストを増減させると同時に、あるグループに対して他よりも直接的な利益をもたらす(詳細不明。
世襲官僚なら地主が有利ということ?)。
陸軍の体制*3(Army Model):陸軍を構成する人や組織のあり方を規定する。具体的には、徴兵されるPOPの職業、平時から常備軍をどれだけもてるか、軍隊の維持費はどれくらいかなどに関わっている。
国内治安(Internal Security):制度である内務当局(the Home Affairs)の公安制度がどのように機能するのかを決める。
経済(Economy)
この項目の法律には、経済政策だけでなく警察、教育、医療機関など政府の制度(Istitution)についての法律も含まれる。経済に関わる法律では、主軸となる経済理論や税制が定められている。
経済システム(Economic System):
貿易政策(Trade Policy):
税制(Taxation):
植民地(Colonization):
警察(Policing):
教育システム(Education System):
医療システム(Health System):
人権(Human Rights)
これらの法律は、自国のPOPがどのように扱われ、政府がどういった手段で彼らの生活に影響を及ぼせるかを決定する。言論の自由や労働者の権利に加え、移民や奴隷の扱いもここに含まれる。
言論の自由(Free Speech):
労働者の権利(Labor Rights):
子どもの権利(Children's Rights):
女性の権利(Rights of Women):
福祉(Welfare):
移民(Migration):
奴隷制(Slavery):
法律の一覧はこちら。もちろんリリースまでに変更の可能性はあるし、抜けている部分も多いと思われる。翻訳は適当。こちらを主に参考にした。
カテゴリ | サブカテゴリ | 法律 | ||||||
権力構造 Power Structure | 統治原理 Government Principles | 酋長制 Chiefdom | 神権政治 Theocracy | 封建君主制 Feudal Monarchy | 君主制 Monarchy | 大統領共和制 Presidental Republic | 議会共和制 Parliamentary Republic | 評議会共和制 Council Republic |
権力配分 Distribution of Power | 独裁政治 Autocracy | 寡頭制 Oligarchy | 長老会議 Elder Council | 土地による選挙権 Landed Voting | 財産による選挙権 Wealth Voting | 傾斜選挙*4 Census Suffrage | 普通選挙 Universal Suffrage | |
市民権 Citizenship | 単一民族国家 Ethnostate | 国民の優越 National Supremacy | 文化的排斥 Cultural Exclusion | 人種隔離 Racial Segegation | 多文化主義 Multiculturalism | |||
教会と国家 Church and State | 国教のみ State Religion | 良心の自由 Freedom of Conscience | 完全な分離 Total Separation | |||||
官僚制 Bureaucracy | 官僚世襲制 Hereditary Breaucrats | 官僚任命制 Appointed Breaucrats | 官僚選挙制 Elected Bureaucrats | |||||
陸軍の体制 Army Model | 農民徴兵制 Peasant Levies | 正規軍制 Regular Army | 国家民兵制 National Militia | 国民皆兵制 Mass Conscription | ||||
国内治安 Internal Security | 内務当局なし No Home Affairs | 自由の保障 Guaranteed Liberties | ||||||
経済 Economy | 経済システム Economic System | 伝統主義 Traditionalism | 農本主義 Agrarianism | 介入主義 Interventionism | 計画経済 Command Economy | |||
貿易政策 Trade Policy | 孤立主義 Isolationism | 保護主義 Protectionism | 重商主義 Merchatilism | 自由貿易 Free Trade | ||||
税制 Taxation | ||||||||
植民地 Colonization | 植民地省なし No Colonial Affairs | 植民地への再定住 Colonial Resettlement | 植民地の搾取 Colonial Exploitation | |||||
警察 Policing | 警察なし No Police Force | 地方警察組織 Local Police Force | 献身的警察組織 Dedicated Police Force | |||||
教育システム Education System | 学校なし No Schools | 宗教学校 Religious Schools | 私立学校 Private Schools | 公立学校 Public Schools | ||||
医療システム Health System | 医療システムなし No Health System | 慈善病院 Charity Hospitals | 民間医療機関 Private Health Insurance | 公共医療機関 Public Health Insurance | ||||
人権 Human Rights | 言論の自由 Free Speech | 反対意見の禁止 Outlawed Dissent | 検閲 Censorship | 集会の自由 Right of Assembly | 言論の保護 Protected Speech | |||
労働者の権利 Labor Rights | 農奴制 Serfdom | 農奴制廃止 Serfdom Abolished | 労働規制機関 Regulatory Bodies | 労働者の保護 Worker's Protections | ||||
子どもの権利 Children's Rights | 児童労働の許可 Child Labor Allowed | 児童労働の規制 Child Labor Restrictions | 初等義務教育 Compulsory Primary School | |||||
女性の権利 Rights of Women | 財産化された女性 Propertied Women | 後見人制度 Legal Guardianship | 女性労働者 Women in the Worklplace | 女性参政権 Women's Suffrage | ||||
福祉 Welfare | 社会保障なし No Social Security | 簡易な政策 Poor Laws | 賃金統制 Wage Control | 年金制度 Pensions | ||||
移民 Migration | 移民制御なし No Migration Control | 移民制御 Migration Control | ||||||
奴隷制 Slavery | 奴隷貿易 Slave Trade | 遺された奴隷制 Legacy Slavery | 債務奴隷 Debt Slavery | 奴隷の禁止 Slavery Banned |
植民地化された辺境、紛争中の領土、最近併合してまだ編入していない領土がある場合、こうした領土はプレイヤーに税を納めず、プレイヤーの官僚機構にも負担をかけないが、彼らはプレイヤーの素晴らしい病院も利用できない。
#8 政府の制度より
怒った利益集団が内戦を起こすこともあるし、潜在的には彼らを支持する外国を呼び込むこともある。
#6 利益集団より
実際の政府の構成は依然としてプレイヤー次第だ。現代のほとんどの国の選挙制度と同じように、投票で勝ったからといって自動的に特定の政党や政党連合が政府を樹立するわけではない。
#45 選挙より