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*「お金」の動き [#c6663d37]

このゲームを始めると、何していいのかはなんとなく分かるけど何してるのかわからない。なぜそうすべきなのかわからないといった状況になる人が多いと思う。
そこでこのゲームの経済の流れを解説する。

**1章.生産を増やせば回るお金が増える [#e0734992]

大体のシミュレーションゲームに置いてお金は資源として、生産されてそれを使って何かを生産できたりするものだ。
しかしながらVictoria3においては実際の経済と同じくお金はそういった「資源」ではなく循環するものである。
具体例を見てみよう。

まず鉄製施設の設定で建築をするとき、建設セクターは道具・生地・木・鉄から建物を作る。
道具は鉄と木から飾り細工工房で、生地は家畜牧場と綿農家で、木は道具から伐採所で、鉄は工具から鉄鉱山で作られている。
それらの建物は原料を仕入れる対価としてお金を支払い、政府は建設セクターの支払いを負担するので、それぞれお金を払っているのでお金の流れはこんな感じだ。

    政 府
     ↓
     ↓
 建 設 セ ク タ ー
  ↓   ↓   ↓   ↓
  ↓   ↓   ↓   ↓
家綿  伐→→飾←←鉄
畜農  採  り  鉱
牧家  所←←細→→山
場      工
       工
       房

ここで鉄鉱山を例に話を進める。ここで鉄鉱山は飾り細工工房に工具の代金を支払い、飾り細工工房と建設セクターから鉄の代金を取得している。この差額が鉄鉱山の利益となっている。
この利益はまず従業員popの給料に充てられ、残りは主に手元資金に貯蓄され、さらに残った一部は配当として施設の所有者popの収入となる。
手元資金が限度額まで溜まれば、「給料+配当=利益」の式が成り立つようになる。つまり施設において''お金は増えも減りもしない''。

同様に建設セクターの従業員popにお金を払っているが、建設セクターの所有者は政府そのものなので具体的に配当を受け取るpopがいるわけではない。
逆に綿農家はどこにも支払いを行っていないから売り上げが全てpopへの給料と配当になる。
重要なのはここではお金は増えも減りもしておらず、ただ政府のお金が建設セクターを経由して各施設に流れ、各施設の従業員popと所有者popに流れて行くだけということである。

そして政府はpopの消費、給料、配当に課税する、配当から投資プールにお金を移す、などの方法でお金を政府に戻るようにする。
これがVictoria3におけるお金の基本的な動きである。何度も言うが、''お金は増えも減りもしていない''。


しかし、''給料と配当の総量を増やすことは可能''である。どうすればいいかと言うと従業員popがより多く雇用される、従業員popが働く施設の収益が上がるといった方法である。
これはすなわち生産を増やすということである。

もちろん闇雲に生産を増やせばいいわけではなく、例えば伐採所を増設して木ばかりを増やしたところで、それに見合う需要が無いため材木は値崩れして赤字を垂れ流すだけになってしまい、全く意味がない。
そこで木の需要を増やすために、木を消費する別の産業(飾り細工工房や家具工場など)を増設する必要がある。
飾り細工工房を建てた後はその材料である鉄を増やすために必要な鉄鉱山を増設し、鉄鉱山で使う石炭を増やすため石炭鉱山を増設し、生産した道具を使うように伐採所の製法を変え、さらに道具が必要になるので道具工場と鉄鉱山と石炭鉱山を増設……ということを繰り返していれば国全体の生産が拡大し、popの雇用は増え、給料と配当の総量が拡大する。

そしてその増えた給料と配当はpopの財力(ゲーム内で財力と呼称されるが、一般的な名称としては資産である)を上げ、より多くの需要を生むとともに生活水準を向上させる。生まれた需要により更なる生産を要求され、建設によりそれを満たすとpopがより多く雇用され...という循環が出来上がる。この循環における生産の拡大をデータにしたのが国内総生産、popの生活水準の向上をデータにしたのが平均生活水準、それを満たす建設の速さが建設セクターが生産する建設の総数である。


**2章.平均生活水準と総財力 [#x851703e]

生活水準という表現からは分かりにくいが、このゲームにおける生活水準とはそのpopの財力とほぼイコールの関係にある。
popは支払われた賃金や配当からいろいろな商品を買ったり(ゲームでは需要ってかかれているもの)、税金を支払うのだがこの支出よりも収入の方が大きいと当然ながら徐々にpopの財力が増えていく。
この財力を数値として表したのが生活水準だ。

しかし、よく考えるとこれはおかしいのである。
生活水準が上がるということはつまり財力の向上であるのだが、ゲーム内におけるお金と言うのは''増大しないし減少もしないはず''である。
そしてpopの総財力が増大し続ければいずれ''お金が足りない''という問題が現出して財力をお金で表現できなくなるので、それ以上生活水準が増大しない限界値が割と小さい値で存在するはずである。
しかしそのような値は存在しない。ゲーム内で生活水準は上げ続けることができる。

つまり、''どこからかお金が供給されている''という事実が存在する。''お金は増えも減りもしないわけではない''ということである。
1章のような商品の取引では増減しないはずであるお金がどこから生まれるのか。


**3章.お金が増えるとき、減る時 [#wb7e60c1]

循環するお金の総量が増減する状況というのはいくつか存在する。

***小作農 [#xc46de33]
第1に小作農の存在である。
小作農は自給農家で働くのだが小作農はPOPあたり農奴制ならば3、そうでなければ4のお金を自給生産として生み出す能力を持っている。
施設が上げた利益は普通の施設ならば全額が持ち株を持つPOPに配当所得として支払われるのだが、自給農家の場合にはその半額が消え去ってしまう。

ゲームが進むにつれて影が薄くなっていくもののゲーム序盤では主要な要素であり、農奴制と奴隷制を廃止する意義である。
逆に言って、小作農がいないなら農奴制も奴隷制もじつはそれほどデメリットがない。

***鋳貨 [#p690746b]
第2に鋳貨である。
国家はGDPの一定割合、正確には週当たり250+GDPの0.05%、年に直せば2.6%のお金を得る。中盤以降は主要な増加源である。

***財政の無駄 [#v0206051]
第3に税金の無駄である。
徴税キャパシティーが不足して徴税効率が低い徴収した税金の内一部が消え失せてしまう。行政キャパシティーが不足している場合も同様である。
POPからはきっちり税額分のお金が減っているので全体としてお金が減っている。

その為徴税キャパシティーが不足しないように行政センターを増設したいが序盤だと税率が低すぎて全体のお金は増えても政府が赤字で持たないので徴税キャパシティーへの補正や税率にもよるが土地ベース課税を人頭税に変更したタイミングで行政センターを並べるのがいいだろう。

//金利が具体的にお金を増やしている・減らしているという記述がなくこの項目の趣旨に反していたので一旦コメントアウト
//***債務の金利 [#hc979a39]
//第4に借金の金利だ。
//借金には金利が発生する。金利は未承認国家の場合には金利が50%増しで列強ならば50%引きだ。これに技術による補正が加わる。
//なお画面上の持っているお金にカーソルを合わせると収入と支出が表示されるがここで利益と書いてあるのが金利だ。
//interestを利益と訳したものと思うがinterestはここでは金利の意味で使われててほとんど誤訳だと思う。
//財務健全性の高さにもどうやら金利は影響されるようだが細かな計算式は不明。基本筆者は借金はやめた方がいいと思う。

//以下細かい計算

//金利は借金の額でここに表示された利益に書かれている数字を割れば出るがこの計算で出てくるのは週利なのでこれを年利に直したほうが考えやすい。
//年利に直すのだからこれに1年間は52週なので52をかければいいというとそうではなくて
//これは複利なのでその分を計算しなくてはならない。具体的には52は十分に大きな数字なので(細かい話はネイピア数 複利でググろう)
//週利*52*eで計算される

//計算するととんでもない数字、日本だと財務が健全でも年利70%とかになるので基本的には借金はやめた方がいいと思う。
//せめてGDPの伸び率≧金利になってくれないと借金はしにくい。大体GDPの年間成長率が上手く内政を回して10%ってところなので年利70%、列強ですら20%前半というのは高すぎる。
//多分パラドは週利を年利に直すときネイピア数をかけるという点を忘れていたのではないか。

***物が基準価格以外で売買されたとき [#udf94818]

第5に物が基準価格以外で売買されたときである。

具体的にみてみよう。
木材の基本価格は20だ。

仮に売り注文、買い注文がともに100だとすると購入者が払うお金は100×20で2000。生産量の売り上げも同じく2000だ。

だが今度は買い注文は100、売り注文が200になった場合を考えてみる。
この場合、価格は5まで下落することになるが、同様に計算してみると購入者の支払いは5×100で500 生産量の売り上げは5×200で1000。
結果として全体のお金が差の500増えることになる。

今度は買い注文が200、買い注文は100の場合だ。
この場合は木材価格は35まで上昇することになり、同様に計算すると購入者の支払いは35×200で7000 生産者の売り上げは35×100で3500となる。
結果として全体のお金が差の3500失われることになる。

この現象は、このゲームの商品価格が現実の経済より上がりにくく、下がりやすいことに起因する。
売り注文が2倍の場合感覚としては価格は1/2倍であるように思えるが、ゲーム内では1/4倍になる。
逆に買い注文が2倍の場合価格は2倍のようで思えるが、ゲーム内では1.75倍になる。

この現実感覚とゲーム内の計算の差異が、お金そのものが増減するという結果につながっているのだ。

そして全体的に価格が下がりやすくなっているということは、現実よりも払う対価たるお金が少ない、つまりお金が減りやすいということになる。
これをプレイヤーの感覚に落とし込むと、「材料不足は生活水準を大きく下げるが、需要不足は意外と生活水準を下げない」という状態になる。


以下また細かい計算が出てくるので余裕があれば

価格の決定式が正確にわからないので概算となるが、かりに価格売り注文が2倍なら75%引き、売り買い同量なら基本価格
売りが50%多いなら37.5%という単純な比例式だった場合、買い注文が100のときの増えるお金は売り注文の数をXとおくと次式であらわされる。(導出は省く)

基準価格*(x-100)(1-0.0075(x-100)) ただし100≦X≦200

(x-100)(1-0.0075(x-100))をgoogleに入れるとグラフが見れるが売り注文が1.4倍くらいまでは徐々に増えるお金の量が増加するもののそこからはあまり増えなくなり1,65倍あたりで頭打ちでそれ以上はむしろ減ることがわかる。

同様に失わるお金を計算すると
基準価格*(100-X)*(2.5-0.015X)

同様にグラフを見るとこちらは不足がひどくなると失われるお金はどんどん増えていき上のグラフと比較すればわかるが売り注文が110の時に得られるお金は、90の時に失われるお金の半分くらいでしかない事がわかる。
120と80ならもっとだ

細かい計算はここまで

この働きは生産の面で見る方がわかりやすい。
特にお金が減る例は、原材料がなくても生産される商品の材料費の行方が虚空であることが最たるものだろう。原材料が高いことにより生産が停止するのは製法を変えてから少し経ってからであり、その少しの間に払われた原材料費は消える。

****結論 [#scc19a52]

1.商品が安価で売られると全体のお金が増える。
2.商品が高価で売られると全体のお金が減る。
3.1と2なら2の効果の方が大きい
4.1の効果は売り注文が1.4倍くらいまでで効果が大きいがそれ以上は効率がわるい。

よってお金を増やすという意味では全ての商品が少し安めで売られていると効果が大きい。ただし不足を解消する方が余らせるより優先である。
日本などの閉鎖経済でやると分かるが、ずっと原材料不足の状態を続けると段々と生活水準が落ちていくのはこれが理由だったりする。

ここまで生活水準を上げるためにお金を増やすことを考えてきたが、そもそも生活水準を上げる必要がどこにあるのかという問題がある。


**4章.増えすぎたお金 [#sc6426c2]

ゲーム序盤は問題ないが中盤以降金余りの状況に陥ることがある。
上記の流れでお金がどんどん増えていくのだが多くのお金はpopの生活水準を上げ((Victoria3のインフレはこのように再現される))、要求賃金も上がっていく。
だがこのゲームにおいて生産方式、生産性、売値、買値が一定ならばその施設があげられる収益は一定である。

生産性は各種モディファイアで上げられ生産方式は技術開発で変更出来るが一定以上は上がらない。
買値、売値はある施設にとっての売り物は別の施設にとっては買うものなのですべての施設にとって都合のいい価格設定は不可能だ。


結果として施設があげられる収益には上限がある。
そして収益から労働者の賃金を払うのであるが労働者の要求賃金が上がってくると収益で給料を賄えなくなり赤字に陥って施設が稼働できなくなる。

一部の施設ならともかくどこかの施設でこれが起こるとその施設が生産していた商品を使って生産していた施設も採算が合わなくなってしまい連鎖的に大量失業を起こすこととなる。
大量失業した結果、彼らの生活水準が下がってまた低い賃金で働いてくれればいいのだがその過程で急進性が上がったりと良くないことが起こるので他の解決策としてどこからか安い労働力の移民を連れてくるとか植民地を作って現地民を安く使うとかの方策を考えることになる。

具体的になにがいいかを考えるのがこのゲームの醍醐味ではある。


*税金から見た「お金」の動き [#l97df5d1]

**1章.税金の取り立てとは [#k1f00692]

ここでは1章の鉄鉱山を例に話を進める。ここで鉄鉱山は飾り細工工房に工具の代金を支払い、飾り細工工房と建設セクターから鉄の代金を取得している。この差額が鉄鉱山の利益である。
この利益はまず従業員popの給料に充てられ、残りは主に手元資金に貯蓄され、さらに残った一部は配当として施設の所有者popの収入となる。
従業員popにはお金が給料として一律に支払われるが、所有者popはこの利益を配当として株のような形態で受け取ることになる。
手元資金が満杯になれば「利益-給料=配当総額」の式が成り立つようになる。

つまり、鉄鉱山の所有者popは鉄鉱山から''給料を受け取っているのではなく''、鉄鉱山の利益から生まれる''株の配当を受け取っている''という点に注意して考えるべきである。
//以下予測なのでコメントアウト。
//鉄鉱山の利益が下がると、施設は賃金を下げることで黒字化しようとする。その結果、その給料額に満足しないpopも現れる。それらの高い生活水準のpopは退職する。そして要求賃金の低いpop(生活水準が低いpop)が新たに労働するようになる。こうして賃金を下げることにより施設は利益をある程度回復する。
//鉄鉱山が赤字の時は当然配当など生まれないため、そこで配当を受け取れない所有者popたちは手元資金から自らに割り当てられた分のお金をとっていく。配当は割り当て分をとられると残高を総額として再割り当てが行われるので、配当を受け取れない所有者popは手元資金が減っていくため自らの手元資金割り当ても少しづつ減っていく。そして受け取れるお金が自身の生活水準によって定められた最低額を割ると、そのpopはその施設の所有者を辞める(持ち株を売る)。また従業員の給料も手元資金から引かれるため手元資金が減り、給料が下げられるために高生活水準popが辞め、さらに低生活水準popが働くようになる。しかし施設が赤字なのでその低生活水準popへの給料も満足に払えず、最終的に手元資金が0になり、所有者もいないただの箱になる。

同様に建設セクターの従業員popにお金を払っているが、建設セクターの所有者は政府そのものなので具体的に配当を受け取るpopがいるわけではない。
逆に綿農家はどこにも支払いを行っていないから売り上げが全てpopへの給料と配当になる。
重要なのはここではお金は増えも減りもしておらず、ただ政府のお金が建設セクターを経由して各施設に流れ、各施設の従業員popと所有者popに流れて行くだけということだ。

だがこのままではひたすら政府のお金がそれらのpopに移り続けやがて政府は破産してしまう。そのためこの一方通行の流れを循環させなくてはならない。

一番簡単な方法はpopが貰ったお金を100%全部税金として取り上げてしまうことだ。そうすれば払った分のお金は政府に戻って問題解決となる。
だが残念ながらそんなことをするとpopは働いてくれないし飢餓でpopが死ぬので国家が破綻してしまう。そこで少し回りくどい方法を取らないといけない。

所得税を例に考えてみる。
所得税は従業員popが受け取る給料から一律の割合で税金をとる。
こうなると政府もより多くのお金を使えることになり、建築、大学、軍事、官僚、インフラなどの公共施設にお金をつぎ込めることになる。
ただ、''所得税は配当にかからない''という点に注意だ。配当への課税は利益配当税という別の税である。

給料の総量を増やすには、popの雇用元がより多くの収益を上げる、すなわち生産を増やす必要がある。
しかし闇雲に生産を増やせばいいわけではなく、例えば伐採所を増設して木ばかりを増やしたところで、それに見合う需要が無いため材木は値崩れして赤字を垂れ流すだけになってしまい、全く意味がない。
そこで木の需要を増やすために、木を消費する別の産業(飾り細工工房や家具工場など)を増設する必要がある。
飾り細工工房を建てた後はその材料である鉄を増やすために必要な鉄鉱山を増設し、鉄鉱山で使う石炭を増やすため石炭鉱山を増設し、生産した道具を使うように伐採所の製法を変え、さらに道具が必要になるので道具工場と鉄鉱山と石炭鉱山を増設……ということを繰り返していれば国全体の生産が拡大し、popの雇用と賃金の総量が拡大し、生産の対価であるお金はより回ることになる。

そしてその増えた賃金はpopの財力(ゲーム内で財力と呼称されるが、一般的な名称としては資産である)を上げ、より多くの需要を生むとともに生活水準を向上させる。生まれた需要により更なる生産を要求され、建設によりそれを満たすとpopがより多く雇用され...という循環が出来上がる。この循環における生産の拡大をデータにしたのが国内総生産、popの生活水準の向上をデータにしたのが平均生活水準、それを満たす建設の速さが建設セクターが生産する建設の総数である。


**2章.生活水準と需要 [#x851703e]

生活水準という表現からは分かりにくいが、このゲームおける生活水準とはそのpopの財力とほぼイコールの関係にある。
popは支払われた賃金や配当からいろいろな商品を買ったり(ゲームでは需要ってかかれているもの)、税金を支払うのだがこの支出よりも収入の方が大きいと当然ながら徐々にpopの財力が増えていく。
この財力を数値として表したのが生活水準だ。

そして財力=生活水準が上がると商品を買う量=需要が増えていくのだが、収入が変わらなければ需要だけが増えてどこかで「収入=需要」となる限界が来る。そうするとそれ以上財力は増加せず、生活水準の上昇は止まる。

さてゲームの最初の頃はpop達はほぼ最底辺の生活水準である小作農であり、その給料は他の施設で支払われる給料に比べて圧倒的に低いため、建設した施設で働くpopの生活水準は徐々に上昇していくことになる。

しかし施設で働く従業員popは職に就いてからしばらくは需要をあまり増やすことがない。なぜなら生活水準が6や7であったpopが次に消費を増大させるのは生活水準が10になって日用品や衣類を求めるようになってからだからだ。そのため施設を建設してからpopの需要が増えるのはだいぶ先になる。


**3章.投資プール [#d7d5f7b7]

ここで問題なのがこれらの施設の配当を受け取る資本家popや貴族popである。こいつらはその受け取った配当を減らすことなくそのまま財力とすることができるため、生活水準は並外れて高くなる。これらの特権層にお金が集約されては回るお金の量が減ってしまい、政府としてはたまったものではない。そのためこれら特権層の収入を何とかして政府に還元する構造を作る必要がある。それが投資プールという構造である。

投資プールは配当から一定額を政府が建設に使用可能な貯蓄として保存する構造で、法律が干渉主義、農本主義、レッセフェールのどれかであった場合に有効になる。法律で定められた施設の建設について、費用を投資プールから拠出することができるようになる。
これにより「建設セクターによって増えた施設で働く従業員popたちの生産・消費を吸い上げていく資本家や貴族から投資プールに提供させたお金で建設セクターの費用を賄う」という循環が一応完成することになる。

資本家や貴族の財力が高水準であることは特に止めるものでもないが、公共施設による支出を拡大したい場合に一番財源になりえるのも資本家や貴族である。そこで利益配当税の徴収により投資プール以外でも徴収するという道もあるが、それはゲーム中盤以降の話になるだろう。


*「お金(ストック)」で見る成長 [#qa0ad3d9]

ここでは「お金」の定義を「POPの財力=生活水準」「施設の手元資金」「政府の金準備」の合計とする。((この定義は[[開発日記>https://simulationian.com/2021/08/vic3-dd20210805/]]の記述とも合致する。『通貨供給量、あるいは蓄蔵した価値は、国庫、建造物の手許現金、Popの富の総計であると考えることができる。』))

POP・施設・政府は、モノの売買・賃金・税金などで相互にやり取りしている。
単なるやり取りだけでは、「お金」が行ったり来たりするだけで、総量が増えようもない

しかし実際にプレイしている上では総量が増加していく。
では、やり取りのどこで総量が増えているのだろう?

**「お金」の増加 [#af8e0599]

***鋳貨 [#le80493c]

政府はGDPの年率2.6%+技術補正を鋳造する。
更に金山からの収入も鋳貨として反映される。

余談ながら、政府の借金の利息はきちんと国内のPOPに支払われており、国全体で見れば「お金」は増減していないようだ。

***扶養者賃金(雑用) [#hf076c95]

POPの扶養者(労働者の家族)が雑用労働で産んだ産出。モノを介在しておらず、無から賃金を得ている。


**「お金」の減少 [#k6c87596]

***浪費税(官僚制・課税キャパシティ) [#kba038dc]

官僚制・課税キャパシティがマイナスになると、全体・州の税収が消滅する。

***自給農家 [#c89ea786]

施設の利益は本来なら''株主配当''されるが、自給農家では半額が''雑損''として消滅する。

**「お金」の増減(モノの売買) [#td23ca9d]

価格の上下に基づき、売買時に増減する。基準価格より安いなら増加、高いなら減少する。
一般感覚とは反するが、ゲーム内の「売り注文」「買い注文」の画面をチェックすると、差額が生じていることが分かる。

最も分かりやすい例は、施設画面で、''原材料0で無理矢理生産''した商品をチェックすることだ
原材料0にも関わらず''買い注文の代金''は発生している。しかし''他の施設がこれを受け取れない''ので、まるっきり消滅している。

「お金」の増減の主たる要因こそ、価格に関するトリッキーな処理だ。
以降は「お金」の増減が何を意味するかを解説する。

**「お金」の増減で起こる現象 [#m4c7747d]

ここでは「お金」の中の「POPの財力=生活水準」に特に注目する。ゲーム内のPOP詳細画面を開きながら読むのをオススメ。
財力は「POPの収支(ゲーム内の''純利益'')」の結果であり、収支がプラスなら財力上昇、マイナスなら低下する。

POPの収入は賃金/配当であり、支出は税金/''需要''である。需要=モノの購入で、カーソルを合わせると穀物や奉仕に支出しているのが確認できる。

「POPの財力」が増減すると、あまりにも多くの要素((出生率・死亡率・識字率・資格取得・選挙権・政治力・急進派・体制支持・移民求心力))が変化する。
また、POP需要は財力に応じて決まるため、身の丈に応じた支出に変化していく。

仮に財力が一定の場合、需要も一定となり成長は難しくなる。
意識的に財力を伸ばすことで''需要が伸びやすくなり、GDP(フロー)の増大に寄与する''だろう。

***いかに財力を伸ばすか [#j6f57e90]

POPの収入を増やし支出を減らすことで財力が伸びる。
手っ取り早いのは減税で支出を減す方法だが、建設拡大とのトレードオフになる。

長期的には''POP需要品の価格を下げる''ことを通じ、支出を減らすのが有効。
貧困層を中間層に育てるには穀物や生地を、中間層を富裕層に育てるには奉仕や家具を、富裕層を更に育てるには高級服やコーヒーの価格を下げるという意味。

賃金の増加も財力を伸ばすが、賃金の増加は''財力の増加の結果''として生じるので、先んじるのは財力である。

*「ヒト」「モノ」から考える [#ea5309ac]

経済活動の根幹は言わずもがな「ヒト(労働力)」である。
ヒトが「モノ(商品)」を''生産''し、''消費''することで、「経済(GDP)」が拡大していく。

**生産の内訳 [#x373e2d4]

生産は''各施設''で行われる。たとえば「伐採所」からは「木材」が生産される。

''輸入''は生産の代替であり、収支が適切な消費先があるなら経済の拡大に資する。

**消費の内訳 [#z53db180]

消費は''施設での加工''として行われる。たとえば「伐採所」では「工具」が消費される。
また''POP需要''として[[各POPが生活水準に応じて>各種データ/需要]]消費を行う。

''輸出''は消費の代替であり、収支が適切な生産元があるなら経済の拡大に資する。

**抑えるべき基本の数字 [#jf988045]

各施設の''雇用数''は、1レベルあたり''原則5000人''である。
小作農・未就業者の雇用を調整するときは、この値を目安として計画を練っていこう。

なお例外的に「交易センター」「兵舎」「徴兵センター」「海軍基地」「港」は、1レベルあたり''原則1000人''である。

**まず「ヒト」から始まる [#j5dd2b57]

「モノ」を生産→消費するループを考えるとき、最初の段階では''モノが存在しない''ことを踏まえる必要がある。
最初の段階では''モノ(原料)無し''で、''ヒトのみ''の投入で生産が行われる。以下に具体例を挙げよう。

|施設名|生産量|備考|h
|牧場|生地25/食肉5||
|畑:果物|穀物30|果実・砂糖への転換可|
|畑:ライ麦|穀物30|果実・砂糖・酒への転換可|
|畑:小麦・モロコシ|穀物30|果実・砂糖・ワインへの転換可/小麦・モロコシでほぼ同じだが、ワインへの転換量は小麦が多い|
|畑:稲|穀物35|果実・砂糖への転換可/他より生産性が高いが、将来のトラクター導入不可|
|農園:綿花|生地40|生産性の上昇率が2.5倍|
|農園:バナナ|果実30||
|農園:砂糖|砂糖30||
|農園:コーヒー|コーヒー20||
|農園:茶|茶20||
|農園:タバコ|タバコ25||
|農園:アヘン|アヘン20|量*価格で最優秀かつ生産性の上昇率も2.5倍。中盤以降は軍需による高止まりで更にドン。|
|農園:絹|絹20||
|農園:染料|染料25||
|伐採所|木材30|硬材への転換可|
|ゴム農園|ゴム30||
|漁港|魚25||
|自給農場|小麦2.5/生地0.5/木材0.5/奉仕0.5/自給4.0|家内制手工業:衣類0.5/家具0.5/酒0.5&BR;農奴制:小麦0.5/自給-1.0|
|自給果樹園|果実1.66/生地0.25/木材0.75/奉仕0.5/自給4.0|家内制手工業:衣類0.5/家具0.5/酒0.5&BR;農奴制:果実0.33/自給-1.0|
|自給牧草地|食肉1.66/生地0.75/木材0.25/奉仕0.5/自給4.0|家内制手工業:衣類1.0/家具1.0/酒1.0&BR;農奴制:食肉0.33/自給-1.0|

**建設による自給農家の転換 [#hea979f9]

上記の表で注目すべきは''自給農家の生産性の低さ((加えて、自給農からは人頭税が取れないデメリットもある。))''である。
同じ原料無しの生産であっても、各種施設のほうが遥かにマシな出力を持っている。
速やかに自給農家を減らし、各種施設へと労働力を転換することが生産拡大の基本となる。

この欄の施設は''建設コスト50''と安価でもあり、たとえば''建設コスト150''の各種工場と比較すれば迅速に建設することができる。
自給農家・未就業者の受け皿として効率的であり、''モノの需給を考えず済む状況((たとえば自国が中小国で、他の大国の市場に属しているなら、序盤の需給は大国の側で調整してくれる。))''であれば手っ取り早い生産拡大の手法となる。

***建設セクターの準備 [#kb551357]

自給農家の転換を進める建設の手段は''建設セクター''しか存在しない。
建設セクターが多ければ多いほど良いのだが、''公務員の人件費''に加えて''原料として用いる商品の購入費''が制約となる。

人件費は予算タブから''-30%~+30%''の範囲で調整できるが、劇的に変化するほどではない。
一方で商品購入費は、対応する商品の価格に応じて''-75%~+75%''の範囲で変化する上、''原料不足''のペナルティを受けると''建設量が最大で半減''する。

''生産と輸入''によって商品を確保して価格を下げることで、ペナルティの回避はもとより購入費の減少を通じて、''より多くの建設セクター''を用意できる。
大多数の国の序盤は輸入の制約が厳しいため、伐採所や鉄鉱山を建設して自力で生産していくことになる。

**生産性の上昇 [#s197bc56]

自給農家を一通り淘汰すると''人手不足''の問題が生じる。さらなる発展を目指すには、新しい考え方を導入しなければならない。

一つの考え方は[[移民などによる労働力の確保>各国戦略/大国の汎用初期内政#j245d014]]だが、リンク先にまとめてあるので割愛。
もう一つの考え方が''製法の改善''による生産性の上昇で、三通りに分類してそれぞれ見ていく。

***タイプA:生産増 [#o12be364]

概ね、最左の薄黄色の製法。

|施設名|製法名|原料変化|生産変化|差額((基本価格比))|h
|畑:小麦|土壌改良|''肥料5''|小麦20|250|
|鉱山:鉄|大気圧機関|工具5/''石炭10''|鉄20|150|

新たな種類の原料を要求される場合もある。
新原料が十分に供給されていない状況で慌てて変えても損をする。

***タイプB:生産変更 [#rf735a6d]

概ね、左の赤色の製法。

|施設名|製法名|原料変化|生産変化|差額|h
|畑:小麦|ぶどう園|小麦10/人200|ワイン10|100|
|工場:ガラス|セラミックス|ガラス20/''染料15''/人500|磁器25|350|

既存の生産を減らす代わりに、より高価な商品を生産する。
むしろ人手が要求される場合が多いが、生産性の面から言えば得。需給の変化には注意。

***タイプC:省人化 [#vcf2b1c5]

概ね、右の緑色の製法。

|施設名|製法名|原料|省人数|h
|畑:小麦等|収穫道具|工具1|人500|
|工場:家具等|水管ボイラー|工具5/''石炭5''|人1500|

人手が足りている状況なら変えなくとも良い。

**行き詰まり(資源制約) [#s85b443f]

建設を繰り返し、移民を呼び寄せ、製法を進歩させ、経済成長を続けてきたプレイヤーの前に限界の壁がやってくる。
その正体こそ''鉱山資源の制約''である。

''工場は無限''に建設できるが、農場・鉱山は''州ごとに数の制約''がある。
更に悪いことに''AIの開発が遅い''ため、ただでさえ有限な資源が埋まったままで放置される。輸入はもちろん、同市場に組み込んでも全然ダメだ。

より長く成長を続けるためには、''戦争によって資源州を確保し、自ら開発する''以外しかない。
つまり''世界征服が最大の経済成長''ということ。
たとえ世界征服しても、すべての資源を掘り尽くしたところで成長は止まってしまう。そしてStellarisへ続く。

***一般の限界 [#b753f59a]

世界征服は特殊なプレイであるので置くとして、一般のプレイで制約に陥りがちな資源について考える。

最注目は''石炭・石油''である、この二つは原料として多岐に渡る需要があり、野放図に製法を変えると大量に持っていかれる。
節約のため、両者を消費しない前時代的な製法に留まるのも選択肢だ。

問題児は''ゴム・石油''である。この二つはゲーム進行と共に''ランダムに発見''されていくため、たとえ産地を抑えていても供給されるとは限らない。
ゴムは''自動車・電話・ラジオ''に必須で、''高級衣服''の生産拡大にも用いる。自動車・ラジオは終盤の軍需品でもある。
石油は''自動車・飛行機・戦車''に必須で、''大多数の商品''の生産拡大にも用いる。軍需を優先するなら、なおさら用途を絞らねばならない。

''絹・染料''は農園に加えて合成プラントから生産できるが、硫黄を筆頭に他資源を変換しているに過ぎない。
''各種の食料''は相対的に余りやすいので、有限の農地では絹・染料と、三大嗜好品である''アヘン・コーヒー・茶''を優先したほうが良いだろう。

なお、全体の労働力不足よりも遥か先に資源不足に陥る関係、長期の労働力不足の心配は逆説的に不要である。

*コメント欄 [#x3e400a3]

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