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[[AAR/58800000]] この詩の思想はただ一つ、 ちかづく明日を、照らすこと。 *はじめに [#q1d04fa7] ある日世界が、 ひっくりかえった。 王さまと従者 地主と農民 坊主と信者 虐げる者と虐げられる者 支配する者、される者 大人と子ども ライオンと鶏 空と海 山と川 夏と冬 太陽と月 ぜんぶがぜんぶ、 ひっくりかえった。 王さまは盲目。 従者が、王さまのその寝ぼけ眼(まなこ)をひらいた。 「王さま、これは REVOLUTIONでございます。」 *出発の日 [#b5886551] ある朝、 それは昼だったかもしれない それは夜だったかもしれない 元老院広場に 一枚のポスターが貼り付けられた。 万人に! 万人に! 万人に告ぐ! 虐げられたすべての有象無象に告ぐ! 相語らって馳せ参ぜよ! 出発せよ! 署名 フリーメーソン 議長 インテリゲンチャ 副議長 リベルテ エガリテ フエラルテ 以上三名、書記 行こおう!(パイジョーム!) 行こう、行こう、行こう、行こう! пойдем、let's go、allons-y、我们走吧! 行こおおおおおおう!!!! かわいいロシアはいなくなった! かわいそうに、絞め殺された! 新しいロシアを見つけよう! 万人のロシアを! 行こう、行こう、行こう、行こう! 出発の前に、 全宇宙の目録を総点検。 いるものは よろしい、とっておこう。 いらないものは、 糞くらえ! 黒い十字架。 行こおおおおう!!!! ロシア平原の豊かな針葉樹林が囁いている。 何と言っている? 「おい、ナポレオン。 革命の墓堀人。 偉大な革命をよくも葬ってくれたな。 だがおれたちは、 ウィーン条約に調印しなかった。 正統主義なんてまっぴらごめんだ。 おれたちのロシアをつくろう、 万人のロシアを!」 土深く埋もれた鉱物資源の声が聞こえる。耳を澄まそう。 「ロンドンにいるプチブル趣味のウィリアムではない、 パリにいる洋ナシのようなフィリップでもない。 おれたちのツァーリはペテルブルクにいるニコライだ。 あの禿げ頭は、 頭皮の脂が太陽の光を反射して、 まるで中世のイコンのようだ。 この蜂起で死んでいたら、おい、ニコライ! きみは聖大致命者だったろうに!」 おおい、県(あがた)ども、 錨を上げろ! ウクライナの、キエフルーシの頃から変わらぬ県のかたちが、 ぐらぐらと揺れ、 県知事たちが悲鳴を上げる。 クニャージ、ザポロージェ、コサック、ヘチマン、...の支配に長らく苦しんできた農奴たちが、 めいめいに鬨の声を上げる。 ドニエプル川の子守歌とのハーモニーが聞こえる。 「おれたちは何のために飢えている。 せめてあと一度だけでもたらふく食いたい。 でっかいソーセージが山盛りになっている冬の宮殿の食卓へ。 ニコライのでっぷりと太った腹を見に行こう!」 行こおう!(パイジョーム!) 行こう、行こう、行こう、行こう! пойдем、let's go、allons-y、我们走吧! 行こおおおおおおう!!!! 石畳に響く規則正しい足音の軍鼓にのって、 58800000の唇が語る。 「起て、祖国の子らよ、 栄えある日はきた...。」 *銃剣の下の憲法 [#b6024d39] おうい、ニコライ。 脂太りの。 甘ったれの次男坊。 兄ちゃんのコンスタンチンに、 ツァーリを代わってもらわないか? 憲法、即ちコンスタンツァを、 お前が書いてみないか? 禿げのニコライは、おなかをさすって、 おっかな、びっくり、 58800000の歌声を聴いている。 デカブリストたちが宮殿に闖入。 完全武装したデカブリスト。 銃剣は、ぴかぴか。 銃弾は、装填済。 「ニコライくん! 習字のお時間だ。これを、書け。」 示されたのは数か条の文章。 一つ、すべてのひとは、 自由に生きる、 平等な権利を持ち、 友愛によって結合される。 一つ、可及的速やかに国民議会を招集する。 一つ、文化的差別は、 これを禁じる。 一つ、宗教は阿片だ。 一つ、農奴制は廃止。たらふく食いたい! 一つ、御名御璽。 あわれなニコライ。 背中を小突かれ、 執務机に腰掛ける。 あわれなニコライ。 ペンを、銃剣で指示され、 インクに浸ける。 あわれなニコライ。 やれ筆記体で書くな。 やれ丁寧に書け。 やれお前、字がへたくそだな。 罵詈雑言。 それでもなんとか、 えっちらおっちら、 書き上げたるは成文憲法。 デカブリストたちは満足して 帰宅。 ニコライは茫然自失。 嵐は去った。去ったのか? ほんとうに? 静寂。 さっきまでの喧騒が嘘のようで、ニコライはそろりと 机から立ち上がる。 窓辺に行って外を見やる。 眼前に広がるのは、 漠たるロシア。 いままでと同じロシア。 いままでとはちがうロシア。 (序章、幕)
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[[AAR/58800000]] この詩の思想はただ一つ、 ちかづく明日を、照らすこと。 *はじめに [#q1d04fa7] ある日世界が、 ひっくりかえった。 王さまと従者 地主と農民 坊主と信者 虐げる者と虐げられる者 支配する者、される者 大人と子ども ライオンと鶏 空と海 山と川 夏と冬 太陽と月 ぜんぶがぜんぶ、 ひっくりかえった。 王さまは盲目。 従者が、王さまのその寝ぼけ眼(まなこ)をひらいた。 「王さま、これは REVOLUTIONでございます。」 *出発の日 [#b5886551] ある朝、 それは昼だったかもしれない それは夜だったかもしれない 元老院広場に 一枚のポスターが貼り付けられた。 万人に! 万人に! 万人に告ぐ! 虐げられたすべての有象無象に告ぐ! 相語らって馳せ参ぜよ! 出発せよ! 署名 フリーメーソン 議長 インテリゲンチャ 副議長 リベルテ エガリテ フエラルテ 以上三名、書記 行こおう!(パイジョーム!) 行こう、行こう、行こう、行こう! пойдем、let's go、allons-y、我们走吧! 行こおおおおおおう!!!! かわいいロシアはいなくなった! かわいそうに、絞め殺された! 新しいロシアを見つけよう! 万人のロシアを! 行こう、行こう、行こう、行こう! 出発の前に、 全宇宙の目録を総点検。 いるものは よろしい、とっておこう。 いらないものは、 糞くらえ! 黒い十字架。 行こおおおおう!!!! ロシア平原の豊かな針葉樹林が囁いている。 何と言っている? 「おい、ナポレオン。 革命の墓堀人。 偉大な革命をよくも葬ってくれたな。 だがおれたちは、 ウィーン条約に調印しなかった。 正統主義なんてまっぴらごめんだ。 おれたちのロシアをつくろう、 万人のロシアを!」 土深く埋もれた鉱物資源の声が聞こえる。耳を澄まそう。 「ロンドンにいるプチブル趣味のウィリアムではない、 パリにいる洋ナシのようなフィリップでもない。 おれたちのツァーリはペテルブルクにいるニコライだ。 あの禿げ頭は、 頭皮の脂が太陽の光を反射して、 まるで中世のイコンのようだ。 この蜂起で死んでいたら、おい、ニコライ! きみは聖大致命者だったろうに!」 おおい、県(あがた)ども、 錨を上げろ! ウクライナの、キエフルーシの頃から変わらぬ県のかたちが、 ぐらぐらと揺れ、 県知事たちが悲鳴を上げる。 クニャージ、ザポロージェ、コサック、ヘチマン、...の支配に長らく苦しんできた農奴たちが、 めいめいに鬨の声を上げる。 ドニエプル川の子守歌とのハーモニーが聞こえる。 「おれたちは何のために飢えている。 せめてあと一度だけでもたらふく食いたい。 でっかいソーセージが山盛りになっている冬の宮殿の食卓へ。 ニコライのでっぷりと太った腹を見に行こう!」 行こおう!(パイジョーム!) 行こう、行こう、行こう、行こう! пойдем、let's go、allons-y、我们走吧! 行こおおおおおおう!!!! 石畳に響く規則正しい足音の軍鼓にのって、 58800000の唇が語る。 「起て、祖国の子らよ、 栄えある日はきた...。」 *銃剣の下の憲法 [#b6024d39] おうい、ニコライ。 脂太りの。 甘ったれの次男坊。 兄ちゃんのコンスタンチンに、 ツァーリを代わってもらわないか? 憲法、即ちコンスタンツァを、 お前が書いてみないか? 禿げのニコライは、おなかをさすって、 おっかな、びっくり、 58800000の歌声を聴いている。 デカブリストたちが宮殿に闖入。 完全武装したデカブリスト。 銃剣は、ぴかぴか。 銃弾は、装填済。 「ニコライくん! 習字のお時間だ。これを、書け。」 示されたのは数か条の文章。 一つ、すべてのひとは、 自由に生きる、 平等な権利を持ち、 友愛によって結合される。 一つ、可及的速やかに国民議会を招集する。 一つ、文化的差別は、 これを禁じる。 一つ、宗教は阿片だ。 一つ、農奴制は廃止。たらふく食いたい! 一つ、御名御璽。 あわれなニコライ。 背中を小突かれ、 執務机に腰掛ける。 あわれなニコライ。 ペンを、銃剣で指示され、 インクに浸ける。 あわれなニコライ。 やれ筆記体で書くな。 やれ丁寧に書け。 やれお前、字がへたくそだな。 罵詈雑言。 それでもなんとか、 えっちらおっちら、 書き上げたるは成文憲法。 デカブリストたちは満足して 帰宅。 ニコライは茫然自失。 嵐は去った。去ったのか? ほんとうに? 静寂。 さっきまでの喧騒が嘘のようで、ニコライはそろりと 机から立ち上がる。 窓辺に行って外を見やる。 眼前に広がるのは、 漠たるロシア。 いままでと同じロシア。 いままでとはちがうロシア。 (序章、幕)
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