AAR/Hypocrisy in America/1
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[[AAR/Hypocrisy in America]] おれはジャクソン。アンドリュー・ジャクソン。アメリカ合衆国大統領だ。 政敵はおれのことを「キング(王さま)」とか、あるいはたんに、「ドンキー(ロバ野郎)」と呼ぶよ。 1828年の選挙で民主党から大統領になったおれは、副大統領のカルフーンの補佐を得て、「ジャクソニアン・デモクラシー(ジャクソン流の民主主義)」と呼ばれる施策を次々に実行していった。 まず土地所有者投票、あるいはよく言って富裕者投票だったアメリカの参政権を白人男子全員に拡大する制限選挙に改正した。 つぎに猟官制ともいうべき、官僚を選挙で勝った側が独占する官僚制度を構築した。 経済の面では介入主義と保護貿易を二本柱にして、北部の商工業者と南部の農園主の利益を擁護した。 最後にアメリカでもっとも重要な問題、奴隷制については遺産奴隷制を墨守した。 こうしておれは再選を経て、任期最後の年である1836年を迎えた。 *任期最後の年 [#b80a7abe] #ref(ss02.jpg,left,nolink) 独立13州を表す縞々に、現在の州の数を表すだけの星の数が配置された星条旗。 この星条旗に忠誠を誓っておれは独立戦争からイギリスやインディアン相手の戦争、そして八年の大統領職をこなしてきた。 信頼するジョン・カルフーンが年初の挨拶をおれに述べる。 おれはカルフーンの補佐を得て、てきぱきと業務を片付ける。 #ref(ss03.jpg,left,nolink) わが民主党はヨーマン(独立自営農民)、南部農園主(ゲーム的には地主)、そして軍部から構成される。 独立自営農民はアメリカの背骨だ。彼らはアメリカの土地法である「自営農民Homestead」からちからを得、おもに中西部で大きな勢力を誇る。 南部農園主はアメリカの頭脳だ。彼らは「遺産奴隷制」に基づくプランテーション経営、なかんづく南部の綿花畑を中心に大きな勢力を誇る。 軍部はアメリカでは弱い。「民兵制度」を採用しているからだ。アメリカでは現在、常備軍は全部で11大隊しかない。有事には州兵(徴募兵)が動員されてことに当たる。 今年の暮れには大統領選挙がある。おれはワシントンの故事に倣って三選はしないつもりだ(初代大統領ワシントンは権力の独占を嫌って二選で引退した)。 おれの後釜には南部農園主を束ねるジョン・カルフーンが座る予定だ。おれはカルフーンを信頼している。 大統領選で対立候補をだしてくるであろう、ホイッグ党はプチブルとその同盟者からなる政党だ。 プチブルは北部商工業者の代表で、奴隷制廃止を窺うインテリと坊主がそれに衛星のように付随している。 カルフーンはおれに囁く。「だが本来、坊主は保守的なものです。坊主がいま奴隷制廃止のホイッグ党になびいているのは、指導者のチャールズ・フィニーが奴隷制廃止論者だからです。」 そのとおりだ。おれはカルフーンを信頼している。 「人気のあるフィニーを追放しましょう。そうすれば坊主は没落するか、あるいは民主党の方に靡くようになるでしょう。」 ということで初手でおれは坊主の指導者フィニーを追放して扇動者にした。フィニーの後継者の指導者は人気がなく、「政教分離」の法律をとっているためアメリカでは弱かった坊主の勢力は最終的に無力化された。 #ref(ss04.jpg,left,nolink) おれは信頼するカルフーンと外交についても綿密に協議した。 戦略的関心はおもに新大陸とアフリカ大陸につけることにした。 アフリカ大陸にはもともとセネガル地域にリベリアというアメリカの衛星国があった。この国は、奴隷制廃止論者との妥協で、解放奴隷をアフリカに帰還させる運動のためにつくられた。 カルフーンは言った。「ホイッグの連中のうるさがたを黙らせるためにも、セネガル地域だけではなくニジェール地域、コンゴ地域にも関心をつけるべきです。」 カルフーンが言うには、セネガルのリベリアのように、ニジェールやコンゴでも似たような衛星国をつくって、アメリカが持てあます解放奴隷をアフリカに帰還させる準備をしてやるといい。それが結局のところ、アメリカの遺産奴隷制を安定させる、というものだった。 おれはそのようにした。 おれはカルフーンを信頼していたから。 #ref(ss05.jpg,left,nolink) アメリカの外貨獲得の主力輸出商品としての綿花(織布、Fabric)だ。おもに衣類の原料となり、大清に次ぐ世界第二位の生産量を誇り、国内の単価は12.7ポンド。世界標準より三割ほど安価になっている。 大概がイギリスに輸出され、週ごとに3kから4kの外貨獲得の手段となり、アメリカの工業化の起爆剤となっている。もちろん、綿花生産量のうち九割が綿花プランテーションで生産されている。そこでは南部農園主の経営の下、黒人奴隷によって白い綿花が摘まれている。 *おわりに [#jf382410] アメリカの1836年の状況はこんなところだ。 さきにも述べたが、この年の暮れには大統領選挙がある。 うちのカルフーンがそれに勝って大統領になってくれるだろう。そしてアメリカを導いてくれる。 制限選挙と遺産奴隷制がアメリカの屋台骨だ。どちらが欠けてもならない。 カルフーンならうまくやってくれるだろう。おれはカルフーンを信頼しているのだ。
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[[AAR/Hypocrisy in America]] おれはジャクソン。アンドリュー・ジャクソン。アメリカ合衆国大統領だ。 政敵はおれのことを「キング(王さま)」とか、あるいはたんに、「ドンキー(ロバ野郎)」と呼ぶよ。 1828年の選挙で民主党から大統領になったおれは、副大統領のカルフーンの補佐を得て、「ジャクソニアン・デモクラシー(ジャクソン流の民主主義)」と呼ばれる施策を次々に実行していった。 まず土地所有者投票、あるいはよく言って富裕者投票だったアメリカの参政権を白人男子全員に拡大する制限選挙に改正した。 つぎに猟官制ともいうべき、官僚を選挙で勝った側が独占する官僚制度を構築した。 経済の面では介入主義と保護貿易を二本柱にして、北部の商工業者と南部の農園主の利益を擁護した。 最後にアメリカでもっとも重要な問題、奴隷制については遺産奴隷制を墨守した。 こうしておれは再選を経て、任期最後の年である1836年を迎えた。 *任期最後の年 [#b80a7abe] #ref(ss02.jpg,left,nolink) 独立13州を表す縞々に、現在の州の数を表すだけの星の数が配置された星条旗。 この星条旗に忠誠を誓っておれは独立戦争からイギリスやインディアン相手の戦争、そして八年の大統領職をこなしてきた。 信頼するジョン・カルフーンが年初の挨拶をおれに述べる。 おれはカルフーンの補佐を得て、てきぱきと業務を片付ける。 #ref(ss03.jpg,left,nolink) わが民主党はヨーマン(独立自営農民)、南部農園主(ゲーム的には地主)、そして軍部から構成される。 独立自営農民はアメリカの背骨だ。彼らはアメリカの土地法である「自営農民Homestead」からちからを得、おもに中西部で大きな勢力を誇る。 南部農園主はアメリカの頭脳だ。彼らは「遺産奴隷制」に基づくプランテーション経営、なかんづく南部の綿花畑を中心に大きな勢力を誇る。 軍部はアメリカでは弱い。「民兵制度」を採用しているからだ。アメリカでは現在、常備軍は全部で11大隊しかない。有事には州兵(徴募兵)が動員されてことに当たる。 今年の暮れには大統領選挙がある。おれはワシントンの故事に倣って三選はしないつもりだ(初代大統領ワシントンは権力の独占を嫌って二選で引退した)。 おれの後釜には南部農園主を束ねるジョン・カルフーンが座る予定だ。おれはカルフーンを信頼している。 大統領選で対立候補をだしてくるであろう、ホイッグ党はプチブルとその同盟者からなる政党だ。 プチブルは北部商工業者の代表で、奴隷制廃止を窺うインテリと坊主がそれに衛星のように付随している。 カルフーンはおれに囁く。「だが本来、坊主は保守的なものです。坊主がいま奴隷制廃止のホイッグ党になびいているのは、指導者のチャールズ・フィニーが奴隷制廃止論者だからです。」 そのとおりだ。おれはカルフーンを信頼している。 「人気のあるフィニーを追放しましょう。そうすれば坊主は没落するか、あるいは民主党の方に靡くようになるでしょう。」 ということで初手でおれは坊主の指導者フィニーを追放して扇動者にした。フィニーの後継者の指導者は人気がなく、「政教分離」の法律をとっているためアメリカでは弱かった坊主の勢力は最終的に無力化された。 #ref(ss04.jpg,left,nolink) おれは信頼するカルフーンと外交についても綿密に協議した。 戦略的関心はおもに新大陸とアフリカ大陸につけることにした。 アフリカ大陸にはもともとセネガル地域にリベリアというアメリカの衛星国があった。この国は、奴隷制廃止論者との妥協で、解放奴隷をアフリカに帰還させる運動のためにつくられた。 カルフーンは言った。「ホイッグの連中のうるさがたを黙らせるためにも、セネガル地域だけではなくニジェール地域、コンゴ地域にも関心をつけるべきです。」 カルフーンが言うには、セネガルのリベリアのように、ニジェールやコンゴでも似たような衛星国をつくって、アメリカが持てあます解放奴隷をアフリカに帰還させる準備をしてやるといい。それが結局のところ、アメリカの遺産奴隷制を安定させる、というものだった。 おれはそのようにした。 おれはカルフーンを信頼していたから。 #ref(ss05.jpg,left,nolink) アメリカの外貨獲得の主力輸出商品としての綿花(織布、Fabric)だ。おもに衣類の原料となり、大清に次ぐ世界第二位の生産量を誇り、国内の単価は12.7ポンド。世界標準より三割ほど安価になっている。 大概がイギリスに輸出され、週ごとに3kから4kの外貨獲得の手段となり、アメリカの工業化の起爆剤となっている。もちろん、綿花生産量のうち九割が綿花プランテーションで生産されている。そこでは南部農園主の経営の下、黒人奴隷によって白い綿花が摘まれている。 *おわりに [#jf382410] アメリカの1836年の状況はこんなところだ。 さきにも述べたが、この年の暮れには大統領選挙がある。 うちのカルフーンがそれに勝って大統領になってくれるだろう。そしてアメリカを導いてくれる。 制限選挙と遺産奴隷制がアメリカの屋台骨だ。どちらが欠けてもならない。 カルフーンならうまくやってくれるだろう。おれはカルフーンを信頼しているのだ。
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